男女共学のバイビー133
自分は雅会長の意見に従うまでですと、松田は言った。
失意を顕しつつ若頭が言う。
「全員無事で何よりだったが、パズルの組み込みは自殺願望を消去する方向性に組み込まれなかったわけだ。これで万策尽き諦めてしまえば一巻の終わりと言うところなのだが、ここで諦めるわけには行かないし、ここは皆で善後策を講じ次の対策をどうするか順次提案してくれないか?」
ヒロが軽く挙手してからけだるい感じで言った。
「すいません、兄貴。自分は結局不整合で形而上的存在のパズルの集団自殺の割り振りを読んで、各々の自殺願望を消去する事など出来ないと思うのですよ。もう既に自分は狂っているのかもしれませんがね聞いて下さい。例えば次元の違う世界で一億年前の死んだ生き物がバナナになって、その食されたバナナが又次元の違う胃袋に移動して、自分の切っていない爪になる。そんな狂気のコマの割り振りなど絶対に読めませんよね。こんなの狂気の沙汰でもうお手上げじゃありませんか。兄貴、そう思いませんか?」
加奈が異論を唱える。
「でも高原を私達は狂った自殺願望に呑み込まれずに踏破したわ。ここで希望を捨てずに、何かしらの対策を講じて自殺願望を消去し、パズルの集団自殺の呪縛から脱出するしか道はないのよ。私はそう思うわ」
雅が疲れを抜くように一度深呼吸してから言った。
「私はヒロが死んだら自分も死にたいと思っていたし、複雑な心境だけど、ここはとりあえず私情を挟まない形で加奈さんの意見に賛成です。一人でも落伍者が出れば全員死ぬという極限状態を打開して、私達は全員無事にここに集ったのだから、ここは前向きに考えて、出来うる事を全てやり、パズルの集団自殺の狂気から脱出するしか道はないと思うの」
若頭が松田を促す。
「兄貴の意見は?」
松田が吃りつつ答えた。
「じ、自分は雅会長の意見に従うまでです」




