第5話 ただの変態野郎 その1
2人の関係性の理由がわかる話前編です!
どうぞご覧ください
そう、あのことが起こったのは去年、
高校1年生の冬だった。
店長を初め、先輩や職場の人が優しく教えてくれたこともあり、比較的夜遅くまでの仕事を任せてもらえるようになっていた。
「翼く~ん、今日も遅くまでご苦労さま!
片付けできたら上がっていいからねー」
「あっ、店長お疲れ様です!こっち片付いたら
あがりまーす」
食器を全て片付け、よし!終わったぁぁ!
もうクタクタだ、着替えて帰ろうっと!
ロッカールームに入った俺はふと、机を見ると見慣れない服が置いてあった。
これ誰のだろう、まさか神楽坂先輩の!?いや、確かに一緒の時間までのバイト勤務ではあるが彼女は今更衣室にいるはず!というこ
とはこれは先輩のではないはずだ。
まあいいや、誰のか不明だが着たままの服をそのまま放置は可哀想だし洗濯しといてあげよう!そう思い、俺はその服を自分のリュックに入れ、用を足すため、ロッカールームを後にした。
舞香
あれ?私の服がない、更衣室で着替えようと思った私は上着が1着ないことに気がついた。
おかしいなぁ、全部持って着たはずなのに……
もしかしてロッカールームに忘れたのかも!取りに行こうかな。
この時間なら藤倉がもしかしているかもしれないし心当たりないか聞いてみようかなぁ、そんなことを考えながらロッカールームへと向かった。
「私、服どこ置いたっけー?」
そんなことを思いながら探してる私に衝撃が走る……
待って、これ藤倉のリュックだよね?なんで私が探してた服が入ってるの?これ、ふ、藤倉が盗ってたってこと?あの可愛い後輩がそんなことするなんて、ありえない……でも、この状況盗ったとしか考えられないし……最低…………
そんなことを考えていると呑気に藤倉がロッカールームに入ってきた。
「ねえ藤倉、どうして私の服があなたのリュックに入ってるの?」
「えっ?これ神楽坂先輩のだったんですか!?
あっ……」
どうやら本人も状況がまずいことに気づいたらしい。
「あ、いや、先輩違うんです。これそこに置いて
あったから……」
私は藤倉翼が言い訳口調になったのが許せなかった。やっぱり本当で盗ったんだ……
「普通に可愛い後輩だと思ってたけど女の子の服盗るなんて……ありえない、藤倉それは流石にやばいよ!私、帰るから……」
「先輩、誤解なんです、聞いてください!」
「うん、いやごめん、もういいから……」
私はそういうと足早にロッカールームを後にしたのだった。
後半もほぼできているので今日の夕方頃更新予定です。