ホワイトクリスマス●漆恋●恋人if
メリークリスマス!
かなり短めで三人称。
黒巣漆と宮崎音恋の恋人if
ホワイトクリスマスの朝の出来事です。
皆も、よいクリスマスを!
20141225
12月25日。
冷え込んだ朝には、白い息がふわりと浮かんでは消えた。
指先が冷たくなった音恋はその白い息を吹きかけ、厚手のカーディガンの袖に隠して寮のラウンジに向かう。
「あれ、サクラ。早いね、おはよう」
「おはようネレンー! 寒くて起きちゃった! メリークリスマス!」
いつも座っているテーブルには珍しく親友の桜子が座っていて、元気よく笑顔で挨拶された。
他にも寒さで目が覚め、ストーブの暖かさがこもるラウンジに避難してきた生徒が多くいる。
「ラーニアちゃん、メリークリスマス!」
「ラーニアちゃん、おはよう!」
「メリークリスマス、ラーニアちゃんっ!」
音恋を見付けた生徒達は、文化祭で演じた役の名で呼び挨拶をした。
音恋は特段笑みを浮かべることなく、普段通りの無表情で手を振り「メリークリスマス」と返す。
それだけで生徒達は満足する。手を振り返してもらったときゃあきゃあ悶えた。
「雪降るってさ! メリークリスマス!」
いつもギリギリに起きる橙までもがラウンジにいた。嬉々と報告すると桜子の隣に座る。
「メリークリスマス! え、じゃあホワイトクリスマスだ! やったぁ!」
桜子は目を輝かせて喜んだ。
そんな桜子を微笑ましく思いながらも、音恋も朝食を持って席についた。
すると、そこで音恋の肩を掴む者が現れる。
黒髪に白い水滴をつけた黒巣だ。
「宮崎! 雪が降ったぜ、雪っ!」
雪が降りだしたことをいちはやく知らせに来た黒巣は、無邪気な笑みを音恋に向けた。
「ほら、早く!」
一緒に見ようと言わんばかりに、音恋を立たせて手を引く黒巣は子どものよう。
そんな黒巣に手を引かれる音恋は、雪のように白い頬を照れたように赤らめた。俯いて、袖に埋もれた手で口元を隠す。
雪が降っただけで無邪気な笑顔で音恋を連れ出した黒巣。
そんな黒巣に頬を紅潮しながらもついていった音恋。
二人をしっかり見ていたラウンジの一同は、可愛らしい一面を見せたカップルにときめかされ悶えた。
彼らが知ることはないだろう。
雪は音恋と黒巣にとって、かけがえのない思い出のものだということを――――。
メリークリスマス。
end




