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忌み子なぼっち王子様を手なずける方法  作者: 佐伯さん
第六章 さようなら、王子様
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王子様と魔女様の話し合い

短めです。

「シャハトの現状を父上に報告したんだけどね」


 ヴィレムに頼んだ材料を調達してもらって、薬作りを始めた頃。アレクは私達の下を訪ねてきた。


「個人的に親交のあるシャハト国王の身が害されているのは誠に遺憾ではあるが、王という立場上そう簡単には動く事が出来ないらしい」

「まあ助力を願えるとは思ってなかったから」


 流石にトーレス国王が表立ってシャハトの問題に介入出来る訳がないのだ。それ相応の理由がないと動けない。

 動かぬ証拠と動かざるを得ない理由があって、漸く動けるといった感じだし。


 そこが肩書きと立場の面倒臭いところだよなあ、という感想なのだけどね。私は自由に動くから、極論フィデリオを死なせたように見せ掛けてお引っ越しさせるとかしても良い訳だし。

 ……というかそれ実行しちゃ駄目かなあ。王座に息子達が就くのが難点だけど。


「……そういえば、エド君のお兄さんって王妃の言いなりなの?」


 そこが問題なんだけどね。

 基本的に王が亡くなった時は王位継承権のある第一王子が継ぐ。幼かったらまた違うだろうけど、エド君より年上なのは間違いないから、そうなる筈だ。


 王位に就く王子が王妃の傀儡なら目も当てられない事になりそうなのだけど。


「そうだね、王位継承権を持つクリストファーは王妃に従う、らしい。第二王子のブルーノにそういう噂を聞いた事はないよ」

「……俺は離宮に居たから何とも言えないが、王太子が王妃の言いなりだと侍女達が話しているのは、聞いた事はある」

「ダメダメじゃん」


 大丈夫なのだろうかシャハトは。いや大丈夫じゃないからあんな事になってるんだろうけどね。

 どうしてこう、人の欲望は際限ないんだろうな、と思う。私も人の身であったから分からなくはないのだけど。


「うーん、その第二王子がどちら側なのかにもよるよね。もし国王側なら、助力願えるのでは?」

「どちら側にも与してないように思われているのなら、巻き込まれたくない、と思っているかもしれない」

「むむ。意思確認出来れば良いんだけど」

「偽らないとも限らないだろう」


 そうなんだけどさあ。……うーん。どうしたものか。

 一番としては、フィデリオを治して国王の権威を取り戻し、王妃の罪を問い、王太子は再教育若しくは場合により第二王子に継承権を移す。それが望ましいとは思うものの、王妃の罪を暴くのが難題である。

 内通者が居れば話は早いんだけど。


「その辺りはフィデリオに聞いてみたら良いんじゃないかな。ある程度は知っているだろうし。薬を渡しに行く時に聞いてみるよ」

「薬を渡すのは良いけど、急激に回復する訳ではないし、させちゃ駄目だよリア」

「分かってる。怪しまれちゃうし、効いてないと分かったら別の毒を使うなり直接暗殺に踏み切るかもしれないもの」


 死ぬまでにあまり時間がかかると、王妃が痺れをきらせて直接手段に出るかもしれない。かといって治してしまえば本当に直接手段に出る可能性がある。その辺り難しい。

 治さない訳にはいかないけど、手を出させる訳にもいかない。本当に微妙な立ち位置に居るんだよね。


「対策はまだ纏まらないから考えるとして、取り敢えず治す薬と、毒中和の為の薬を用意するから渡すよ」

「そうだね。シャハト国王の意見も聞いておきたいし」


 まあそんな訳で、今回は対策に進展もなくお話は終わってしまったのだけど……。

 エド君は、少し顔色悪そうにして、あまり話に参加しなかった。


更新遅れました。二月中に終わったらいいですよね(希望)

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