表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/13

幕引き

 


 気が付けば全てが終わっていた。思えばこの1年間、夢のような出来事ばかりで、体が勝手に動いたり自分の知ってる体ではないようだった。

 もしかしたら、本当に全て夢だったんだろうか?死ねば自分の部屋のベッドで目を覚ますのだろうか?

 その一方であの時の痛みがどうしようもなくこの世界が現実であるという事実を突きつけていた。


 しかし、痛みへの恐怖とはこれでおさらばだ。これから充実したライフを過ごしてやろう。充実した‥‥

 あれ‥おかしいな‥‥笑ってるのになんで涙が‥


(分かっていた)


 魔物を滅ぼしたところでこの先に未来なんてなかったことは。

 しかし、今はそれ以上にこの世界で生きる明確な目的すら消えてしまったのも感じていた。

 そして、この先に待つ孤独を理解してしまった時、心が折れるのを感じた。



(これだけ強くなったのに人間はなんて弱い生き物なんだろう)


「ねぇ!甲君!これで私達二人っきりだね!」


 1人を除いて生命が消えた世界で心が壊れた廃人の人間が一人、立ち尽くしていた。



























 ーーー

(1年後)

「ねえ甲君!この場所覚えてる?私達が始めてあった場所!あーもう原形ないから分からないかー」





























 ーーー

(5年後)

「甲君なんかかっこよくなった!?髭がなんだか男前!!」




























 ーーー

(10年後)

「‥でさー。ねえ甲君!私の話ちゃんと聞いてる!?」





















































 ーー

(???年後)

「お願い甲君‥死なないで!私を1人にしないで!せっかく2人きりになれたのに‥」


 なんだかあの耳障りな声が聞こえる気がする‥ここは現実なんだろうか‥夢の中なんだろうか‥


 そういえば、あのクソ神‥

 魔物とはいえ世界から生命を奪うことが本当に世界を救うことだったのだろうか‥

 世界とは誰にとっての世界だったんだろうか‥

 ああ、そっか‥世界って‥


「カッテニシヌナンテユルサナイカラ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