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女は男を手のひらの上で転がす

冒頭の文は遠藤 周作さんの言葉です。


 "魅力あるもの、キレイな花に心を惹かれるのは、誰でもできる。だけど、色あせたものを捨てないのは努力がいる。色のあせるとき、本当の愛情が生まれる。"


こんな言葉がある。


 けれど君が色あせるようには思えなかった。君と出会うのは今から少し先の出来事だった。

 

  春休みが終わり新学期が始まった。池沢 春馬たちは今年度から南東高校の2年生になる。ちなみに南東高校の学力は県内でも高い方に入る。


  新しいクラスー昇降口の前に貼られたクラス表で池沢 春馬という名前をさがす。1組から順に探していくと俺の名前は3組の上から二番目にあった。


 クラスメイトも確認しようと思ったが、人の波に流されそれは叶わなかった。まだ見ぬ、クラスメイトに思いをはせながらクラスに向かう。


  教室に入ると、既に何個かのグループが出来ていた。おおかた一年生の時に仲のよかった人で集まっているようだった。


 俺は、黒板に貼られた座席表で自分の席を確認した。席は一番窓側の前から三番目。あまり知られてはいないが先生もあまり授業中確認しないのでいい席だ。

 そんなことを考えながら俺は席についた。


 席について間もなく、

「お~、春馬っち また同じクラスになったね!今年もよろしく~」と声をかけられた。


 こいつは川波 奏。俺の幼なじみだ。かなりチャラい。髪は茶髪で身長は春馬とおなじくらい。制服も着崩している。だけど女子には人気。うらやましい…。


「あぁ、よろしくな」と俺は返しその後は担任が誰になるか予想したりで、たわいもない話をして終わった。ちなみに奏の席は俺の後ろだ。


ーガララララ 教室の前のドアが開き、一人の先生が入ってくる。


「今日からお前らの担任になる佐藤 浩だ。主に数学を教えている。一年間よろしく」


佐藤先生、いや鬼藤が担任になったことでクラスがざわつく。まぁ、それも無理はない。佐藤先生は怒ると鬼のように怖い。


 さらに、中学・高校・大学とラグビーをやっており体格がごついし、身長は180の後半くらいだ。ちなみに鬼藤というのはそれらのことを踏まえて生徒たちがつけたあだ名だ。


「今日は、1日まるごと使ってクラスのことについて決める。あとは…そうだな、雑巾もってきたやつは教卓の上な」と鬼藤が言い終わるとタイミングを見計らっていたかのようにチャイムがなった。


 ホームルームが終わると皆が一斉に愚痴をいい始めた。


「鬼藤かよ~まじで2組いきたいわ~」


「それな~」


「鬼藤とか怒鳴ることしかできないのかよって思うくらい怒鳴るよな~」


「ガチで嫌なんだけど」


などといった会話が繰り広げられる。


  そんな中それに参加しないのはクラスでも数人だった。奏と俺。そして浅岡 芽衣だ。


 浅岡はクラス、いや学年でもトップクラスで可愛いし、成績も優秀だ。髪はセミロングで黒色。ちなみに俺はロング派なのでこれもポイントが高い。こういう悪口に参加しないのにも好感が持てる。まぁ、俺は鬼藤嫌いだけど…。


  確か次の時間は学級委員決めだったはずだけど浅岡は、優等生だし女子の学級委員は決まったようなもんだな…。


「お~し、じゃあ学級委員決めからするぞ。この後の進行は学級委員にやってもらう。やりたいやついるか?」


「「「・・・」」」


「じゃあ、推薦で決める」


「「「え~」」」


「もう決まったことだ。じゃあ誰が学級委員にふさわしいと思うかいってもらう。推薦あるやついるか?」


「は~い、浅岡さんがいいと思います。リーダーシップもとれるので浅岡さんが学級委員たと安心です」


「私もそう思います。」続々と浅岡さんを推薦する声があがる。


「じゃあ、浅岡を推薦する意見が多くあがったから浅岡が学級委員でいいな?」


「「「はーい」」」


「じゃあ、次に男子の学級委員決めるぞ。意見あるやついるか~?」


「は~い!、春馬くんがいいと思います。理由はいつも皆に優しく、気遣いができるからで~す」


「おい奏!俺は学級委員したくないぞ」


「え~いいじゃん。浅岡さん可愛いし。」


「そういうことじゃ」言い終わる前に鬼藤の声に遮られる。

「お~し、全員静かにしろ。じゃあ、男子は春馬、女子は浅岡だな。じゃあ二人には前にでてきてもらって司会進行をしてもらう」


え、もう決まったの?


「ほらほら、学級委員さん前にいかないと」奏に言われるがままに前に行くと、既に浅岡さんが待っていた。


「よろしくね池沢くん!」と満面の笑みを浮かべながらいってくる。か、可愛い…。


「うん、よろしく」と返事を返す。


すると、浅岡さんは俺にしか聞こえないくらいの声で

「池沢くん、頼りになるから学級委員になってくれて嬉しい」

といってきた。俺は自分の体が熱を帯びていくのがわかった。多分いま、顔真っ赤だ。


「じゃあ、司会進行よろしく頼むぞ。あとは任せる」

俺らは委員会や学級の係を決めていった。


◇◇◇


  一通り、決め終わり俺たちは席についた。疲れたので少しボーッとしていると、「春馬っち、よかったね~浅岡さん春馬のこと頼りになるっていってたね~」と後ろから奏が話しかけてくる。


俺はかなり動揺し、クラス全体に聞こえるくらいの声で、

「いや、別にどうでもいいし!」といった。


 ・・・嘘です。浅岡さん俺のこと好きなんじゃね?って思ってます。去年も廊下ですれ違うたびに挨拶をめっちゃ笑顔でしてきたし…。というかクラスメイトの視線がきつい。


 鬼藤まで、お前どうした?みたいな表情でみてきてるよ…。

「でも、浅岡さん彼氏いるからね~春馬っちには恋愛感情はないみたいだよ~」


俺は、奏に言われたことの意味を少し考える・・・


「リア充爆発しろ…」俺は小さく呟いた。

 だんだんと面白くなってくると思うので(自称)次話もよろしくお願いします(笑)

※6月3日に大幅な修正をしました。

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