凶悪な力でサヨウナラ
――カランカラン……
レッドスターの鉱石が小気味よい音を立てて転がる。その音に反応して、ゼロスとセフィロスが起きた。彼らの目の前には、派手な化粧姿のプレイドが立っている。特にゼロスとの顔の距離が近かった。
「うわー!」
ゼロスが驚いてその場からあとずさりする。そのことにショックを受けたのか、プレイドは肩をガックリ落として、
「酷いです。起こしに来ただけですのに……」
と嘆いた。ゼロスは彼を指をさしながら、「まずテメェはがんめんをどうにかしろ!」と男の子独特の甲高い声で言う。それに対してプレイドは、
「今の私は恥ずかしくて素顔を晒せません。罪滅ぼしが出来るまで、このままで居ます」
と答えた。どうやら、彼は罪滅ぼしが出来るまで化粧は落とさないらしい。
「マジかよ……」
ゼロスは呆れるように寝起き早々大きなため息をついた。
プレイドが、くねくねと女々しく動きながら、シルヴィアの方を向く。彼女は、洞窟の壁に寝そべっているキャロルの頭を資料でコツンと軽く小突いた。
「――!」
痛くてビックリしたのか、キャロルは魚のように縦にはねる。彼女は、頭を抑えてキョロキョロしていた。
「起きなさいな。これから話すことがあるの。くだらないけれど」
そう言うとシルヴィアは、複数のメモを取り出す。それは、ピンクのバラの模様だったり、鳥の絵が描かれていたり、とてもメルヘンな物だった。
「これは手紙かな?」
セフィロスが顎に手を当てて、言ってみる。
「近いけれどそうじゃないわ。このメモには、アウロラのどうしようもない感情と、王都の真実が書かれていてよ」
「もしかして、ハルバードについてもか?」
…………。
――この物語は、何者かによる邪悪な力によって、永遠に封印されてしまいました。もう呼吸をすることは無いでしょう。しかし、まだどこかで呼吸の音がする。“彼等”は、いつの日か違う形で巡り合うかもしれない……。
中途半端な形での完結設定をお許しください。
評価等は外してくださって構いません。
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