お侍さん爆誕
てれれれれれれ〜 てれれれれれて〜♪
おめでとう!レオンハルトは サムライに てんしょくした!
俺は侍に転職してしまった。これで無職ともおさらばだぜ。
受付嬢が入ってきて、モーブを返してもらう。
見てみると、ステータスの表示が変わっていた。
Lv19 Leonhardt 侍
…
よし、転職もした事だし頑張ろう…。サムライマスターに俺はなる!
「「転職おめでとう!」」
「遅かったわね!」
戻った俺を仲間が温かく迎えてくれた。…約一名を除いて。
「ありがとうございます。これで役に立てると思います。」
「そう言えばどの職に就いたの?やっぱり剣士?」
とベサルンが聞いてくる。
「いや、侍になりました!」
「「「は?」」」
答えた瞬間に3人の声がシンクロした。
マオアー達は侍という名前のジョブを聞いたことがないらしい。ただ、噂ではごく稀にイレギュラーな職に就ける人がいるにはいるようだ。
「変な職に就いて足引っ張らないでよね!」
とはクソ娘の言葉。
うるせーよ。侍は男のロマンなんだよ!
「ま、まあ、無職より弱体化する事はないだろうし、大丈夫だろ!レオンも転職したし、戻ってスキルの練習でもするか?」
「そうね、そうしましょうか。」
マオアーが提案し、ベサルンが俺の代わりに賛成してくれた。ありがたい。
そんな訳で狩場に戻ったのだが…。
まさかそんなフラグが立っていたとは、ね。
狩場に着いた俺たちは再び狩り始める。だが、俺がある違和感を感じ始めたのはその直後だった。
あれ?敵の動きが速くなってる?!
今までは敵に攻撃される前に2連撃加えて倒していたが、今は1撃目を与える前に1回、2撃目を与える前に1回相手の攻撃を避けなければならなかった。さらに、回避に徹している時は今まで通り回避できるものの、攻撃モーション中には回避できないので何発か被弾している。
仕方がないのでベサルンに回復してもらいに行くと、目を丸くして驚かれた。
「レオンくんが攻撃を貰うなんて珍しいわね!」
「いやぁ、なんか敵が強くなっているみたいで…。」
ちょうどいいのでマオアーとアンも呼んで聞いてみる。
「なんか敵が強くなってませんか?」
「「全然変わってないぞ?(けど?)」」
マジか。
「ふふん、ひょっとしてあんたが弱くなっただけじゃないの?」
アンが嫌味を言ってくる。…が、そう考えるのが一番合理的なのは分かりきっている。
くやしい、でも納得しちゃう。
ヘコんだ俺に、ベサルンが優しく?声をかけてくれた。
「で、でも、スキルを使えば分からないんじゃないの?」
「そうですかね…?」
「た、タブンネ…」
なぜカタコトなのですか。
まあ、やれる事は全てやるしかない。
ところで転職はしたものの、スキルってどうやって覚えるんだろう?