第5話 正体2
「ここまでは理解した?」
「えー・・・つまりこういうことだな?」
あれから1時間。俺はまだ説明を受けていた。
“天使”とは一体何なのか。
単刀直入に言っちまうと“天使の血を受け継ぐ者”のこと。
そのため人智を超えた能力、つまり超能力が使える。
その能力のことを我々は『超術』と呼ぶ。
・・・・・らしい。
「そうそう!!わかってるじゃない。」
「で、それがなんなんだ?」
いちいちリアクションがでかいぞ、華。
「だから!これは何にでも応用できる力なの!!
犯罪に使われることだってあるし、
それに超術なんて使われちゃ、銃なんて意味がないの。
そういう時のためにこの組織があるの。」
世界中の天使が集まって結成した組織、『天界』。
それは超術に関するトラブルを解決する、いわば超警察。
世界中に天界は存在し、全ての超術の情報を管理している。
「なるほど。で、俺もこの天界とやらに入れ、と。」
「そういうこと。やっぱ全部わかってんじゃない。」
はあ・・・・・。
俺はついさっきまで高校にも受からなかった、ただの不良だったはずだ。
それが警察?犯罪を取り締まる側にまわれとは・・・・。
「・・・・・俺は高校にも受かってn・・・・」
「いいんですよ。この仕事は能力を持っていなければ
話にもならないんです。
あなたの身分がどうであれ、そんなことは一切関係ないんです。」
今までめんどくさがって会話に参加しようとしなかったクルエルが
いきなり入ってきた。
「んなこと言われてもな・・・・。
具体的にどうしろって言うんだよ?」
「まずはあなたの能力を測定しなければなりません。
測定というのは、能力の強さだけではなく、
種類も判断します。」
種類?んなこと聞いてないぞ。
一瞬ポカンとした顔をしたら、星南がすかさず言った。
「超術は個人個人で違ってくるけど、基本的に3つの種類に分類されるの。
1つ目は超能力系。これが一番ポピュラーなタイプね。
2つ目は強化系。これは自分を含めたあらゆる物質を強化して使用するタイプよ。
最後に変身系。これは最も強力で、最も希少なタイプ。
遺伝子レベルで変身できるものは決まっていて、
2段階の変身が可能と言われているわ。」
おお・・・・。
こんな詳しい説明をありがとうよ。
さて。ここまできたら、気になることはあと1つ。
「その測定とやらは何をするんだ?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
なんだ、今の沈黙は!?!?!?!?!?!
クルエルが今までで一番嫌〜な、嬉しそうな顔で笑った。
「ん?簡単ですよー?
あなたに死んでもらうんです。」




