8話
今日2つ目の投稿です!!!
ー1年半後ー
俺たちがピロント町を離れカイザー町に来てから1年と半年が経った。
ガインさんとサンドラさんは元Sランク冒険者だったらしく、何もしなくても10年間は生きていける貯金があるらしい。
ガインの訓練は最初の方は一日に5回くらい死にかけていたが、今はもう死にかけることはない。
訓練が地獄のようにきつい分、きちんとやれば効果も出る。
・・そしてなんと昨日、魔法が使えるようになったのだ!
魔法が使えるようになればあとはコントロールできるようになるだけ。
そして魔法が使えるようになった祝いで今日は野営だがごちそうにしてくれるらしい。
魔物の肉というのはランクが高い方が濃厚で美味しくなる。
そのために今日はガインさんとサンドラさんと遠くまで来て、キングオーガという上位種を狩りに行く。
ガインさんやサンドラさんは勿論、今の俺の実力でも倒せるから俺が狩ってくると言ったが、魔法が使えるようになったばかりの頃は魔力が荒れやすいから念の為に付いてきてくれるそうだ。
道中色々な話をした。
話題が俺の将来の話になった。
「ルイ、お前は将来何したいんだ?」
俺は勿論ガインさんとサンドラさんといたい。
だから迷わず、
「ガインさんとサンドラさんと一緒にいたい。だから冒険者になってパーティーを組む!」
と言った。
だがガインさんとサンドラさんは嬉しそうに笑った後に真剣な顔をした。
「いいか、ルイ。世界は広い。お前なら騎士団にでも魔法師団にでも魔法騎士団にさえも入れるだろう。」
予想外のガインさんの言葉に思わず講義する。
「でも!」
だがガインさんはそのまま話を続けた。
「冒険者なんてもんはいつでもなれる。騎士団に行ってみて合わなかったり、魔法師団に行って合わなかったらなればいい。俺もサンドラもそうだった。俺らがそれぞれ騎士団、魔法師団に入った時天才ともてはやされたが俺らには合わなかった。俺らも王立学園に通ったんだ。あそこは貴族だけじゃなく優秀な者は入れるからな。王立学園に行けば色々な道が広がる。だから魔力のコントロールができるようになったら王立学園を受験しろ。」
言おうとしてくれてる事は分かったがそれでも...!
するとサンドラさんが
「ねぇルイ、私達こう見えて王立学園の入試から卒業までずっと首席だったのよ。あんたも首席くらい取らないとうちのパーティーには入れてあげないわよ。男なんだからそんな顔しないでシャンとしなさい!」
「分かったよ!首席くらいとってやるよ。だけど、そん時は絶対パーティーに...」
『グアアアアアアアアアアアア ガルウウウウウウ」
その後の言葉が紡がれる事はなかった。
「ガイン!あれはキングヴァイセタイガーとその群れよ!」
「何でこんなところにっ!」
「ヴァイセタイガーは一匹でもきついのにキングがいて、しかも群れ。これは無理だわ...。ルイ逃げなさい!」
この人達を見捨てる事なんてできない。
「い、嫌だよ!俺も戦う!」
「少し手荒になるがサンドラ!」
「ええ」
俺に向かって転移魔法が放たれた。避けられないっっ。
「悪いルイ!ジジイになるまでの約束守れねーかもしんないわ。」
「ルイ、あんたは私らの分まで生きなさいね!」
そこで俺は意識を手放した。
気がついたら朝までいた野営地にいた。
そういえば何があったんだっけ...。
すると目から大粒の涙が流れていた。
「ううっサンドラさん、ガインさん...ううわああん」
その日は泣いて泣いて泣いた。気がついたら夜だった。
お腹が空いた。
でも何も食べたくない。
このまま何も食べなければ...。
そんな事を考えているとペンダントが光った。
頭の中に蘇る。
ガインの『約束』という言葉を...あの朝早く起きた日に思い出したことを・・。
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