第14話 成長
「だあああああああああああ!!!!!!」
ドガァァァァン・・・・・
ガシャァァァァァン・・・・
「おおっと。今のは少し危なかったわね。」
あれから一週間が経った。未だ任務には就いていない。
でもだいぶ天界のこと、超術のことがわかってきたぜ。
いろいろと説明を受けたしな。
今は通常状態で星南と現在進行形で修行中。
俺はある程度超術を自由に発動できるようになって
その状態を維持できるようになった。
なんか変身状態での新しい力も発見したし。
「そんなんじゃ悪魔には太刀打ちできないわよ!
強化!“腕”!!」
ヴゥン!!
星南の腕がオレンジ色に光り、形が変わった。
今度は何になった?
ドゴッ!
「ブッ!!」
変化した腕の拳が俺の顔面にめり込む。
・・・・・ちっ。今パンチが一瞬加速した。
速いうえに強い。
「そんなんじゃダメだって言ってるのよ!
今まで教えてきたことを思い出して!!
それに本気でやらないと修行の意味がないでしょう!?」
・・・・・・ペッ。
もう少しいける気がしたんだけどな。
やっぱ無理か。
――――――――――――――――フゥ。
五日前明朝。
俺は三叉の槍のメンバーと訓練場にいた。
「さて。じゃあ、これから任務の要請があるまで
あたしと星南が交代でウサっちと戦闘訓練をするからね。
やっぱりウサっちは実戦で育つタイプでしょ?」
・・・・・まー、そうかな。
でも、軽い説明があると楽なんだが。
「ちょっと待ってくれよ。そうかもしれないけど少し説明してくれ。
超術のコツとかさ。」
「んーとね・・・もう大体説明したんだけどな・・・・。
超術の基本種類は説明したよね?
全ての超術に共通することは使用する燃料の量で
威力とか効果が変わるってこと。
多ければいいってもんじゃないらしくて、
微妙な調整が重要!・・・・・って星南が言ってた。」
ほうほう。
「そういうこと。
超術を発動するときのコツとして“戦意を呼び覚ますこと”が大事よ。
超術は悪魔と戦うための力なんだからね。
戦う意志がないと話にもならないわ。」
戦意か。
・・・いまいちピンとこないな・・・・。
今まで喧嘩は散々してきたが、その場のノリでなんとかしてきたしな。
「あ、これは天界の話だけどね、
世界各国にこの組織があることは知ってるね?
チームってのはそれぞれ国単位で所属が決まってるの。
活躍に応じて称号も与えられるし、色々と特することもあるらしいよ。
最初は“下級天使”。最後には救世主の称号を与えられるって言われてる。」
じゃあ、俺ら三叉の槍は日本支部所属の下級天使ってことか。
「説明はこんなとこ。
じゃあ今日はあたしが相手するからね!!
本気で来ないと死んじゃうよ!!!!」
「・・・・・おお!!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!
「――――――――――――――――行くぜ。」
バシュウッ!!!
変身完了ッ!!
訓練のおかげか変身にかかる時間は随分と短くなった。
ヴァサッ!!
俺は変身完了と同時に翼を広げて飛翔した。
キュウウウウウウウウ・・・・・・・・・!!!!
ゴアッ!!!!!
俺の口から真っ赤な光線が放たれる。
「強化!!“全身”!!!」
今度は星南の全身がオレンジに光った。
体が硬質化したようだ。
ギャン!
ドゴオオオオオオオオ・・・・・・・
俺が放った光線は片腕で弾かれてしまった。
「ちィッ!」
「はい、ストーップ。今日はここまで!!」
横で見ていた華がストップをかけた。
おっと、もうそんな時間か。
バシュン・・・・・
俺は変身を解いた。
フシュウ・・・・
星南も強化を解いた。
「どう?ウサっちは?」
「・・・・凄まじいスピードで成長してるわ・・・・・。
本気でやらないと私たちが危ないわ。」
「え?だってさっきの光線、ウサっちの最大攻撃技だったはずだよ?
今星南片腕で弾いたじゃん。」
「そうだけど・・・・・・。」
ボタボタッ・・・・!ボタッ・・・・!
「・・・・!」
「片腕で弾いた、その代償よ。」
星南の腕は激しく出血していた。
桜木君・・・・あなたはどれだけの力を隠しているの?
「医務室に行こう。早く治療しないと・・・・。
今日はもう燃料使わない方がいいよ・・・。」
「そうね・・・・。」
「ウサっちーーーーー!!!
あたしたち、先に行ってるからねーーーー!!!」
「お?おう!!」
・・・・・ふう・・・・。
少しは慣れてきたな。
もうちょっとで何かを掴める気がする。
・・・・・さて、今日は早めに寝るとしようか。明日も早いだろうし。
てか、任務はないのか?
これで修行を始めてから五日が経った。
・・・・・・・・・・・・・・さっきの光線は“滅却の矢”と名付けよう。
まーた進行が遅くなりました。
スイマセン・・・・・・・。




