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赤兎  作者: 「千」
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第8話 光の中

目が覚めたのは光の中だった。


ど・・・・どこ・・・だ?


喋れない。


口は動くが、言葉が出ない。


俺は死んだ。


俺は死んだ?


俺は死んだ!


違う!!俺は死んでなんかいない!


そう思った瞬間、声が聞こえた。


『ようここまで来れたのう・・・・。』


・・・・誰だ?


バサバサバサバサバサ!


気付けば周りには・・・・鴉?


烏の群れが俺を取り囲んでいた。


なにかヤバイ感じがする・・・・!!


『ここに来た理由はわかっておるわ。』


ばらばらに飛んでいた鴉たちが一箇所に集まり始めた。


集まった鴉はだんだんと人の形になっていく。


一羽一羽が体になっていく。


そして最後の一羽が顔になった。


なんだ、このおっさん?


『わしの開放、つまりは貴様の覚醒じゃろう。』


待てよ!!俺はまだ何も言っちゃいねぇ!!


『なんだ?不満そうじゃのう?』


まずおっさん、お前は何者だ?お前は俺のなんなんだ?


『わしがなんなのか知りたいのか。


 わしは貴様の燃料・・・・。貴様の力じゃよ。』


燃料って人型なのか?いや、烏か。


『せっかくじゃから、貴様の力もみせてもらおうかの!』


ゴウ!!


いきなり赤い力が吹き出した。


な・・・なんだよ、今のは!!


『この拳を受け止めてみろぉ!!』


無理だろ!!


あ、体は動く!!


『むん!!』


ドゴォン!!!


ブシュウ!!!


物凄い爆発音とともに俺の血が吹き出る。


かすったが、なんとか避けれた。


な・・・!


ふざけるな!!!!


こんなヤツのパンチなんて受けれるか!!!


ダッ!!


俺は走り出した。


今まで逃げたことなんざなかったこの俺が。


そう思ったら、情けなくなってきた。


畜生畜生畜生畜生畜生!!!!!!!!!


貴様なんざ!貴様なんざ!!!


情けなく思ったら恐怖が消えた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・。


覚悟を決めろ!喧嘩は相手が強けりゃ強いほどゾクゾクするだろ?


ギリギリな喧嘩ほど楽しくてしょうがないだろう!?


行くぞ!!!


俺は走るのをやめた。


クルッ


飛び掛ってくるおっさんのほうを向いた。


うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!


俺は、全力を込めて拳を前に突き出した。


ビシィ!


おっさんの拳は俺の右頬をかすった。


ぐお!


その衝撃は体全体に伝わり、脳にも届いた。


脳が痺れるような痛みが体を貫いた。


ぬ・・・・あああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!


バギャン


鈍い音が俺の目の前で響いた。


めきめき・・・・・


俺の拳はおっさんの顔に当たった。


にやっ


おっさんは怪しく笑う。


俺にはもう体力が残ってない。


ハア、はあ、はあ、はあ・・・・・・・ダメか・・・・・。


『ガハハハハハハハハハハハハ!!!!!』


いきなり大爆笑?狂ったか?


『まさか反撃するとはのう!!!!


 大した若造じゃ!!!!気に入ったぞ!!!!


 合格じゃ!!望み通りにしてやろう!!!!』


コオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ・・・・・・


眩しい光が再び俺を包み込んだ。


『・・わしの名は・・・・アモン・・・・


 再び会うことになるだろう・・・・。』


俺はまた、目を閉じた。

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