表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生騎士団長の歩き方  作者: Akila
1章 ようこそ第7騎士団へ
40/100

38 スカウト?

「今回、スバルが異動願いを出してきた。第7にな」


は? 寝耳に水なんだけど。


「え、でも。うちですか?」


「あぁ、ラモンの下に行きたいんだと。『総務の鬼』までも手懐けるとは、いやはや恐ろしいな」


ちょっと待って。ちょっと一旦落ち着こう。


スバルさん、第7に来ても待遇が… 絶対第1の方が良いはず。


「だから、手懐けるって、人聞きが悪いですね。そんな事1ミリも知りませんでしたよ?」


「しかし、第1としてはスバルは手放せない。そこでだ、今、第1は席が2つ空いている。2人共引退だ」


「引退? ドーンの席じゃなくて?」


「あぁ、ドーンの席には前第4の団長が着いた。戦争が終結したからな、一人は領主として戻るやつと、もう一人は一番年上の爺さんが隠居する。第1は平均年齢が高かったしイイ機会だろう」


「で? その2席がどうかしましたか?」


「あはははは。ここまで言ってピンと来ないか?」


え? ドーンを返せとか?


「ドーンは返せませんよ」


「違う違う。まぁ、遠からずか」


ニタっと笑う総団長。え~何~?


「わかりません。降参です」


「ほぉ~。まだ分からんのか? 本当に欲がないんだな」


へ~へ~、すみませんね~。アホで。


うんうん悩んでいると、スナッチ副団長が話に入ってくる。


「総団長、察しが悪すぎて… 止めた方がいい」


「そうか? 私は楽しくなると思うけどな」


「はぁ~。楽しいとか要らないんだよ、第1には」


スナッチさんは大きいため息を吐いて、そのまま自分の机かな? そこへ行ってしまった。


「ラモン、お前第1に来ないか? ドーンも連れて」


「はぁぁぁぁぁぁ!!!」


私は思わず立ち上がり叫んでしまった。


「いやいやいや、ないです。ないです。それは無謀な話です。総団長、考え直して下さい」


「ははは、自分で無謀とか。よく考えてみろ、今回の第7の立て直し。この短期間でいくつもの案を捻り出し、しかも金がほとんどかかっていない。始めはドーンの仕業かと思ったが、お前の功績だろ?」


「考えたのは私ですが、ドーンや側近達が居なければ無理でした」


「そうだ、その『考える事』を私は買いたい」


考えろ、考えろ。これはダメ。私には無理。


「まだ、問題が残っています。無責任に途中放棄したくないです」


「その問題も、ラモンじゃなければいけないのか? 今は指示を出せば誰かが動いてくれる様になったんだろう?」


まぁ、そうだけど。


「嫌です」


「まだ、駄々をこねるのか?」


「はい。これは王命ですか?」



しばらく睨めっこをする。怖くないよ。総団長の、鋭い目なんか怖くないんだから!


「いや… 私の提案だ」


「では、今はイヤです」


「じゃぁ、何時なら良い?」


しまった。答えを間違えた。


「ずっと先です。私は第7が好きなんです」


はぁぁぁ、とため息を吐いて仰け反った総団長は、手を額に置いてしばらく沈黙した。


「わかった。実はな、新年明けに騎士団の総編成を行う。功労賞の授与式で陛下が仰っていただろう?」


ん? 言ってた? 言ってたのか?


ドーンをチラ見したら小さくうんと頷いた。そうだ、私って緊張と驚きであの時の記憶が飛んでるんだった。


「はい」


「まず第1の引退2名とその穴埋めだろ? ある団の掃除。第1王子が立太子する。それに伴う騎士の異動がある。第4の近衛騎士が増員される。あと、第7の騎士3名の異動は決まった」


ちょっと、内情を漏らしすぎじゃない? どうしても第1に入れたいの?


「それ、止めて下さい。これ以上は聞きたくないです」


「そこは危機感が働くんだな? ははっ。逃げられない様に仕向けたんだけどな」


「気になる部分は、正直あります。第7の騎士3名の異動。でも、聞きません。聞いたら最後、巻き込まれそうで」


「ははははは」


私は紅茶を飲むフリをして平常心を保つ。


気になる。めっちゃ気になる、騎士3名。聞きたい。でもダメ。ダメだ、ラモン耐えるんだ!


「ドーンは? 第1に帰る気あるか?」


「ない」


即答!!!


「そうか。やはりそうなると、ラモンを口説き落とすしかないのか」


「止ーめーてー下ーさーいー! あわわわわ」


私は耳に栓をして、聞こえないように声で誤魔化す。


「お前は子供か。はぁ、まぁ、いいだろう。今日の所はこれでいい」


ふ~~~。


「はぁぁぁ。やっと終わった。拷問だ」


「ははは、またその内な。()はいいよ」


と、ニヤリと笑った総団長。


今はって言った? 今はって。


怖い。怖い。逃げられない。


涙目でドーンを見るが、ドーンは思いっくそ総団長を睨んでいた。


こっちも怖い。


「では、私はそろそろ…」


これ以上は長居は出来ない。早々に退出しよう。うん、そうしよう。


そろっと、立ち上がり業務を続けている皆さんへ挨拶して帰る。


「またな」


「あはは、はい」


長い王城の廊下をドーンと歩く。さっきからドーンは無言だ。私も何も話す気力がなかったので、第7まで黙ったまま帰った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