表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ひねくれ者の異世界攻略  作者: FALSE
〈閑章 移りゆく年と変わらない日常〉
75/180

人化事件〜the accident of changing from a pet to a person〜




えーどうも、今回の事件の語り部をさせてもらう、

御影優人です。




では早速事件について話をしたいと思います。


事件、と言うより事故に近いそれは

ちょうど夢の中であの神に会った日の翌朝、

唐突にして始まりました。
















―――――――――――――――――――――――

―――――――――

―――――

――






神・ウルシアと夢で出会った翌朝、

優人は新たなアイテム『イクスチェンジャー』と

『魔力接続機』を収納に入れリビングに向かっていた。



「あ、ユートおはよう!!」


「師匠、おはよう」


「ああ、おはよう」




リビングのテーブルに腰掛けていたナナ、イリスは

階段から下りてくる優人を見るや否や挨拶の言葉を

口にする。優人もそれに応じる。



空いている席に座ると、台所の方から歩いて来た

リアも2人と同様、優人を見るとすぐに挨拶をする。




「ユート様、おはようございます」


「おはよう、リア」


「すぐ朝ごはんの準備をしますのでお待ち下さい。

飲み物は紅茶で宜しいですか?」


「あー、うん、それで頼む」


「かしこまりました」




リアがもう1度台所の方に歩いて行く。



「ナナ達はもう食べたのか?」


「うん!!ユート起きるの遅いんだよー?」


「久々に自宅で寝れるんだ、ゆっくりしてもいいだろ」


「師匠、怠け者?」


「そ、そんな事ないぞ?ただ、人間というのはな」


「うん、大体分かった、もういい」


「い、イリスに呆れられた………………」


「ユートって本当にイリスちゃんに甘いというか。

……………そういう趣味?」




イリスに軽くあしらわれ、見てわかるほどに凹む優人。

さらにナナにロリコン疑惑までかけられる。



そんな所でリアが朝食のパン等を持って戻ってくる。

テーブルで項垂れている優人を見かけて一瞬驚いた

表情を浮かべたが、それはすぐに困り顔に変わる。




「ユート様、朝食の準備が出来ましたから

顔をあげてください」


「リア〜、俺は怠け者じゃないよな?」


「………………はぁ、なるほど。

ユート様はそんな事ないですよ?

だからご飯食べてください」



リアが大まかな状況を理解し、優人を宥めて

食事をするように促すのだった。



















―――――――――――――――――――――――





「―――――――――はぁ、神様がこんなアイテムを」




食事を済ませた後、優人は例の物を2つ共テーブルの

上に置き、皆に事情を説明した。

その上でこれらの使用法を考えよう、という事だった。




「とりあえず、色々使ってみたら?」




と、ナナの提案。

かなり安直だが今回に限っては良い案だ。




「そうだな、とりあえず使ってみるか。

で、何を入れてみる?」



そう言いながら優人はイクスチェンジャーに

手をかける。

まるで真っ黒な電子レンジであるかのようなそれは、

どうやら使い方も見た目通りらしく開け口が

片開きで右開けになっている。



「なら、ジュースを作ってみたい!!

