1話
誤字脱字など色々あると思いますがもし気がついたらおしえてください!!!
※10/16 主人公の兄の名前を変更しました。
「この出来損ない!家の恥晒しめ!今日をもってお前はこの家から追放だ!今すぐ出てけ!」
「やっとこの家から無能の恥晒しがいなくなるわね、お兄様。」
「とても清々するよ。視界にゴミが入らなくなって。」
「私の可愛いエマとライノ、そんな無能なんておいてお茶でもしましょう。ねえ、あなた。」
「そうだな。出来損ない!さっさと出てけ!」
僕の名前はルイ=アルベスト、アルベスト公爵家の次男として生まれた。6歳までは、他の兄弟たちと同じように育てられた。だけど、僕が何度練習しても魔法が全然使えないと父に相談した途端家での待遇が変わった。兄や姉にも下げずんだ目で見られ、今まで普通に接してきてた使用人達も僕を無視するようになった。そんな中でも料理長の息子で僕と同い年のセイルは仲良くしてくれた。そして、最後の救いを求め、セイルの方を見る。さっと視線を逸らされた。そして気が付く、もう自分の味方はこの家にいない。居場所も無いんだと。少なくとも追い出しはしないと思っていた。
家を追い出され町に出る。周りから聞こえるヒソヒソ聞こえてくる。
「・・あれって公爵家の無能じゃない?」
「・・あ、ホントだ」
「・・そういえば、..」
聞きたくなく町から出て森の入り口まで来ていた。そのまま森に入る。一文無しの10歳のガキなど雇ってくれる人は居るわけない。そうだ、このまま魔獣にでも襲われれば...。
ブ、ブラックベアーだ。B級の...。
こ、ここで僕は死ぬんだ。最後にブラックベアーに食べられて。何かとても虚しくなる。
僕はあの人達に何を求めていたんだろう...父上、母上、兄上、姉上に...何を求めていたんだろう?あ、こっちに来る、もう終わりだ。目を閉じて静かにその時を待つ。
あれ?来ない?恐る恐る目を開けると目の前のブラックベアーが魔法によって頭を撃ち抜かれ、剣で両断されていた。周りを見ると大柄な男の人ととても色っぽく美人な女の人がいた。
死ねなかった...あ、でもこれはお礼を言うべきか。そして、そっちを振り向きお礼を言おうとする。
「ガツッ」
口の中に血の味が広がる。え?な、殴られた。頭の理解が追いつかない内に
「ガキがこんなところで何やってんだよ!お前、俺らが来なかったら死んでたぞ!」
そうか、この人達は僕があそこにいたせいで助けないといけなくなったのか。僕のために労力と時間、そして、リスクも多少おったということか。そうだな、死ぬなら他の人に迷惑はかけちゃいけないな。
「申し訳ありませんでした。あと、ありがとうございます。では僕など無視してお進み下さい。」
はぁ。何か死ぬ前なのに疲れたな。あと何故か少し嬉しい。何でだろう...殴られて怒鳴られただけなのに。そんな事を考えていると大柄な男の人が
「は?お前このままここにいて一人で戻れんの?俺らが街まで案内してやるよ。」
え?と思う。兄上や姉上が優しい事を言ってくれても、何かを狙ってのことだった。食事を貰えなかった日に『分けてあげるわよ』などと言われても姉上と兄上が食べた後の魚の皮だったりした。『いりません』と言っても無理矢理食べさせられた。何か狙いがあるんだ。そんな事を考えてると
「いいから来い。このまま死なれても後味悪いし..。それについでだし。」
目を見てわかった。この人はただ単純に助けてくれようとしてるだけなんだ。
なんだか胸が暖かくなる。
...そうか、僕はこういう言葉を求めてたんだ、あの人達に...暖かい言葉を。ついていこうかな...と思ったところで現実に帰る。戻っても家もなければお金もない。戻ってもどうせどこかで野田れ死ぬだろう。だったらこの暖かい言葉を最後に死にたい...。僕に唯一優しくしてくれた人に後味悪い思いをしてほしくない。ここは、精一杯笑って言おう。
「大丈夫です。..こう見えて僕は強いんで」
上手く笑えただろうか? 突如強い衝撃が後頭部に来る。意識が飛ぶ。
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