第17話 本気の思い
2人の関係はどうなる??ではどうぞ!
ちゃんと全部、私の思いを話そう。
きっと、颯太くんなら伝わるはず。私はそう自分に
言い聞かせた。
颯太くんは私より先にみどりの里公園についていて、煙草を吸って待っていた。
「ごめんね、お待たせ!待ったかなぁ?」
「お!よう、まいかちゃん。まいかちゃんから
呼ぶなんて珍しいじゃん。何か話したいことでも
あんの〜?」
「うん、今日は聞きたいことがあって……
てゆうか煙草っ……」
「あ〜ごめん、大丈夫大丈夫。ちゃんと話は
聞くから」
と言う颯太くんの顔はなんだか私に呆れているようだった。私の考えがどこかおかしいのかな?とも思ったけど、、、今日の私はいつもとは違うから。
「……藤倉に、ね、なにか、言った?」
途切れ途切れになってしまうがきちんと話そう。
「藤倉?あー、あの少年ね。言ったよー。へぇ、
意外に度胸あんじゃん。」
「……ねえ、言ったよーじゃないじゃん!私、全部 聞いたよ?私とは、、遊びで付き合ってるの?」
遊びじゃないと颯太くんに言って欲しかった。嘘でも藤倉に言ったことは誤解だと聞きたかった。少しは期待をしていた。
でも、それが本当に事実だという現実に突きつけられた私は何も考えずただ気持ちを押し付けることしかできなかった。
「私は颯太くんが本気で好き。別れてからもずっと。県外の大学に出てしまってから帰ってくるのを待ってた。だから、帰ってきてくれた時は凄く嬉しかった。それにね、また颯太くんの彼女になれて、デートだって思い出を大切にしてくれて、昔行ってたバッティングセンターに連れてってくれたよね。昔の優しい颯太くんを久しぶりに感じれて嬉しかったよ。……
この公園でねいつもジュース飲んでた。あのデートの日も同じようにしてくれた。やっぱり颯太くんは私の大好きな颯太くんなんだなって思ったよ……でもね…颯太くんは変わったよ。」
「変わった?」
「そうだよ!昔の颯太くんはチャラチャラして
なかった。…煙草だって吸ってなかった。それに
私の後輩にあんなことまでいって!私、家に招待された時、本気で嬉しかったのに。なのに颯太くんは違った。あんな恐い颯太くん初めて見たよ。颯太くんはそんな人じゃない……私昔に戻って1からやり直し
たい。戻るなんてこと無理かもしれない……
でもね、颯汰くんが高校生だった頃みたいにまた一緒に笑い合いたい。。私達ねまたゼロから頑張ろうよ?
……ねぇ、颯太くんは今、 、楽しいの?……」
気づけば私は泣いていた。
沈黙の中私のすすり泣く声が公園に響いたが、ようやく颯太くんは口を開いた。
「……楽しいの?って……楽しいに決まってん
じゃん。で、話は終わり?」
「……え?」
冷たい声だった。優しい颯太くんでもチャラチャラした颯太くんでもどっちでもない颯太くん。なんだかまた恐かった気持ちを思い出した。
「は〜相変わらず重いな。だめなんだって〜それが!!」
「……」
「高校の時からまいかちゃんはそうだよね。思い出を大切に〜とか笑い合う〜とか、寒!大体、戻って〜
じゃねぇよ。最初から俺はこうだったんだよ!
ちょっと仲良くしてやってたらさ、告ってきて、
まぁ可愛いしいいかな〜って感じでOKしたと思ったら理想の先輩像押し付けてきて!先輩なら誰でも
いい〜って感じだったし俺が適当に遊んでやるか〜と思えばガードは固すぎるし。」
「違う!違うよ、颯太くん自身が好きなんだよ!?」
「あれ〜?上の男とばかり仲良くしてた女の子は
誰かな〜?」
「勘違いしてるよ!私は颯太くんに近づきたくて
周りの人とも仲良くしてただけ。誤解だよ!?
だから…誤解が解けるように頑張るから……
そしたら……」
「そしたら?ん?ま、どっちみち戻んないよ?まいかちゃん可愛いよ。可愛いけどな〜遊び相手には
めんどくさすぎかな〜?ヤれない女の子とは付き合う意味が な いの。まだ高校生には分かんないか〜?」
あまりの衝撃で私はもう頭が真っ白だった。帰ってきてくれるって、だから待ってるって約束したのは何?
「てなかんじで、適当〜な理由付けて別れたの。理解できたかな〜?もう面倒なことに付き合うの疲れたし〜、今から何しようかなー」
「待って!」
「なんだよ。」
「じゃあなんで?どうして帰ってきてくれたの?少しでも好きな気持ちがあったからじゃないの?」
「元々、お前に会うつもりで帰ってきたわけじゃねーよ、ただお前見かけた時に男といたからからかってやろうかな~ってね、別れてから1年以上経ってるし、再開して昔を再現したら一発ヤレるかなーと思った
けど、相変わらずガード固いし、でもなんとか時間かければお前、俺のこと好きだしいけると
思ったんだ~」
さらにこう続けた。
「でも普通にヤるだけじゃ面白くないじゃん?
だからお前のこと絶対好きな藤倉ってやつに
まいかちゃんを壊すって言ってさ、精神的にダメージ与えてやろうと思ったのに、あいつにまさか本人に伝える勇気があるとは……やられたよ」
「でも~まいかちゃんきっと素直だから思いを伝えたらきっとわかってくれる!とか思って1人で来たんだよねー?馬鹿だな~本当に馬鹿!よし!やること
きーめた!今から大切に守ってきたもの奪って
やるよ」
そういい、私の手を掴み強引に連れて行こうとする彼、もういいや……私信じてたのに……
でも、ダメだった。私にもうそれを振り切るだけの気力は残ってなかった。
「早くこっちに来い!ほら、そこにっ」
ボコっ!!
目の前には……藤倉翼が、立っていた。
次回、明日投稿予定です。