雨がやまない
雨宮凛太郎
人口3千人ほどが暮らす
海に浮かぶ小さな島に暮らす
10歳の男の子です
凛太郎は虫と音楽をこよなく愛する
綺麗な瞳と容姿をもつ男の子です
夏休みで古民家に1人畳の上で
大の字になって凛太郎は鳩時計が正午のアラームが鳴っても寝ていました
外は一昨日からずっと雨が降り続けていました
「雨がやまないな…もう少し寝るか」
長い夏休みまだまだねむりに続けていた
凛太郎が眠りについてどのくらいの日にちがたったか
「お腹がすいたな…」とつぶやいて
家の軒下を覗いてみると
降り止まない雨が川となり軒下まで上がっていた
「これ家流されるかもな…」
凛太郎は少し心配そうな顔してつぶやいた
「心配しても仕方がないまた寝よう…」
降り止まない雨音を聞きながら凛太郎は
また長い眠りについた
それからまた長い時間がたって
「お腹すいたな…」とつぶやいて目を覚ました
なにか目の前の景色がゆるりと動いたような気がした
ゴオとする音がずっと鳴り響いている
「なにかへんだな…」
と凛太郎はつぶやいて
軒下まで近づいて外の様子を伺うと
「こりゃ大変だ…」と凛太郎歯声を出した
降り止まない雨は大地を飲み干して
凛太郎の住む家は大海の上を
ものすごいスピードで駆け走る大船
みたいな状態になっていた
「やまない雨が湖になって家が浮かんでしもとる…」
凛太郎はジタバタと軽く暴れたが すぐに
「ジタバタしても仕方ない…また寝るか…」
と言ってまた布団の上で大の字になって眠ってしまった
雨はずっと降りつづてけて
もう6年経っていました
凛太郎は流されていく家の上では
どうすることもできず
ただ眠り続けて16歳になりました
「16歳になってしまったが、雨はやまず家はどことなく流されて進んでいくだけだよ…」
すこし物寂しい表情で凛太郎はつぶやいた
雨の海で大地は飲み込まれ海上を無数の家が浮かび流され縦横無尽に進んでいた
「このまま雨がやまなければこの世界は終わりやね」
凛太郎はそう言って涙を拭きまた眠りについた
雨はそれからずっとやまずに高い山々を沈め
高い雲までも飲み込んでしまった
大気圏まで手が届きそうなほどの水位が上がり
人類は海に飲み込まれ絶滅の瀬戸際までに立たされていた
「もう僕の人生はここまでだな…」
海にかろうじて浮かぶ朽ちた家の中で大の字になって
その時が来るまでじっとまっていた…
その時である
手に届きそうなほどの距離まで届いた太陽の光から
ガチャンと音がした後
太陽の円に沿って前開きで扉が開いた
「すまんすまん…!風呂の蛇口開けたままに忘れて放置してもうた。すぐに止めて排水口あけるからなワシ神様やけどどえらい失態じゃわい」
太陽の扉から顔を出した初老のオッサンが舌をペロリと出して慌てて扉を閉めて居なくなってしまった
それからすぐにガオンと音がして雨がピタリとやみ
ポコンと海の下から聞こえて水位が凄まじい
速度でさがっていった
「なんか助かったみたい…」
安堵の表情を浮かべ
安心したのか凛太郎はまた眠りについた
水位がドンドン下がり家が大地に降り立っていく中で
凛太郎はいつまでも眠り続けていた




