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赤兎  作者: 「千」
21/22

第21話 超える壁

前回、あとがきで「次回、更なる力」とか書いてましたが、すいません。

次話書いてみたら、全然合いませんので、勝手に変更させていただきました。

前回読んでいただいた方々、申し訳ありません。

「これから一ヶ月間、スパーダの三人に師匠(せんせい)になって頂きます♪」

「「「えええええええええええ」」」

俺たち三人は驚いてしまった。

日本で最強のチームに指導してもらう分には文句はないのだが・・・・。

「はい、じゃあ修行開始♪」

え?

ボカン!

俺だけが吹き飛ばされた。

スパーダの大男が手をかざしたときに、なにかが腹に当たって、そのなにかが爆発したんだ。

・・・・なんだ今の!?

初任務のときに見たアレか!?

三人のうちの大男がズンズンと俺に歩み寄って、こう言った。

「おう。俺が今日から貴様の師匠となる、獅子崎迅(ししざき じん)だ。」

迅は二カッと笑った。


星南。

「僕がこれから君を指導させていただきます、

風月拓馬(ふうげつ たくま)と言います。」

・・・・・・・・・・・・・・・。

この人ちっちゃい。

小学生?

「ちなみに歳は32。身長は146.8でーす。」

さんっ・・・・!?!?

おさ・・・いや・・・・若ッッッ!!!!

「あー!ちっさいからって馬鹿にしてますね?

でも――――――怪我することになるのはどっちでしょう?」

ぞくっ

拓馬からは異様な迫力を感じた。

いや、迫力というよりも・・・・・『威厳』

――――そうだった!この人は日本最強チーム、スパーダの一人なんだ。

全力でやらないと怪我じゃ済まない・・・・!

「スイマセン。でも馬鹿になんかしてませんよ。

では・・・・・・。」

集中・・・・集中・・・・集中・・・・。

星南は深呼吸をしながら構えた。

時よッ!!!!


華。

「・・・・僕が・・・あなたを指導する・・・垣村春慶(かきむら しゅんけい)で・・・す。」

春慶はそれまで読んでいた本を閉じ、そう言った。

「はあ・・・・よろしくお願いします。」

なんかやりづらいなぁ・・・・。

相手のテンションが低いとこっちの気分も下がっちゃうよ・・・・。

「でー・・・・具体的には何を?」

華は単刀直入にそう聞いた。

「・・・何も・・・しない。」

へ?

「他のみんなは・・・戦って超術そのものの力を上げるけど・・・・

あなたの場合・・・・超術が使えない・・・。」

カッチーン・・・・。

今のちょっとカチンと来たよ?

「あたしだって使えるに決まってんでしょ!?

大体使えないんなら、こんなとこにいないわよ!!!」

「そういう意味じゃない・・・・。

じゃあ・・・僕に一度だけ撃ってみて。」

意味がわからない・・・。

まあ、とりあえず撃てってことね。

あたしはジャンプで距離をとった。

「じゃあ行くよー!!はっ!!!」

ドウッ!

合わせた両手から、一直線に電撃が走る。

が。

―――――フッ

いきなり電撃が消えた。

「あっ!」

思わず声が出てしまった。

それに。

「ハッ・・・ハッ・・・ハッ・・・。」

息切れが激しい。こんなことはなかったのに。

「ぜぇっ・・・ぜぇっ・・・!」

だめだ・・・立ってらんない・・・!!

あたしはその場に座り込んだ。

すぐに春慶が歩いてきた。

「酷いね・・・。」

「な・・・なん・・・ぜぇ・・・なの・・・?」

あたしはどうなったんだ?

急に超術が弱くなったり、消えちゃったり。

「重度の燃料(フュエル)不足・・・。

試験まで、超術使っ・・・ちゃだめだよ。」

そ・・・・そんな・・・・。

「あなた・・・さっき、両手で撃った・・・・。

でも・・・昔は・・・・片手を銃を構えるみたいに・・・撃ってた。

なんで?」

「そ・・・それはっ・・・・力が入るから・・・・。」

「・・・片手じゃ力が・・・入らなくなった(・・・・・・・)からじゃない?

わかったら・・・そのまま動かない・・・こと。

それが・・・・一番いい・・・の。」



3分後。兎。

ドサ

「かはっ・・・・!」

「おいおい!!マジで試験受ける気なのか!?」

迅はつまらなさそうにそう言った。

――――歯がたたねぇ!

