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赤兎  作者: 「千」
17/22

第17話 戦闘

開花した兎の感覚。それは戦闘に特化したものだった。徐々に現れていく兎の才能。兎は一体何者なのか?・・・・・兎は戦闘を楽しむ・・・。

ズシャア!!ブシュッ!!


俺はまだ、あの悪魔と戦っていた。


――――――ははっ。こんな感覚は初めてだ。


華と星南との修行でもこんな感覚はなかった。


俺の血が吹き出る感覚。俺が悪魔の肉を引き裂く感覚。


何もかもが眼で追える。肌で感じれる。


―――――はははははははは。




「・・・ねぇ、あれ、ホントにウサっちなの?」


「あ・・・当たり前じゃない・・・・。信じ難いけど・・・。」


華と星南は恐怖していた。


自分らでも戦ったことがないような、強大な悪魔と戦う兎の姿に恐怖していた。


桜木君はつい最近能力が発見されて、まだ修行を始めて一週間も経っていないのに。


・・・・・・・・生まれ持った才能、戦闘感覚(バトルセンス)ってヤツね・・・。


「見てよ・・・・。ウサっち、笑ってるよ?」


俺は笑ってた。






「オルァ!!」


ザシュウ!!


俺の爪が悪魔をえぐる。


「シャアアアアア!!!」


ガツンッ!!


悪魔の尻尾が俺の顎をかちあげる。


・・・・ヨロッ


俺の体勢が崩れたのを悪魔は見逃さなかった。


がぱ


ドッ!


大きく開けた口から紫色の液体が吹き出してきた。


ビシャア


「ぐっ!」


俺は躱しきれずに、体の右半分に液体がかかった。


ジュウウウウウウウ・・・・・・・!!!!


液体がかかったところに激痛が走る。


・・・・ッ溶解液か!?


体が溶け・・・・・!


「シャアッ!」


ドゴッ!ゴッ!ガンッ!


ぐあっ!!


悪魔の六本の腕が俺を次々に捕らえて殴る。


カッ


ゴアッ!


また光線を放つ。俺はもう反応できなかった。


「がああああっ!!」


ドドドドドドドドドド・・・・・・・・!


「ウサっち!!飛雷(びらい)ッ!!」


吹き飛ばされた俺を見て、華が飛雷(びらい)を放った。


ビシィ!!


電撃は悪魔の背中に当たって弾き返された。


「・・・シャア!!」


悪魔は華に気付き、襲い掛かっていった。


―――――あぶねぇ!!


「華ぁ!強化(カスタム)!“(アーム)”!!」


今まで動けなかった星南が間に割って入った。


ドゴン!


星南の強化した拳が悪魔の顔面に命中する。だが・・・・。


「・・・・キシャアア!!!」


まるで効いてない!!


「星南、逃げろ!!」


悪魔は今度は星南に殴りかかった。


強化(カスタム)!!」


星南は今度は腕を硬化させ、そのまま悪魔の腕に向かって振った。


ガシャアアン!!!!!!!


――――鈍い炸裂音が響いた。


―――――ピシっ


強化した腕に亀裂が走る。


ビシッ・・・・パキパキ・・・・


ブシッ


腕に入った亀裂から、鮮血が飛び散る。


「・・・・・あ・・・・ああああああああ!!!!!」


星南が悲鳴を上げて崩れ落ちる。


ドサリ


「星南ぁ!!!!!」


今度は華が悲痛な声を上げる。


ちくしょう!!!ちくしょうがぁぁぁ!!!


「・・・・・お゜お゛お゛お゛!!!」


ぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐ・・・・・・・・・・・・


俺は立ち上がった。


ボシュウウウウ!!!!!!


俺の体から燃料が吹き出した。


悪魔は俺の燃料に反応する。


再び俺に向かってくる。


「華!星南連れてどけぇ!!」


俺はそう叫んだ。


華は一瞬こっちを向いたが、すぐに星南に駆け寄った。


「喰らいやがれぇ!!」


キュウウウウウウウウン・・・・・・!


ゴバァア!!!


ガガガガガガガガガガ!!!!!


「キィィィィィィィィィィ!!!!!!!」


ズガァァァァン・・・・・・


―――――――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・


俺の最大攻撃技、滅却の矢(イレイザー)が直撃した。


・・・・はあ・・・はあ・・・はあ・・・


・・・・直撃だったら、少しはこたえるだろ・・・・・。


ガクン


俺の膝がくだけた。


―――――――もうさすがに限界か・・・・。


「ウサっち・・・・。」


「も・・・・もう大丈夫・・・・のはz・・・」


ガシャン!!


「キシャアアアアアアアア!!!」


―――――――まだか!?まだダメなのか!?


ドパン!


いきなり悪魔の頭が弾け飛んだ。


シューーーーーー・・・・


弾けた頭から血が吹き出、悪魔は倒れた。


ズズン・・・


い・・・今の一撃は?眼で追えなかった・・・・。


「おーう。危ないトコだったなぁ!」


「間に合ったじゃん?よかったねぇ!」


「・・・・うるさいよ。」


俺の後ろから声がした。


・・・・・・誰だ、こいつら?

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