9話
今日一つ目の投稿です!!
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まるで汚物を見るかのような、父上のあの冷え切った眼差し・・・。
冷え切った空気・・・。
そして永遠とも思われる数秒間の沈黙・・・。
何より恐ろしかったのはあの言葉・・・。
『お前には失望した。』
いつも優しかった父上に言われたあの言葉はその後言われたどんな言葉よりも辛かった。
俺はこの日の出来事を思い出した今、これから忘れることはないだろう。
髪の色と目の色が変わった日、何を思い出したのか。
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俺は父上の部屋を出たあと、何故か涙が出なかった。
今思えば、あの時俺の心は崩れ始めていたのかもしれない。
俺はただ呆然として庭を突き進んで行った。
わけも分からず歩き続けた。
そして段々と疲れて座り込んだ。
5歳児が何時間も歩き続けたらそうなるのは当たり前だ。
そして俺はただ空を見つめていた。
しばらくして心が落ち着くとどこに自分がいるのか分からず怖くなった。
周りを見渡すとちょうど自分の真後ろにある木にキラッと光るものが引っかかっていた。
こんな状況なのに何故か取らなくてはいけないという気持ちに襲われて、木を登ってとった。
それは淡い緑のペンダントだった。
汚れていたので服の端でこすったらペンダントが笑い出したのだ。
『あははっ!くすぐったいってば!」
その時俺はペンダントが話したことに驚いたが何も疑わずペンダントが話したと信じた。
そしてしばらく黙っていたらペンダントが、
『私はエミリー。ペンダントの精霊です!助けてくださってありがとうございました!お礼に何かしたいのですが...。』
その時俺は迷わず答えた。
『魔法がつかえるようになりたいです!』
と。そしてその時、エミリーはこう言った。
『あなた、人間なのに物凄い量の魔力があるわよ』
って。
その言葉に俺はとても救われたのを覚えている。そして俺にはその一言で充分だった。
エミリーさんは
『何が欲しいの?』
と訊いてきた。
俺は魔法が使えるようになるという事を知れただけで良かったが、エミリーはそれでは気がすまないらしくこう言ってきた。
『じゃあ、こうしましょう。貴方がこの日の事を思い出そうとした時に今日の森での出来事に関する記憶を返します。人間の一生は短いものだから貴方がこの事を思い出した日から貴方が死ぬまで側にいます。そしてサポートします!もし思い出せなかったら何もないままですが。ではこのペンダントはを掛けてください!後ついでに精霊の言葉と魔法を教えてあげます。まあ、思い出さないと使えないですが。』
その時俺はエミリーが何を言ってるか分からなかったが言われるがままペンダントを付けていた。
そして次の日、俺は何も知らない状態でベットの上で目覚めた。首元に掛かってるペンダントに何も違和感を抱かずに。
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そしてその事を思い出したあの日俺はペンダントとつながったことで見た目が少し変わった。
そしてペンダントにお願いをした。
『もし俺がまた死のうとしたりしたら、この事を思い出させて踏みとどまらせてくれ。ガインさんとサンドラさんとの出合いがあったように生きていてもいい事はあるだろうから。』
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しばらく忘れていたが鮮明に思い出した。
そうだ俺はなんでこんなことを頼んだんだろう...こんなお願いじゃなくてみんなの命を守ってもらうとか他にもあったのに。
俺だけ生きるなんて・・。
するとサンドラさんに飛ばされる直前のシーンが頭をよぎった。
そう、サンドラさんとガインさんは俺を生かすために死んだんだ。
そういえばサンドラさんは俺が王立学園で首席を取り続けたらパーティーに入れてくれると言っていた。
一人前と認めてくれるという事だ...。
折角サンドラさんには座学と魔法、ガインさんには剣術を教えてもらっていたんだ。
こんなところで死んだら、サンドラさんとガインさんに申し訳が立たない。
だから、俺は辛かろうが苦しかろうが関係ない。
俺のせいであの人達が死んでしまったんだ。
あの人達の分も生きなければいけないんだ。
俺があの人達に救われたように、救える命は救わなくてはいけない。
これはあの人達を殺して生き残った俺の義務なんだ。
俺は決して自分が死にたくても死んではいけない。
自分のために何かを求めてはならないんだ。
そして仮に死ぬのであれば誰かの命を救って死ななければならない。
そして俺は絶対に自分を許してはいけない。
俺は強くならなければならない。
何よりも。
誰よりも。
そしてあの人達が守ってくれたように、俺はこの両手で守れる限りのものを守るんだ。
そんな決意を胸に宿した。
それと同時にルイの心は何かを失った。
<エミリー視点>
何か思ってた感じと違う気がするけどまあいいいですか。
この子が次に求めるのは力。
全力でお手伝いしますわ!!
それにしても人間は何を考えているんのか理解できないわ。
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