全身変身(フルトランス)しても全くだ!

これが上級天使かよ・・・・。

「おい、立てよ。立たないと修行になんねーだろうが。」

―――クソ。

バサッ

俺は翼を広げて飛んだ。

格闘能力に差がありすぎる。喧嘩仕込の殴り合いじゃ勝てねぇ。

だったら・・・・。

滅却の矢(イレイザー)”!!」

ゴアッ!

赤い光線が走った。

「っ!!!」

ドガアアアアアアア・・・・・・

まともに食らった。ちっとは効くだろう。

「・・・・貴様、何モンだ?」

――――全然だめか。

「今のはなんだ?初めて見る超術だな。

少し貴様に興味が湧いたぜ。遊んでやるよ。」

迅は嬉しそうに笑った。

くそ!アレでも駄目となると打つ手がねぇ!!

せめて動きを止めれるくらいの攻撃が・・・・・。

一撃じゃなくてもいいんだ!!

高速連続攻撃が必要だ・・・・・!


星南。

「そ・・・・そんな馬鹿なっっ!!!」

「何をそんなに驚いてるんですか。」

「あなたがっ!この世界で動ける筈がないっ!!

時を止めた世界で、動ける筈がない!!!!」

そう。私たちが今いるのは、時を止めた世界(インターバル)

私の超術で世界の時を止めたのに。

何で拓馬さんは動けるの。

「あなたの超術が時を止めるものだったなんて。おもしろいですねー。

その原理も実におもしろい。」

にやっ

拓馬は笑った。

私の超術は強化系だけじゃない。

あらゆる天使の中でも最も古い超術、“休憩時間(タイム・アウト)”。

この世界の空間の狭間、“ウラ”側には時間を管理する、巨大な時計がある。

そこに私の意識念導体を飛ばして、時計に燃料を使って衝撃を与える。

そうすると、世界の時間が止まる。

当然、衝撃が強いほど止まっている時間は長くなるし、

弱ければ短くなる。

さっきは最大の燃料で衝撃を加えたはず。

なのに。なんで動けるの!?

「簡単なことさ。僕の無意識に流してる燃料(フュエル)

君の発してるそれよりも大きいってだけ。お分かり?」

そんな滅茶苦茶なっ!!!!

無意識に流す燃料なんて全体の0.1%にも満たないのに!

「アッハッハッハッハッ!」

ビクッ

いきなり拓馬が笑い出した。

「ゴメンゴメン。ショック受けた顔してたから。

実際燃料の量にはそれ程の差はないんだよ。君は燃料の超術変換が下手なんだ。

それさえ上達すれば、君はあっという間に強くなる。」

「え。本当?」

「冗談を言ってどうするの。

今回の僕のお仕事は、君を上級天使レベルにまで育てること。

ちょっと厳しいかもしれないけど、がんばろうね♪」

「は・・・・はいっ!!!」


華。

「皆さん、それぞれに目標ができたようですねぇ。」

クルエルは横で見ていて楽しそうだ。

「心配なのは華さんですが、大丈夫ですかねぇ?」

「大丈夫。心配は・・・いらない。」

「そうですか♪それはよかった。」

いつの間にか春慶が横にいる。

クルエルは遠くで座ったまま動かない華をチラッと見た。

すごく退屈そうですが、まあこれも修行ですね。

「こんなんで大丈夫なのかなー?」

・・・・なんか言ってますけども。

「動かない時が・・・一番燃料(フュエル)を回復する・・・。」

「ぅわあ!!びっくりするなー、もう!!」

いつの間にか春慶は横にいない。

フフフ・・・・おもしろくなってきましたね。

ここまで興奮するのは、彼らをスカウトした時以来ですね。

獅子崎迅、風月拓馬、垣村春慶。

日本最初で最強のメンバーを揃えた時以来です。

おう!迅だ!!

こいつら糞弱ぇなぁ!!受かるわけねーじゃん!!

だが、あきらめねぇ根性は認めてやらぁ。

それにあのガキ・・・・。本当に天使か?

ってか、あいつら学生だろ?宿題とかあんのに大丈夫かよ!!

・・・・・ん?宿題?

おい!!宿題やってんだろうなぁ!?


次回、『眠れない日々』!

読めよ!!

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