グルーパの実が多分あったと思うし、ね?リアさん」


「うん、たしか余っていたと思う。

ちょっと取ってくるから待ってて」



リアが駆け足で台所に取りに行き、

すぐに戻ってくる。




「じゃあ、それをこの中に入れてっと

………………あれ?」




リアからグルーパの実を受け取り、それを

イクスチェンジャーの中に放り込んだ優人は

扉を閉め、横のディスプレイの様なものを見る。

しかし、そこには何も映らない。



「何も、出て来ませんね……」


「もしかしたら、他に何かいるのかもな」


「師匠、グルーパジュースは、水もいる」


「あーなるほどな」



優人は紅茶の無くなったカップに向けて

アクアボールを最小限の威力で打ち込む。

そうして手に入れた水を再度イクスチェンジャーの

中に放り込む。


すると横のディスプレイに『グルーパジュース』の

文字が浮かび上がる。




「おお、本当に文字が出てきた」


「へぇ〜、これはすごいね!!」


「こんな物があるとは、驚きです」


「師匠、早く」


「そう慌てるなって」




優人は浮かび上がった文字にタッチする。

するとディスプレイの表示が切り替わり、

長々と説明文が書かれた画面が現れる。

その右下端に『生成』の文字が見て取れたので、

とりあえずそれにタッチしてみる。



『生成品が完成しました』




「早っ!?予備動作なし!?」


「ユートもそういう風に驚くことあるんだね!!」




画面に表示された『完成』の文字に、

優人は思わず声を出して反応してしまう。


それとは逆に、真顔で驚く気配さえ見せないイリスは

扉を開けて水の入っていたカップを取り出す。

少しだけ口付けし、味を確認したのかすぐに

カップをテーブルに置いて言葉を発した。



「本当に、グルーパジュース」


「…………すごいな、この速度で生成出来るのか」


「ねえねえ!!他にも何か作ってみようよ!!」




異様にテンションを上げたナナが、

身を乗り出してそんなことを口にする。

どうやら他のみんなも賛成なようで、

優人の方に目線を向ける。



「あーそうだな、色々やってみるか。

とりあえず何か材料がいるけど――――――」




と、思い立ったように収納から様々な物を取り出す。

王国で買った食材やモンスターの素材、

道の途中に生えている草や花など、それはもう様々だ。



「とりあえずこれで試してみるか?

ちょっと俺はトイレ行ってくるから、

その間に色々やってみてくれ」


「うん!!ナナ頑張っちゃうよー!!」


「リア、私とフォローする、準備だけしておいて」


「わかったよ」


「何でナナが失敗する前提なの!?

イリスちゃん防御の構えとるのやめて!?」




いつものナナいじりの始まりを見届け、

優人はトイレに向かった。













―――――――――――――――――――――――




「―――まさか、こんなのが出来ちゃうなんて……」



優人がトイレに行ってから1分たったかたってないか

ぐらいで、ナナ達は1つのアイテムを生成した。

その名前は『人化水』。


読んで字のごとく、人以外の生き物がそれを

口にすると人の肉体に変化するという代物である。

ちなみに効き目は1日で切れ、元に戻る。




「何でこんな物を作っちゃったんだろ………」


「ナナが適当に入れて、適当に画面に触れたから」


「う…………反省してるよ、ごめんね」


「ま、まあまあ。

何事も無かったんだし、ナナを許してあげても

いいんじゃない?反省してるんだから」


「別に、怒ってない。

ただ、これどうするの?」


「…………ユート様に聞いてみるべきかな」


「うん、それまでここに、置いておく」


「そうだね、そうしよっか?」


「じゃあ、私は家事があるので」


「確かお風呂掃除だったよね?

ナナも手伝うよ!」


「ううん、私1人で出来るから」


「いや、絶対に手伝うから!!

昨日帰ってきたばっかりで、いきなり働くのも

しんどいじゃん?

ナナもうやるって決めたから!!

さあ行こー!!」


「ちょ、ナナ引っ張らないで服伸びちゃうから!!」




ナナがリアの手を取り足を進めようとする。

リアは椅子に引っかかったメイド服を掴まれていない

方の手で懸命に外しながら、ナナに引っ張られていく。





「………私も、日記書こうかな」




1人取り残されたイリスは、寂しさから逃れようと

2階の自室に戻っていった。










それからすぐして、


「――――――ふぁぁぁ。

あれ、誰もいないの〜?」



イリスが自室に入るのと入れ替わるようにして

ソフィアがリビングに飛んで来る。



「…………あれ、人化水じゃない?

もしかして、ち〜ちゃんに飲ませるのかな?

ならアタシが先にあげてきちゃおっと。

どうせそのまま散歩でもいくつもりだったしね〜」




よっこらしょ、と人化水の入ったビンを両手で

持ち上げると、そのままフラフラと開いていた

天窓から外に飛んで行くのだった。











「――――――何で誰もいないんだよ…………」



無人のリビングで優人の声だけが小さく

木霊するのだった。

















―――――――――――――――――――――――




「ユート様、ただいま戻りました」


「ユートただいま!!」




テーブルでイクスチェンジャーにあれこれ

物を入れている優人とイリスに風呂掃除が

終わった2人が戻ってきて声をかける。



「おう、イリスから聞いたけど、風呂掃除だっけ?

