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男女共学のバイビー116

約束は守ります。だから皆も約束は必ず守って下さいと、ヒロは言った。

雅が抑えされない感情を顕に真っ向反対する。





「駄目よ、ヒロ、あなたが死んだら、私も生きてなんかいられないわ。だからお願い、ヒロ死ぬなんて言わないで頂戴!?」





ヒロが雅を伺うように見遣り答える。





「雅会長、それは加奈さんに言って下さい。加奈さんが死なない限り自分も死にませんから。すいません」





若頭がもう一度ヒロに注意を促す。





「ヒロ、そのすいませんの口癖は止めろ。妙に耳障りだしな」





ヒロが若頭に頭を下げ言った。





「はい、兄貴、すいません」




今度は一同笑わず、雅が加奈に向かって言った。





「私としてはかなり複雑な気持ちだけれども、加奈さん、もし自殺願望が擡げてもヒロの為に死なないで欲しいの?」





加奈がやるせなく苦笑いしてから答えた。





「私としてはヒロさんを助ける為に自分の自殺願望を封じるのではなく、あくまでも自分の命を助ける為に己と戦うのですが、結果私が打ち勝って、ヒロさんが助かっても、それは仕方ない事だと思います。はい」





加奈の言い回しの妙に再び一同が声を揃えて笑ったのだが、それを制するように若頭がヒロに念を押した。





「ヒロ、今ここにいるメンバーは正に呉越同舟、一蓮托生のメンバーなのだが。だからお前が激情にかられ一人自決してしまった場合、連鎖的に皆も自殺してしまう事を肝に銘じて欲しい。それが本来のお前の狙いだと言い張るのならば、その本性を顕にしてこの場で喉を突き死ねばいい。この場ならば不安材料が少なく、加速度的なパズルの集団自殺はそのスピードを緩めるからな、高原で自決するよりは、まだ増しだし。この二者択一のどちらを選ぶ、ヒロ?」





ヒロが三度立て続けに深呼吸をしてから顎を引きつつ答えた。





「分かりました。自分は皆の命を助けるべく行動し、一切変なスタンドプレイはしません。但し、自分も約束は守りますから、自分との約束も皆是非守って下さい。よろしくお願いします」

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