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男女共学のバイビー114
それは兄貴が雅会長の傍にいて、さじ加減を見るしかないなと、若頭は言った。
雅が言う。
「でもそうなると、皆が各自で突き上げる自殺願望を処理する形になり、全滅の可能性も高いわよね。私は一人では歩けず、松田の助けを借りる事になるし。皆で一緒に入口を目指すという方法は駄目かしら?」
熟慮してから加奈が答えた。
「これは逆説、ある意味ショック療法となりますから、皆で一緒に入口としとの出口を目指しても意味は無いと思います」
雅がしきりに頷き言った。
「それじゃ私は松田と一緒に行くから意味を成さないのかしら?」
加奈が答える。
「そうですね。途中雅会長を松田さんが濃霧の中にわざと置き去りにする形も必要になるかもしれません」
雅が震え怖じけづく。
「私そんな事になったら舌を噛んで死んでしまいますよ、きっと」
そこで一同が乾いた声で笑い、それを納めるように若頭が言った。
「それは兄貴が雅会長の近くにいて、さじ加減を見るしかないな。そうでしょう、兄貴?」
松田が相槌を打ち答えた。
「押忍」