お疲れ様」


「うん!!」


「ユート様、紅茶を用意いたしましょうか?」




さっきまでグルーパジュースが入っていたカップを

見て、リアがそんな提案をしてくる。




「そうだなそれじゃあ―――――」




――――――ドンドンッ。ドンドンッ。



「ん?客か?」



玄関扉を叩く音がリビングに響き、それを聞いた

リアが即座に対応するように玄関に向かう。




「はい、どちら様ですか?」


「チー、です」



玄関扉越しにリアが尋ねると、聞き覚えのない声が

返事をする。



「…………ユート様、どうなさいますか?」


「まあ、何かあるんだろ。

索敵に反応はないから、入れても大丈夫だ」


「かしこまりました」



リアが玄関扉を開けながら、外にいるらしき

人物に声をかける。



ガチャッ。



「はい、どうぞ中へ――――――」




――――――バタン!!ガチャッ!!




「はぁ、はぁ、はぁ………………」


「お、おいどうしたんだよリア!?」



開けたと思った途端に勢いよく閉じ、

鍵までかけ、さらには扉を全身で抑えるリア。

余りに異常な行動を取るので、優人は無意識のうちに

駆け寄っていた。




「は、は…………」


「は、がどうしたんだ!?」


「裸の女性が立ってました!!」




リアの発言に、近寄った優人の顔、

テーブルに座ったまま2人を見ていた2人の顔、

その場の空気さえも凍りつく。



「…………聞き間違いじゃないよな?

ごめんリア、もう1回言ってくれ」


「ですから、裸の女性が外に立っていたんです!!」


「……リアの事を疑う訳じゃないんだけどさ、

見間違えとかじゃないのか?」


「いえ、あれは確実に裸の女性でした」



落ち着きを取り戻しつつも真剣な目で訴えてくるので、

優人は1度状況を整理しようと試みた。




(リアの事を信じてないわけじゃない、

でも女が裸でどうしてここに来るんだ?

まず、どうやったら裸でここに来れるんだよ、

人目を避けてとか無理だろうし、

わざわざここまで来てから脱いだのか?)



「リア、服は持っていたか?」


「いえ、持っていませんでした」



ドンドンッ。――――――何で閉めるんですかー?

ドンドンッ。――――――開けてくださいよリアー?



「な、何で私の名前を…………」




扉越しに自分の名前を呼ばれた事によって、

リアは再び焦りの表情を浮かべる。

それが見て分かるように頬を冷や汗が伝っていた。



「やっぱり、お前の知り合いなんじゃないか?

ほら、メイドの時に知り合っていたとか…………」


「し、知りません!!

私の知っている人の中に、薄茶髪ショートで

あんなにスタイルのいい女性はいません!!」


「そ、そうか。

…………リアが認めるほどのスタイル……」


「…………ユート様?」


「あーいや、何でもない。

…………って、よく考えたらこの状況まずくないか?」



自宅の前に裸の女性が玄関扉を叩いている光景を

もし誰かが偶然にも発見してしまったらどうなるか、

誰でも容易に想像がつく。



『あそこの家の家主は女性を裸にして外に放り出す

趣味を持ってるらしいわよ?』


『まあ、何て変態なんでしょう。

あそこには近づかない方がいいわね』




(…………それは困る!!

俺のイメージが変態になるのだけは!!)




「り、リア!!今すぐその女性を中に入れろ!!」


「……………………」



優人の発言にその場の全員が顔を引き攣らせる。



「ど、どうしたんだよ?

