第15話 初任務1
今回は非常に長いです。
読みにくいかもですが、すいません
「じゃあ、今日は任務をやってもらいましょうか♪」
「おお!!やっと任務かよ!!」
「やったぁ!!任務任務♪」
「任務ですか。内容はどんなですか?」
俺ら三叉の槍はクルエルに呼び出され、また例の部屋にいた。
「任務内容は簡単なものです。
悪魔共のアジトが新しく発見されました。
任務はそのアジトの壊滅、および悪魔の全滅です。
力の使い方も覚えた桜木君もいるわけですし、楽勝でしょうがね。
さくさくっとこなしちゃってください♪」
「はーい♪じゃ、行こう!!」
「おう!!!」
「はい、待っーた!その前に着・替・え!」
行こうとした俺と華を星南が制止した。
へ?着替え・・・・?
「えーっ?だってアレ、なんか嫌なんだもん。」
「文句言っちゃダメでしょう?規則は規則!」
なにそれ?制服でも・・・・って隊なんだから制服くらいあってもおかしくないか。
「あ、そういえば桜木君の制服は?」
「もう出来上がっていますよ。はいどうぞ。」
そう言ってクルエルが手渡したものは・・・・・・アームカバー?
真っ黒で、手首の辺りに何かカードリーダーのようなものが付いている。
「そこの手首のところに付いている機械にあなたの
IDカードを差し込んでください。」
俺はこの前渡されたカードを取り出し、機械に差し込んでみる。
シュオッ
一瞬で俺の服が変わった。
「おおっ!!」
真っ白な服だった。
真っ白の長いズボンで、真っ白の長袖のシャツの上に真っ白のジャケット。
信じられないくらい軽く、まるで着ていないみたいだった。
スッゲェ!!
「それは天使の絹って呼ばれる繊維で編まれていて、
あらゆる衝撃に強い耐性を誇るわ。もちろん超術にもね。
変身とか強化するときには体と同化する特性もあるのよ。」
おお!それは助かるな!それ、結構気になってたんだよ。
修行ではすぐに服ボロボロになっちまったしよ。
「てか、男子の制服ってそんなんなんだー。
女子とほとんど変わんないね?ほら。」
「そうね。ちょっとラインが入ってるくらいだね。」
シュオッ
二人も“着替え”た。
違うところは腕に空色のラインが二本入ってるってだけ。
「デザインには違いないのな。」
「でしょ?ま、これはこれでいいんだけどねー。」
「じゃ、もう行くわよ。総統、アジトまでの地図を。」
星南はクルエルから透明な紙のようなものを受け取り、
俺らを行くように促した。
「はーい♪」
「おう。」
―――――――――――――――――――――――数時間後。
「着いたー・・・・。遠い・・・・。疲れた・・・・。」
「たった二時間歩いただけでしょう?文句言わないの。」
「いや、二時間は遠いぞ?」
星南はへたり込む華を無理矢理起こす。
言われるままについてきたけど・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・ここ日本?
俺らがいるのは、廃墟ビルの目の前。
もう辺りは暗くなり始めてる。
「さ、行くわよ。」
「はーい・・・・・・。」
・・・・・・・・・・ズズン・・・・・・。
「お?」
今なんか揺れなかったか?
地震じゃなくて、なんかこう・・・・腹に響く感じの?
「ウサっちー!!置いてくよー!!」
「あ、待てよ。待てって!!」
タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタ・・・・・・・・
中は一層薄暗く、不気味な雰囲気だった。
悪魔をバリバリに感じる。
――――――――――――いる。それもかなりの数だ。
俺らは廊下を歩いている。
コツ・・・コツ・・・コツ・・・
「かなりたくさんいるね。」
コツ・・・コツ・・・コツ・・・
「そうね。ほとんどは雑魚だけど。」
コツ・・・コツ・・・コツ・・・
――――――――――――――――――――――――――待て。
なんかいるぞ?なんかいるぞ!!!
俺はまた何かを感じた。それはビルに入る前に感じたものと同じだった。
この腹に響く感じは普通じゃなかった。
「おい!なんか変なのがいるって!すげぇのがいる!!」
「?いるわけないって!!!まだあたしたち新米なんだよ?
そんなのがいる任務はまわってこないよ。」
「華の言うとおり。そんなのはいるはずがないわ。
私と華は12歳から組織にいるけど、総統から直接依頼された任務は今回が初めてなの。」
・・・・・そっか。いるわけないか。
「とりあえず雑魚は片しておこ。
強いのがいたとしてもそっちのが楽だよ。」
そーだな。さっさと片しておきたいところだ。
だが、さっきから気配を感じない。
いるはずなのにいる気配を感じない。
これはどういうことだ?
