黒巣漆視点●恋人if●「正夢」
おはようございます!
一時間前にふと思い付いて気付いたら書いてました(笑)
黒巣漆くんで恋人if!
漆くん贔屓ですみませんっ!
2013年 04月28日(日) 07時33分
部屋のドアがノックされたから開けると、恋人が立っていて心底驚いた。
日曜日の朝、七時過ぎ。
お腹が減るまで寝ようと思っていたから、俺は寝巻きの姿。いや俺の格好なんてどうだっていい。
ここは女子禁制の男子寮棟だ。規則は守る真面目な宮崎がなんでここにいる?
夢かこれ。
ポカンとしてたら、俺を見上げていた宮崎が抱き付いてきた。
この感触は、夢じゃない。
「おはよう、黒巣くん」
「お、おはよう? な、なんだよ、急に……」
腕を背中に回して俺の胸に顔を埋めている宮崎にどきまぎしつつ、一応ドアを閉めてこの行動の意図を問う。
いや、閉めてもいいのか、これ。
何度か宮崎の部屋に忍び込んで一緒に勉強したことがあるけど、宮崎が俺の部屋に来るのはこれが初めて。色々まずいだろ……。
寝起きの頭が混乱していて対処法が思い浮かばない。
「君に会いたくなったから」
宮崎は俺に抱き付いたまま、顔を上げて答えた。
なんでコイツこんな可愛いんだよ。
「アンタ、その時々チャレンジャーなとこ、やめろよな。心臓に悪い」
大人しい顔して大胆な行動するな。急にデレるのも、心臓に悪い。
言ったあと、もしかして何か嫌なことでもあったのかと過る。
「……なんかあったのか?」
「ううん」
「嘘つくなよ、なんかあったんだろ?」
「違うよ。君に会いたくなっただけ。だめだった? それだけで、会いに来ちゃ」
「…………」
宮崎は俺を見上げながら、平然と言う。顔色一つ変えずになんでこういうこと言えるんだ、コイツ。
絶対になにかあるような気がするけど、俺も会いたくなったら会いに行くことはあるから追及することをやめる。その時は大抵理由つけてるけど。
「別にいいけど」
とりあえず、宮崎を抱き締めてみた。
背中に回った腕がキュッとかる締め返してくる。
立ってるのも変だから、ベッドを背凭れにして床に座った。
「心臓、煩いね」
俺の胸に耳を当ててる宮崎がポツリと漏らす。
アンタが好きだからだ、ぶぁーか。
赤くなった顔は見られないようにそっぽを向く。
「今日ね、黒巣くんの夢見た」
「……へー、どんな夢?」
暫くしたら宮崎が口を開いた。
ほらやっぱり会いたくなった原因があったじゃん。
俺の夢か。俺がどっか行くとか、死ぬ夢か?
こんな風に部屋に来て抱き付いて離れないなら怖い夢だと推測した。けど違った。
「こんな風に抱き締められる夢」
「……へー」
「正夢になったね」
「……ふーん」
激しく照れた。
コイツ、反則過ぎだろ。
ちょっと仕返ししたくなって、ギュッと抱き締めた。
だけどその行動に自分自身照れて自爆する。
だめだ、もう今顔見れねぇ。
宮崎の頭に頬を重ねて、必死に隠した。
「二度寝してい?」
「いいよ。寝顔見てる」
「じゃあ起きてる」
考えてみたら宮崎を抱き締めたまま眠れるわけなかった。ただの照れ隠し。
宮崎の気が済むまで、そのままずっと抱き締めた。
それは日曜日のある朝のこと。