俺、何か変な事言ったか?」


「ユート様……そんなに女性の裸が見たいんですか?」


「あ」



迂闊だった。

優人は出来るだけ焦燥している感情を隠し、

真剣な表情を作ってリアに話しかける。



「違うぞ、リア。このまま裸の女性を外に放置

しててみろ?ここの周囲を通りがかった人に見られ、

『あそこの家主はきっと変態よ』

ってなるだろ?」


「…………そうですね。

でも、ユート様は出来れば見ないで頂きたいのですが」


「あ、ああもちろん。絶対見ないようにする」



優人はすたすたとテーブルに戻り、玄関扉と

逆の方向を向く。



「これでいいだろ?」


「ナナ、目隠しをお願い」


「うんわかった!!」



ナナが優人の背後に周り、手で目を覆う。

ただ、その体勢ではどうしても後頭部に

柔らかいものが押し付けられる事になってしまい、

結局そういう事になるのか、と優人はため息をつく。



「じゃあ、入れますね」



――――――ガチャ。



「お待たせしました、どうぞお入りください」


「遅いよ、リア」




その女性の声はセシリアのものよりも低く、

それに反して透き通っていた。




「と、とりあえず服着てください」


「服は持ってない」


「…………は?」


「これ、纏って」



困り果てていたリアにイリスがすかさずフォローを

入れ、その女性に掛毛布を1枚渡す。



「ありがとう、イリス」


「…………私の名前、どうして?」


「ねえ、ご主人様は?」


「…………え?ご主人様?」




女性は毛布を纏い、周囲をキョロキョロする。

謎の人物『ご主人様』という単語の出現により、

リアとイリスは脳内でプチパニック状態だった。




「おーい、もうそっち見ていいのか?」


「えーっと、はい一応大丈夫です」




と、優人がリア達に声をかける。

しかしその声に反応したのはリアだけでは無かった。



「その声…………ご主人様!!」


「なっ、ちょっと待って!?

ナナ!!その人を止めて!!」


「ええっ!?急すぎ―――――きゃぁっ!?」


「お、おわっ!?」




女性は優人の元へ一目散に駆け出し、

目隠ししていたナナを突き飛ばして優人に抱きつく。

走ったせいで纏っていた毛布は床に落ちたため、

優人は裸の女性に抱きつかれているという状況である。



(や、柔らかいものがまた頭に…………ん?

柔らかいもの以外も当たって―――)



「――――――ってユート様から離れなさい!!」


「え、いやご主人様!」



リアが毛布を片手に女性を強引に引き剥がし、

優人から距離を取る。














―――――――――――――――――――――――




「…………で、どうしたらいいんですか?これ」



リビングのソファには優人が座り、その横で

女性が眠っていた。もちろん毛布は纏っている。



「全く状況が掴めないんだよなぁ。

俺をご主人様って言うし、みんなの名前知ってるし」


「でも誰もこの人の事を知らないんだよね……」



ピタリ、と音が止む。

その静寂をすぐ破ったのはナナだった。



「それにしてもさ、この人すっごい美人じゃない?

