5話
中間テスト前なので毎日投稿できるか分かりませんが頑張ります!
今回はセイン視点での投稿です。
*セイン視点*
<セイン視点>
今日、ルイ様が追放された。
僕は多分とても大切なものを今日失ったのだろう。
僕は最低だ。
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ルイ様と僕は年が同い年ということから、幼い頃から一緒に遊んでいた。幼い頃は普通の友達だと思っていて、喧嘩などもしたしイタズラもしていた。
ルイ様と自分が違うと知ったのは4歳の時だ。ルイ様に家庭教師が来るようになった時、そして自分はルイ様の従者になるための勉強を始めた時。きちんと理解していた訳ではないが何となく感じたんだろう。僕はルイ様が少し羨ましかった。今まで同じだと思ってたのにルイ様だけ...と。勝手に裏切られたような気分になっていた。そしてそれから暫く、ルイ様に話しかけられても素っ気なく返すようになった。何かとても言いたそうにしていたが気が付かないふりをして。
そしていつも話しかけて、僕がそっけない態度を取ると寂しそうな目をして去るだけなのを見て、本当はそんなに大事におもってないんじゃないか?と思うようになった。
今になって何度も思う。あの時、きちんと話を聞いていれば良かったと。あの日最後に話しかけられた時、くだらない意地を張って、そっけない態度をとらなければ今、一緒に、笑えていたのかもと。
次の日からルイ様の家での立ち位置は変わった。部屋は使用人よりひどい部屋で、飯を貰えない日も度々。そして使用人達の噂でルイ様が魔法を使えないらしいと聞いた時、何で自分に相談をしてくれなかったのかと自分勝手にも腹がたった。
多分ルイ様は自分に相談しようとしてたんだとその時は自分勝手な怒りで気が付かなかった。そしてその時、自分がルイ様より優位な立場にいることに気がついた。ルイ様が何日か飯を食べてない時に軽食を持っていったり...。自分が前まで羨ましいと思っていた相手に施しをやると言うことで自分より下に見る事で、楽しんでいた。
最初はそうだったけど、段々罪悪感でいっぱいになった。
僕が勝手に嫉妬して、そっけなく接するようになっても、ルイ様は少し寂しそうな顔をして責めないでくれていた。そして、ちゃんと話してくれると思って信じて待っててくれたんだ。話しかけてきた時も相談しようとしていたんだ。
・・僕は信頼されていたんだ。
それなのに僕は...。
罪悪感と自己嫌悪で嫌になった。
でも今までああやって接していたのにいきなり変えるのは...。それに、今は自分の方が上なのに謝るなんて...。そんなくだらない意地とプライドで...。
そしてその時、僕は楽観視していた。いずれルイ様はもとの立場に戻ると。
公爵家を甘く見ていた。本当に利益にならないと思うものは排除するとは思ってなかった。
だから僕は謝るのはルイ様が前のお立場に戻ったらでいいと思った。それか助けを求められたらと...。助けを求められてもそれに応えられるような力が自分にある訳ないのに。
そして、僕もルイ様も10歳の時。
ルイ様が追放された。
多分その日、追放される最後の瞬間、ルイ様に初めて助けを求められた。
だが、実の子でも追放できる公爵家がいる所であの視線に応え助ける事が急に恐ろしくなった。
そして気づいたら咄嗟に目をそらしていた。
そしてその日ルイ様は追放された。
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あれ?あっちから声が聞こえる。エマ様とジャンル様と公爵様と奥方様だ。
なんの話だろう。
次の言葉に耳を疑う。
「ねえ、お母様、お父様、お兄様!言われた通りにルイに追跡魔法をかけていたんですが、今Bランクのブラックベアーに遭遇しました。武器も持ってないですし、これでルイは終わりでしょう。もう追跡魔法解いていいですか?」
え?ルイ様がブラックベアーと遭遇?武器もなしで...。
僕がルイ様を殺してしまったんだ。
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