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赤兎  作者: 「千」
19/22

第19話 進化の覚悟

前回、アドバイスがありましたので

行間を空けずに書いてみました。


こっからは上級試験篇です!!

よろしくです!!

ザン!

「ギャアアアアア・・・・・!!!!」

ドスン・・・・・

「ふうっ。」

「はい、お疲れ〜。」

「今日も疲れたわねー。」

ビーッビーッ

「おう、クルエルか?今ちょうど終わったとこだ。」

今日で例の任務から二週間が経った。

こなした任務は十を数える。大分悪魔共を(ころ)すのにも馴れた。

『随分と手馴れてきましたねぇ。任務にかかる時間が短くなってきてますよ。』

「まあねー!あたしたちも強くなったもんねー!」

そうだな。

俺たちはあれから修行と任務の繰り返しの日々を送ってきた。

そのおかげで運動とか、反射速度も上がったが、戦闘の勘が冴えるようになってきた。

よく銃弾が止まって見える、とか言うじゃん。

よくあの超人現象が起きるようにもなった。

『星南さんの調子はどうですか?』

「上々です。」

今までの任務の中でわかったことが一つ。

星南は実質三叉の槍(トライデント)最強だ。

例の任務で発覚した、“天空龍の星華”。

雷撃の華に時の星南。

華は凄まじい威力の雷撃を放つ姿が、まるで龍のよう。

星南は(はや)く、時を操るかのように戦場を駆け抜ける。

そんな二人のコンビのチーム名だったそうだ。

何があったかは知らないが、華は超術の力が衰えてる。

華の放つ電撃の大きさこそ変わらないが、燃料の密度が小さくなってる。

電撃の攻撃力が低下してる。一撃で悪魔を倒せないんだ。

華には言ってないが、それくらいは俺でも気付いたさ。

自分でも気付いてるはずだしな。

それに引き換え、星南はどんどんスピードが上がってる。

本当に時を“止めて”いるように・・・・な。

悪魔に向かって手をかざしたかと思うと、星南の姿は消えてなくなる。

その瞬間には悪魔が倒れているのだ。俺の“鴉の眼”でも追えない。

『そうですか。では帰還してください。できるだけ急いでくださいね。』

「了解っと。」

華が答え、通信はすぐに途切れた。

クルエルが急げ、なんて初めてだな・・・・。

何か用事でもあるのか?

「総統が急げ、だってさ。」

「そうね。じゃあ、桜木君に少し運んでもらいましょうか?」

あ?

「いいねー!ウサっち、変身変身ー!!」

「なんで俺が!?俺よりも星南の方が速いだろ!?」

「私じゃ二人を運ぶなんてできないわ。こういうのは男の仕事でしょ?」

星南は悪戯っぽく笑う。

・・・・・ちっ。

俺は思わず赤面した。

「どうしたのー?ウサっちもしかして・・・・。」

「ばっ!!違ぇよ!」

華がはやし立てた。俺は少し焦る。

この二人はたしかにレベルが高ぇがな。意識はしてねぇよ。

「じゃあ冗談はそれくらいにして、行くぞ。フッ!」

バシュウ!!

「掴まれ。振り落とされないようにな。」

バサッ!

俺は二人を抱えて飛び立った。









「おっかえりなさーい♪随分と早いおかえりでしたねー。」

「いやー、ウサっちが飛んでくれましたから♪」

華がグッっと親指を立てた。

そんなに速かったか?疲れるからスピードは50%くらいに抑えたんだがな。

さーて、ここで本題。

「で、急げって何か用事があるのか?」

「実はそーなんですよぉ。話があります。」

話は今までに散々してきた。今度はなんなんだよ?

「これはチーム全体に関わる事ですよ?あなたがた全員にです。」

おお?今までは俺に対する説明のみだったのにな。

華と星南にも関係することって・・・・?

「今月の20日に昇格試験があります。

私はあなたがたを受けさせようかと思っているのですが、どうですか?」

昇進試験?

「中級試験ですか。」

「え!中級天使になれるの!?やったね!!」

「試験なんかで昇格すんのかよ。ま、折角のチャンスなんだからやらせてもらうか。」

随分と急に昇格するんだな。まだ任務経験10回だぞ?

ま、例の任務以外、楽勝だったけどな。

「いやいや♪あなたがたに受けてもらうのはもっと上ですよ♪」

あ?上?

華も星南もポカンとしている。

「上・・・・級・・・・?」

「試験・・・・?」

「マジか。」

クルエルはニコッと笑った。

「あなたがたが受けるのはもう一個上の“上級試験”です♪」

待て待て。いくらなんでもそりゃ早すぎないか?

「待って!ちょっと待って!!」

「ちょ・・・・華!?」

どうした?慌て方が普通じゃない。

「総統!!待って!ちょっと待って!!」

「華さん、落ち着いてください。まだ時間はありますし。

あなたがたは潜在的にはもう上級天使を上回っています。」

「でも、早過ぎませんか?」

星南が困ったような声で言った。

「星南さん。現在この中で一番実力があるのはあなたなんですよ?

さて、どうします?何も今回だけがチャンスではないので、断ることもできますよ?」

・・・・・・・・・・・。

「―――――俺はやろうと思う。」

「―――――チャンスはフル活用するべきね。」

「あたしは―――――――」

華は答えない。

それどころか震えだしている。

「ハア・・・・じゃあ今回の話はナシですね。」

いきなりクルエルの表情が変わった。

「え・・・・!おいクルエル!!」

「この試験はチーム単位でなければ受けることはできません。」

「そんな・・・待てよ!!」

俺は、冷たく突き放すクルエルに食い下がった。

しかし、クルエルはこう言い放った。

「あなた方はこの試験の意味を勘違いしていませんか?」

「意味・・・・?」

「この試験に合格すれば、あなた方の実力はたしかなモノと認められ、

任務も難易度の高いものを受けることになるでしょう。

しかし、任務には難易度が高ければ、大きな犠牲も伴う危険があるんです。

あなた方に、その命を背負う覚悟がありますか?

これは、超術という力を持った代償なんです。」

クルエルの言葉には重みがあった。

なんとも言いようのない重みが・・・・・。

俺は何も言えなかった。

おう、桜木だ。

なんだかエライことになってきたな。

クルエルはこえぇしよー。しかも華はすげぇ落ち込んでるし。

でも、この試験は受けてぇよ。俺は覚悟するぜ。

どんな責任でも背負ってやる。どんな命でも守ってやるさ。


次回、『進化への道』

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