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男女共学のバイビー107

一同銘々休息する為に眠りに就いた。

「松田、あなたも言いたい事が山ほどあるでしょう。言いなさい?」




雅に促されたが松田は座ったまま既に眠っており、鼾をかいている。





それを見て一同が声を揃えて笑い、若頭がおもむろに言った。





「俺も疲れて眠くなって来たし、ここまで来たら逃げも隠れも出来ない三竦みの状態だから、皆で少し眠ろうではないか?」





ヒロ、雅の順で恭しく相槌を打ち承諾したのだが、一人神経が立ってしまっている加奈が眠りに就く為に席を外そうとするヒロに対して、念を押す。





「睡眠不足で不安にかられ、自殺願望の餌食になりたくありませんから私も少し眠りますが、ヒロさん、先に自殺を図らないで下さいよ。もし先行でヒロさんが自殺したら、それは無差別殺人の確信犯である事を認める事になりますからね、お願いします」





ヒロが情けない顔をして、一つ欠伸をかいてから答える。





「分かっていますよ。自分は無差別殺人の確信犯ではありませんから、ここで一眠りして、後で身の潔白を立証します。でも逆に言えば加奈さん達だって自殺したら負けになるし、自殺願望を治さないと進退極まり、逃げ隠れ出来ないわけだし、その分、自分は安心して眠れますが、まさか加奈さん、自分が眠っている間に自分を殺して、自殺願望を消去するパズルのコマ嵌め込みはしないでしょうね。そんなの願い下げですよ?」





伝染したように加奈も欠伸をかき答えた。





「ここまで来たら、あなたの口から真相を聞くまでは、そんな愚かしい事はしませんよ。では私も寝ます。お休みなさい」





車椅子に乗ったまま雅も欠伸をかき、おもむろに若頭に尋ねた。





「私は電話をオフにしますが、お兄さんはどうしますか?」





若頭が答える。





「自分は組の方から緊急の連絡事項があるかもしれないのでバイブにして、うるさくしないように、あちらのベッドで眠りますから」





雅が眠そうに微笑み会釈して言った。




「分かりました。ではおやすみなさい」





若頭が「おやすみなさい」と言って重い足取りでベッドの方に移動して行き、一同は銘々休息するべく眠りについて行った。

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