誰にもこの人を渡さない!!!
私の名前は 『大水 ほのか』 51歳独身で親の介護をしている。
私が45歳の時に父親が病気で亡くなり、母親は今認知症で私の
介護なしでは、日常生活が儘ならない、、、!
今までは、ずっとずっと仕事ばかりでボーイフレンドの1人はいたけど、、、?
結婚すると言う考え方が私の中になかった...。
家庭を持ち子供を育て、幸せな家庭を築くと言う考え方が私にはなかった...。
私は仕事が大好き人間だったから、、、。
何より【仕事を優先】させて生きてきたの、、、!
...今、こうして仕事を辞めて、母親の介護をしていると、、、?
やっぱりあの時、結婚しておけば良かったと思う事が多々ある...。
母親が亡くなったら、私は1人になるし、、、!
51歳で独身なんて! 男性に見向きもされない歳になってしまった、、、!
▽
ある時、、、。
認知症の母親に私はこんな事を言われる、、、!?
『ほのか! アンタの娘は何処にいるんだい、、、?』
『・・・お母さん! 私に娘なんかいないよ!』
『あら? アンタ、あの人と結婚して1人娘が出来ただろう、、、?』
『・・・お母さん、あの人とは随分前に別れたのよ~!』
『何て子だよ! 結婚もしてないなんて、、、! 親不孝者めっ!?』
『・・・・・・本当にごめんね、』
『あれ? 今日は、ワタシはもうご飯食べたっけねぇ、、、?』
『・・・・・・お母さん、』
こんな事が、毎日で、、、。
私の心は擦り減っていた、、、!
この先の見えない生活をどうにらいいのか、、、!?
そんな事をふと思う、、、。
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母親をいつも連れていく公園に一緒に行くと、、、?
そこには、スーツを着た男性がベンチに座っていた...。
『今日も暑いですねぇ~ あなたのお名前は、、、?』
『・・・えぇ!?』
『お母さん、ダメでしょ! 知らない人に急に話しかけちゃ、、、!
すみません。』
『お母さん、ご病気なんですか、、、?』
『・・・えぇ、母は認知症なんですよ!』
『あら? あなたお名前は、、、?』
『・・・だからダメだって! お母さん、』
『あぁ~いいんですよ~ボクの名前は、向井 明友と言います!』
『私の名前は、大水 ほのかです!』
『大水さんは、お一人でお母様の面倒を見ているんですか、、、?』
『・・・まあ、えぇ、』
『それはそれは、大変ですね! 頑張ってください!』
『あぁ、ははい、』
▽
この日から、向井さんとちょくちょく公園で会うようになる、、、!
『やあ! また会ったねぇ~!』
『あらあら~ カッコイイ男性だこと! あなたのお名前は、、、?』
『僕はね! 向井 明友って言うですよ~!』
『へーえ、向井さん。』
『えぇ! そうですよ~!』
『向井さん! いつも、母に付き合ってくれてありがとう!』
『そんなの別にいいんですよ~! 僕も楽しいので、、、!』
私は次第に、、、。
向井さんの誠実なところに心惹かれていく......。
優しくて親切な彼を私は、どんどん好きになっていった、、、。
『ねえ? 向井さんは結婚しているの、、、?』
『それがね、、、? 妻とは別居していて、、、お恥ずかしい事ですが
【心のすれ違い】が問題で今は一緒に住んでいないんだ! 子供も4歳
の男の子が1人いるんだけど、、、? 妻が面倒見てて、あの子が5歳
になったら、別れようって話になっている! 5歳なら少しは僕たちの
話を理解できる歳なのかなって事でね、、、!』
『じゃ~向井さんは、今は1人暮らしをしているんですか、、、?』
『・・・えぇ、まあ、』
『今度! 私、向井さんの為にご飯を作りに行ってもいいかな、、、?』
『あぁ! それは嬉しい~! 是非、家に来てください!』
『ははい!』
▼
私は51歳にして、やっと【本当の恋】が出来ているように感じる、、、。
私はこれが! 【最後の恋】だと思った、、、!
この人を逃したら、、、もう恋愛は出来ないと思ったからだ、、、!
『どんな事があっても、誰にもこの人を渡さない!!!』
私は、この日から向井さんの家にご飯を作りにしょっちゅう行くようになる...!
『ねえ? 今日の晩御飯は、何がいい、、、?』
『そうだな~ カレーが食べたいかな、、、?』
『分かった! 貴方の為に愛情込めて! 美味しいカレーを作って待ってるね!』
『あぁ、』
私はそのうち母親の介護もせず、向井さんの家に居座るようになった、、、。
『あれ? ほのか、お母さんいいのか? 家にいないと困るんじゃないのか?』
『えぇ、もう少しいいでしょ! ちゃんと家に帰るわよ!』
『それならいいんだが、、、。』
私はとうとう、母親より向井さんを取ってしまった...。
母親には、本当に済まないと思うのだけど、、、?
母親は、介護施設に入れる事にした......。
『お母さん! ごめんね、私幸せになりたいの! 親不孝な娘でごめん!』
『いいのよ~ ほのかはよくしてくれたもの、、、! 気にしなくていいの!』
『・・・お母さん、私、必ず幸せになるね!』
『うんうん。』
お母さんは、ニコニコしながら私に手を振った、、、。
私は胸が苦しくなった...。
▽
私はそれから、向井さんと一緒に暮らすようになる。
そんな時だった、、、!?
奥さんが向井さんの1人暮らしの家にやって来た、、、!!!
『明友! 大切な話があるの、、、? えぇ!? この人誰なの、、、?』
『まあ、それはいいとして! 大切な話って何だよ!』
『あぁ、息子の大輝の事よ!』
『・・・ごめん、大水さん、、、少しの間何処かに行っててくれないか?』
『・・・えぇ、ううん、分かったわ!』
...数時間後、、、。
向井さんの家にほのかが帰ると、、、?
もぬけの殻になっていた、、、!
そして、、、テーブルの上に小さな手紙が置いてあった...。
『ほのかへ。 今までありがとう! 僕は妻ともう1度やり直す事に
決めたよ! 息子もいるし! 僕たちはちゃんと話し合えば元に戻る事が
出来たんだ! これからは家族3人で暮らしていくよ! 本当にごめん!
それと本当に今までありがとう。 明友。』
・・・・・私の恋は、あっけなく終わってしまった...。
最後までお読みいただきありがとうございます。