第12話 保護してやる
「はは・・・・これが俺の力か・・・・。」
燃えるように力が湧いてくる・・・・。
はは・・アハハハハハハハ・・・・!
ズキン
「ぁが!!」
全身に電撃のような激痛が走った。
「ぐ・・・・おあああああああああ!!!!!」
ズズズズズズズズズズズ・・・・・・・・
背中に生えた翼が縮んでいき、体の中に戻っていく。
全身に生えた黒い羽毛も肌色に変化して消えていく。
「か・・・・はっ・・・・!
ハア・・・ハア・・・・ハア・・・・・。」
「大丈夫?超術は強大な力だけど、体には凄まじい負担がかかるの。
訓練を積まないと体がボロボロになっちゃうわよ。」
ほ・・・・星南・・・・・。
ゼェ・・・ゼェ・・・・ゼェ・・・・・。
もう・・・・しゃべれ・・・・ね・・・ぇ・・・・・よ。
「もう喋れもしないのね・・・・。
じっとして・・・・。ハッ!!!」
ブウン・・・・・・。
星南の両手が温かいオレンジ色に光る。
それを俺の頭と胸に押し当てた。
フオオオオオオオオオ・・・・・・・・!!!!!
フシュウ・・・・。
「はい終わり。もう動くでしょ?」
お?
おお!
「星南、今のなんd・・・・。」
もうそこに星南はいなかった。
華のところに行ってしまったようだ。
・・・・・・今のは華よりも速かったんじゃねぇの?
「星南もやるでしょう?」
「おわっ!!」
いきなりクルエルが現れた。
「驚かすな!」
「まあ、いいじゃないですか。
そんなことよりも、どうしますか?」
「なにがだ?」
「最初に言ったでしょう。
我々の組織、天界に入りますか?それとも入りませんか?」
・・・・・・・・・あ。
「言っておきますが、今のあなたは超術を発動したばかりで
燃料をうまくコントロールできていません。
それは悪魔を引き寄せることになんですよ?」
わかりやうく言えば・・・・・
「・・・・・“保護してやるから力になれ”ってことか。」
「その通りです♪」
ち・・・・してやられた。
こんなもん断れるわけがねぇ。
さーて・・・・どうするか・・・・。
そこに星南と華が歩いてきた。
「どうしたの?」
「ごめんねー。油断してたわ・・・・。」
「気にしなくていいですよぉ♪
桜木君がぜーんぶやってくれましたから。」
「えぇ!?何系何系?」
興味津々だなぁ、おい。
「変身だ。」
「・・・・・マジ?」
「マジ。」
・・・・・・・・・・・・・・・間。
「ウサっち絶対天界入ったほうがいい!!
超術に恵まれてるよ!!!」
意味がわかんねぇよ。
華はそのままの調子でずーっと喋ってる。
・・・・うるせぇ・・・・。今までぶっ倒れてたくせに・・・・。
「・・・・また明日、同じことを聞きます。考えておいてください。」
クルエルがボソッと耳元で囁いた。
「わかったよ・・・・。」
少しムカつくがこればっかりは逆らうわけにはいかねぇ。
よく考えるしかねぇな。
その夜。俺はまた夢を見た。
今度は親父の夢じゃなく、アモンの夢だった。
『やっと力が発現したようじゃのう・・・・。
だがの、あれは貴様の力のほんの一部にすぎん。
貴様は普通ではないぞ。それを忘れるな・・・・・・。』
アモンはそれだけ言って消えた。
・・・・・・俺は何者なんだ?
・・・・・・わからなくなっちまった。