「何でかしら?感じるのに悪魔が一匹もいない・・・・。」
「おかしくない?こんなの初めてだよ?」
二人も同じ疑問を抱いたようだ。
もう中に入って30分は経ってる。
ここは悪魔のアジトなんだろ?しかも俺らはあいつらにとっちゃ喰いもんだ。
なのにでてこないなんて明らかにおかしい。
「待て。これ以上探してもたぶん無駄だ。
ここには他に何かが隠れてそうな場所はないのか?」
「ないわよ。ここは地下もないし、ただの廃ビルよ。」
ビーッ
いきなりアームカバーの手首の機械が鳴った。
『もしもーし。聞こえてますかぁ?』
クルエル・・・・・。
これ、連絡用としても使えるのな。
「はい、聞こえてます総統。」
『そっちはどうなってますか?』
「こっちは全然悪魔が見当たらねぇ。
これは一体どういうことだ?説明しろ。」
『おかしいですね。こちらからはそこに悪魔反応も
あなたがたの燃料反応も確認できています。』
反応が確認できようが、現場にはいねぇんだ。どうしようもないだろうが。
そのとき、ズズンと音がした。
「?」
「なに、今の?」
今のは・・・・・!
ズン・・・・ズン・・・・
音はだんだん大きくなり、近づいてくる。
ズン
突然、音が止まった。
薄暗い廊下の向こうの方で何かがキラッっと光った。
その瞬間。
ボッ!
赤い光球が飛んできた。
バッ
かわしたが、今のは間違いなく悪魔の攻撃だ。
気配もなかったのに?
「今のって悪魔だよね!?
でも気配を感じなかったよ!?なんで!?」
「わかんないわよ!でもそこにいることはわかったでしょ!!」
「たしかにねっ!!飛雷ッッ!!!」
華がお得意の飛雷で反撃する。
バギャン
飛雷は壁を貫通した。悪魔には当たっていないようだ。
「あれぇ!?当たってない!!なんでなんでぇ!?!?」
華が怒るのも無理はない。
今のタイミングだったら、必ず当たっていたはずだ。
飛雷のスピードは俺も熟知している。
なんでだ?
―――――――――――――――――――――!
「――分解能力か?」
「?分解?」
星南が首をかしげる。
『その可能性はたしかにありますね。』
「だとすると厄介だ。攻撃を当てにくい上に、
相手を見つけるのが難しい。薄暗い中じゃまず無理だ。」
「ちょっと!どういうこと?」
華が突っ込む。
「だから、相手が複数の別の動物かなんかに分解できる能力を持ってるかもってことだ。
何に分解できるのかわからないと攻撃できない。」
「なるほど・・・・。」
華は理解したようだが、首をひねっている。
星南は早速打開案を思いついたようだ。
「とりあえず敵が見えればいいのよね。
強化!“眼”!!」
お、俺と同じ考えだ。
こういう場合、まず相手が見えないことにはどうしようもない。
どこから攻撃してくるかわからないし、相手が何に分解するかもわからないからだ。
つまり、見えれば相手がわかる。
そうすれば攻撃もできる。
「変身!」
キィィィィィン・・・・・・・
「ウサっち、眼が・・・。」
俺は五日間の修行でいろいろと発見したことがある。
その一つが“部分変身”。
コツさえ掴めば、体の一部だけを変身させることなんて楽勝にできる。
二つ目が“それぞれの部位の能力”。
変身した俺の体は鳥の能力を手に入れることができるようだ。
眼がよくなったりな。
「「見つけた。」」
俺と星南が同時に言った。
あれは・・・・・・・虫か。
「・・・・・いやっ!!!!!」
星南が悲鳴をあげてうずくまる。
・・・・・・・女の子だもんな。
虫が苦手のようだ。
しかし、アレは俺でも気持ちが悪い。
馬鹿でかいゴキブリみたいのがうじゃうじゃいる。
・・・・こりゃあ分解されちゃまずいな。
ゴキブリって速いんだよ。
「華!床、壁に放電しろ!」
「了ッ解ッ!!放電!!」
バリバリバリバリバリィッ!!!!!
ブチブチブチィ!!!
ゴキブリ共が次々に丸焦げになって潰れていく。
「キュウイイイイイイイイイイ!!!!!」
気持ち悪い声が響く。
たしかに効いているようだ。
「うわわっ!?今の声何!?!?」
今度は華が悲鳴をあげた。
あ、そうか。華には見えてないのか。
「は・・・華ぁ・・・ご・・・ごきがぁ・・・・。」
「え?何?ごきがなんだって?」
星南は華にしがみついている。
華はそれを振りほどこうとするが、星南は動こうとしない。
・・・・・星南はもう使いもんになんないな。
『あっはっはっは♪
星南さんは相変わらず虫がダメですねぇ♪』
クルエルうるせぇ。
でも、ま。もう任務も終わりだろ。
華の放電は効果抜群だったみたいだし。
「キュイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!」
「!!!!」
まだ生きてるか?
バリッ!ボリンバリン!!
・・・・何だ今の音?




