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東方狛犬物語  作者: ユイ猫
11/12

巫女さんとメイドさん

久しぶりだけど大丈夫かね。


霊夢さんと美鈴の勝負が終わり、魔理沙さんと共に館の門の前へと降りる。

そこにはやられて気絶してる美鈴とそれを気にせず門の前に立つ霊夢さん。


魔理沙「お疲れさん。意外に時間かかったな。」


霊夢「ちょっと予想よりタフだったわ。まあ、別に大した事は無かったけどね。」


私は魔理沙さんの肩から飛び降り、美鈴の近くに寄ってみる。勢いよく門の柱に叩きつけられた為、柱のレンガが辺りに散らばっている。その真ん中にもたれかかるように倒れてる美鈴。

地面に垂れる美鈴の手の甲を少し舐めてみると腕がピクッと反応した。恐らく大丈夫だろう。見た目はボロボロだが呼吸はしているようだ。やはり妖怪だと体が頑丈なんだろうか。


魔理沙「そんじゃ、館ん中入りますか。」


霊夢「そうね、早いとこ終わらせたいわ。」


そう言って2人は門を後にして、館の方に歩き出して行った。



所変わって紅い館の中。2人は中にいるであろう黒幕を探し館内を探索していた。しかし、私は霊夢さんの頭の上で先程からなんとも言えない”違和感”を感じていた。


霊夢「おかしいわね。」


魔理沙「ああ、確かにこの内装まで真っ赤に染め上げるセンスはおかしいと思うな。」


霊夢「バカ、違うわよ。この館の広さよ。さっき門の方から見た感じと中の広さが明らかにズレてるわ。コレは…空間ごと弄ってるのかしら?」


魔理沙「あぁ、確かにな。さっきから歩き続けてるが一向に探索が終わらんし、チョイチョイ出てくるメイドっぽい妖精も多すぎる。一体何処からあんな出てくるかと思ってた。」


2人の言う通りだ。それがさっきからする違和感の元だったのだ。やけに中が広すぎる。これも黒幕の仕業なのか…。

そんな事を考えていると、通路が大きく二手に分かれている。


霊夢「丁度いいし、効率的にここから二手に別れましょ。」


魔理沙「おっ!じゃあどっちが先に黒幕にたどり着くか競走だな!」


霊夢「遊びじゃないのよ?あんまり浮ついてると足元すくわれるわよ。」


魔理沙「まあ、少しはこういう事しないとやる気も起きんだろ。」


霊夢「はぁ…まぁいいけど。負けたら後で1杯奢んなさいよ。」


魔理沙「決まりだな。財布の中身確認しとけよ。そんじゃまた後でな。」


霊夢「こっちのセリフよ。まったく…。」


魔理沙さんは片手を上げてヒラヒラと手を振りながら片方の通路の先に向かう。

それを確認してから霊夢さんも、もう片方の通路へと向かう。



霊夢「しっかし、無駄に広いわねぇ。これじゃ掃除が大変じゃない。何を考えてこんな広くしてんのかしら。」


霊夢さんが進みながら1人つぶやく。確かにこの広さだと相当の手間だろう。


?「あら御心配には及びませんわ。掃除の際には空間を元に戻していますので。」


霊夢「へぇ、なる程ね。で、アンタ誰よ。」


ふと返って来るはずのない霊夢さんの独り言に後ろの背後から返答がされる。霊夢さんはそれに動揺の色を見せず、首だけ少し回して後ろを見る。そこには銀色の短い頭髪、白いカチューシャ、そしてメイド服姿の少女が美しい佇まいでそこに居た。


?「申し遅れました。私、ここ"紅魔館"のメイド長、"十六夜 咲夜"と申します。見たところ貴方が幻想郷の巫女でしょうか?」


霊夢「そう。楽園の素敵な巫女、博麗 霊夢よ。覚えておきなさい。」


咲夜と名乗った少女は淡々と自己紹介をした。霊夢さんも同じ感じで名乗る。それにしても妙だ。現れ方が突然過ぎる。隠れていたとしても誰かが背後で動いた気配すら無かった様に思える。


咲夜「御自分で素敵と名乗りますか。随分自信がおありなんですね。」


彼女は少しだけ口角を上げて微かに笑った。確かにそこは自分も気になったが。


咲夜「では、わざわざお越しいただいた直後ではありますが、お帰り願いましょう。多少強引にでも。」


そう言って両手を広げるといつの間にかその手に数本のナイフが持たれている。


霊夢「へぇ、面白い手品を使うのね。それにそこそこやれそうじゃない。門番よりは強そうね。」


咲夜「アレと一緒にしないで貰いたいですね。」


霊夢さんもお祓い棒を前に出し構える。

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