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赤兎  作者: 「千」
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第20話 進化への道

『命を背負う覚悟がありますか?』

クルエルが部屋を去ってから、誰もしゃべらなくなってしまった。

あの言葉は俺たちに重くのしかかって、いろいろなことを考えさせられた。

命を背負う・・・・・

そんなことは考えたことなかった。

“守る”という概念そのものがなかった。

「――――――俺は強くなる。頂点(てっぺん)に立つまでな。」

俺はそう言って部屋を出た。

タッタッタッタッタ・・・・・・

そのまま早歩きで俺は訓練場に向かった。

ガチャ

バタン

「・・・・・変身(トランス)。」

バシュウ

俺はこの超術(ちから)で変わるはずだった。

なのに、これじゃ今までと変わらねぇじゃねぇかよ・・・・。

俺は・・・・・何がしたかったんだ・・・・?


一方、残された華と星南。

「華・・・・・。」

「ゴメンね。なんて言ったらいいかわからないけど・・・・・・。

あたし・・・・・。」

星南にはわかっていた。

兎と少しだけ、華の超術が弱まっていることについて話していたからだ。

今の華の超術には、燃料が極端に不足している。

必要燃料の半分以下にまで減ってしまっているのだ。

天使にとって、燃料が減ることは寿命を削ることと同じ。

このままでは力が消えるどころか、華の命が危なくなってくる。

「華。私、力になれないかな?

がんばろうよ。強くなろうよ。私たちは、チームでしょ?」

星南はそう声をかけた。

「うん。そうだよね。強くならないとダメだよね。

それしかあたしには道はないんだよね。」

「そうよ。頑張ろうよ。」

そう・・・・私たちには逃げる道はない。

それが私たちの責任。

前に進むための道しかない。

―――――――――進化の道しか。


次の日。

ふあ〜あ・・・・・・

昨日のことをずっと考えてたら、眠れなかった。

こういうときは体を動かすのが一番だ。

俺はまた訓練場に向っていた。

華と星南はどうしたんだろうな。

がちゃ

ゴオッ!!!!

「うおっ!!!」

扉を開けた瞬間、いきなり俺は吹き飛ばされてしまった。

「な・・・・なんだ!?」

「あっ。ウサっち、おはよー!!」

「桜木君、おはよう!!」

見ると二人は修行中。組み手をやっていたようだ。

華の調子は依然悪いままみたいだが、今までとは違う、圧のある燃料を放っていた。

「おいおい、華。気合い入ってるみたいだな。」

「そうね。あたしたちには進化することしか、道は残されてないんだもん。

強くなるしかないんだよ。

今はちょーっと調子悪いけど、必ず力を蓄えて、進化するからね!!」

「私たち、考えたのよ。

今の私たちにできるコトは何かって。

結局辿り着いたのは桜木君と同じ、上を目指して強くなることだったわ。

当然、上級試験だって受ける覚悟もしたわ。」

そう言った二人には自信が溢れているように見えた。

・・・・・二人は強くなっている。

実力の話ではなく、精神が強くなっている、そう思った。

「俺も昨日一晩考えた。

“命の責任”は重い。かなり重いさ。

俺なんかじゃとても背負い切れる訳ねぇ。

でも、それって一人で背負うもんじゃなくてよ、チームで背負うモンだろう?

少なくとも一人よりは三人のがいいに決まってる。

だから、俺たちは三人で強くならなきゃならねぇ。

一人の力なんて意味がねぇ。大事なのはチームの力。

そうじゃねぇのか?なあ、クルエル。」

「おや?わかってましたか?」

「「!!」」

星南と華は気付いていなかったようだ。

「総統・・・・!」

「あ・・・・あの・・・・!!」

「あなたがた。これだけの答えを一晩でよく出しました。

命というものは取り返しがつきません。

人を生き返すような超術があればいいのですが、

そんなものはやっぱりないんです。

そんな命は一人で背負い切れるわけがないんです。

大勢だったら責任が取れる、というわけではありませんが、

一人では救えない命も、三人いれば救うことができるんです。

救える命が何百から何万、何億まで増えるんです。

これが一番大切なことなんですよ。

取り返すことのできない命ならばなおさらでしょう?」

コクッ

コクッ

コクッ

俺たち三人は大きく頷いた。

それを見て、クルエルはニコッと笑った。

「―――受けますか?上級試験。」

俺たちは顔を見合わせた。

そして、声をそろえてこう答えた。

「「「はい!!!!」」」

「よろしい♪

ではスパーダ、入ってきてください。」

がちゃ

「おう。」

「はい。」

「・・・・」

え?少し流れが掴めないんですが?

華と星南もポカンとした表情。

「さーて、これからあなたがたの師匠(せんせい)となる方々ですよ。

今日からは個別修行開始です♪」

はぁい♪華でーっす♪

これからスパーダがあたしたちの師匠!?

・・・・あたしの調子が戻れば、あいつらなんてぼっこぼこなのにィッ!!

星南なんて、あいつらよりも強いんじゃないの?

ホントに強くなれるのかなぁ・・・・?


次回、『超える壁』

お楽しみにーー!!

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