男女共学のバイビー101
加奈さんと心中をして、組に迷惑を掛けた事を償い、けじめをつけますと、ヒロは言った。
ヒロが騙されないと言った感じでかぶりを振り言った。
「兄貴、自分にはそんな話信じられません。確かに兄貴にはその力はありますが、それでは組の掟に反し組としての面子、筋が通らないじゃありませんか?」
若頭がかしこまるように腕を組み言う。
「筋が通らなくても、頭が白を黒と言えば、それは黒なのだ。その意味は分かるだろう、ヒロ?」
ヒロが間を置くために息を吐きだしてから言った。
「そんな甘い言葉に自分は乗りません。ここはとにかく自分の心中願望を諦めさせ、連れ戻し、力づくで元の鞘に収める魂胆なのでしょう、兄貴?」
若頭がヒロを睨みつけ言った。
「お前、俺がそんなに信じられないのか?」
ヒロが言い切る。
「兄貴としては信じますが、兄貴はあくまでも組の若頭ではありませんか。若頭が筋違いの事はしませんよね。だから自分は信じられません」
若頭が憤りが込み上げるのを堪えてから、おもむろに言った。
「ヒロ、お前は組の掟からすると、とっくにばらされていてもおかしくない身なのに、それをホストに戻し、組に対するけじめをつけさせているのは俺の力ではないか。そんな俺をお前は信じられないのか?」
ヒロが言い返す。
「今回の不始末についても不問に付し、尚且つ自分の借金をチャラにしたら、組の面子は丸潰れじゃありませんか。そんなの身内だからのえこ贔屓もいいところであり、組員の反発を買う事は自明の理であり、だからこそ兄貴はそんな筋違いな暴挙をする程愚かではないから、自分はそんな甘言信じられないのです。兄貴?」
若頭が怒りを呑み込む為に息をつき尋ねる。
「ならばお前はどうしたいのだ?」
ヒロが簡単に言ってのける。
「ですから自分は加奈さんと心中をして、組に迷惑を掛けた事を償い、けじめをつけます」




