男女共学のバイビー136
どんな対策を講じようとも、パズルの集団自殺にしてみれば孤立した私が一番狙い易いターゲットになったわけですねと、加奈は言った。
若頭がヒロから眼を転じ腕を組み苦渋を湛えつつ続ける。
「ここはいずれにしろ進退窮まる場面だから、この局面はどう有っても打開しないと我々に生存の目は無いな。何か良い方策は無いだろうか…」
加奈がヒロを一瞥してから言った。
「ここまで来たら一蓮托生だし、私も改まってヒロさんの責任の所在を問うつもりなど毛頭ありませんが、ただ、今、何かしらの形でヒロさんを一人にするのは責任の重さの問題もあり、自殺する可能性が高まるから私はまずいと思います」
熟慮する間を置き若頭が頷き答える。
「そうだな。それはヒロ自身に確認を入れる必要性もなく、俺もそう思う。ヒロにはこの責任は重大過ぎるからな。何時逃げ出してもおかしくない状況だし。ヒロ、皆の為でもあるし、ここからお前は俺の監視下に入る。分かったな?」
ヒロが顎を引きうなだれたまま言った。
「分かりました、兄貴、すいません」
加奈がヒロの返事を聞き、自分の思惑を自己確認するようにやんごとなき流し目をしてから言った。
「これで、松田さんと雅会長。お兄さんとヒロさんがペアとなり、これからどんな形の対策を講じるにしても、独りになった私がパズルの集団自殺にしてみれば一番狙い易いターゲットになったわけですね…」




