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その3
フーストの郷を出て2日、
海沿いの街道を、南へ南へ馬車は揺れる。
目指すリック・ケイトまで、あと1日程度の距離だ。
道中、二度モンスターと遭遇した為
服もそろそろ汗臭い、ジルガに至っては、
おじ様の華麗な香りがもんもんとする
服が汚れていないのは、シスター・コーラぐらいだろう
段々と雲行きも悪くなってきた、
一雨降る前に、次の郷で、もう一泊と行きたい所だ。
ニックは早足で馬車を進める。
いつもより揺れる荷台で
くんくんとオグナが、鼻を動かす。
(やけに…焦げ臭いな…)
ー ポツ
ー ポツ
とうとう雨が降り出した。
ー ポツポツポツポツ
雨脚はどんどんと強くなる
最初に気付いたのはニックだった
「あ?雨が……黒いな」
ゴロ!っと近くで雷が鳴ると
あっという間に、盤をひっくり返した様な大雨に変わる。
ー ザァアアアアアアアアアアアアア
雨に打たれながら
「コイツはひでぇ」とニックが独り言ごちる
大粒で降る滝ような雨音の中、郷が轟々と燃えていた。