髪の艶もそうだけど、すごいスタイル良いよね?」


「私も、すごいと思った」


「まあ、確かに美人の部類だろうな」



そう言うと、テーブルに座っていた

3人が優人に全力で振り向く。

と思ったら3人で何やらヒソヒソ話し始めた。



「な、何だよ3人共」


「ユート様は」


「ん?」



3人の意見を代表するように、リアが口を開く。



「ユート様は、こういう女性が好みなんですか?」


「き、急だな…………。

まあ、好みというよりは美人だなって思う程度かな」


「そ、そうですか…………」



安心したのか、3人共が椅子に座り直した。

どれだけ気になってたんだよ、その事。



「ん………………あ」



そんなタイミングで、女性が目を覚ます。



「ああ、目覚めたか。

急に眠たいとか言って寝始めたから驚いたぞ?」


「ご、ごめんなさいご主人様」



薄茶色の短髪を揺らし、女性が頭を下げる。

低い声に似合わないその仕草は、女に耐性のない

男なら確実に落とせるレベルの可愛らしさ、

いわゆるギャップ萌えというやつだ。



「ま、まあ別にいいよ。

ところで、名前は?」


「名前はチーだよ、ご主人様」


「そ、そのさ。ご主人様ってどういう」


「ご主人様はご主人様だよ?」



女性が不思議そうに首を傾げる。

肩にかかっている毛布が少しはだけてする

その仕草に、優人は思わず見とれてしまう。



「ちょっとユート?何その人に見とれてるの?」


「あーいや、これは」


「師匠、浮気?」


「う、浮気!?まて、浮気ってどういう事―――」


「ユート様」



静かに席を立つリア。

これはやばいと、その場にいたほぼ全員が

危険信号を察知する。



「ど、どうしたリア……」


「そう易々と女性にうつつを抜かすのはどうかと

思うのですが、ユート様はどうなさるおつもりで?」


「え、えっとだな、その……」


「はぁ………」



リアがため息を吐きながら、着席する。

いや、ほんとリアさん恐ろしい。ブルっちゃう。



「ねえご主人様?」


「どうした?」


「今日は、出掛けないの?」


「ん?…………今日は特に予定ないな」


「あー、ナナは予定あるよ?

イリスちゃんとちょっと出掛けてくるんだ」


「私の、家に行くだけ、なんだけど」


「ナナとイリスは出掛けるんだ。

じゃあ、今日も私に乗っていく?」


「「「「え?」」」」




チーの発言に、4人が同時に驚愕の反応を示す。



「の、乗るってお前にか?」


「うん、そうだよ?いつものように」


「い、いつものように?」



優人は頭の中で一度整理する。



(突然現れた、衣類を持っていない女性。

名前はチーだと言うこと、それにいつも俺らが

乗っている?……………………まさか!?)



「お前、まさかちーちゃんか!?」


「うん、そうだよ?」


「「「ええ!?」」」



優人の導き出した答えに3人がさらに

驚愕の声を上げる。



「あ、でもそう考えたら確かに服を着ていないのも

納得いくし、チーって名前も」


「ああ、ちーちゃんから来てるよな」


「でも、どうして」


「イリス、もしかしたらアレが…………」


「……まさか。いつ、だれが、どうやって」


「イリス、リア、どうした?」


「ユート様がトイレにいった時に偶然出来た

アイテムに『人化水』というものが出来たんです。

テーブルの上に置いていたのに、

気がつけば無くなっていたのでユート様が

収納にしまったものだと思っていました」


「いや、俺はそんなの知らない」


「となれば、私達が目を離した隙に誰かが

ちーちゃんにそれを飲ませた、と言う事になりますね」


「いや、誰だよ……」



話についていってないナナを他所に、

3人が色々と思考を巡らせる。

しかし1人の発言によってそれも徒労に終わる。



「私、誰か知ってるよ?」


「…………あ」




一番手っ取り早い方法、本人に聞くという

手段を頭から消していた優人は、ちーちゃんから

言われたその一言でその事を思い出した。



「えっと、ちーちゃん?

誰がそれを飲ませたんだ?」


「それはね、ソフィアだよ?」


「たっだいま〜〜」




ちーちゃんの口から聞こえた名前の持ち主が、

天窓からふらふらと飛んで帰ってくる。



「何だ〜、みんな集合してたんだね〜?

おっ、そのカワイイ子はちーちゃん?

いや〜、先に『人化水』飲ませておいて良かったよ〜」


「ソフィア…………」



優人のその呟き声を察したのか、リアがちーちゃんを

テーブルに座らせる。

ナナもイリスも察したようで、その場から動こうとしない。



「どうしたのユート〜?

あっ、お礼がしたいの〜?もうアタシ嬉しいなぁ〜」


「勝手なことするんじゃねーよ!!!!!」














―――――――――――――――――――――――

―――――――

――――

――









その後、もちろんの事ながらソフィアを

捕まえて1日中ロープで縛り付けの刑にしました。


本当に、余計なことばかりするお節介精霊です。

結局、人化したちーちゃんは翌日の朝に元の姿に

戻り、言葉を発することは無かったのですが

ナナは「ちーちゃんともっとお話したかった!!」

と駄々をこねていました。



以上で今回の事件は終わりました。

この事からの教訓は

「人化水は人前では絶対に使わない。

変態と思われたくない」

です。





長文で失礼しましたm(_ _)m

読んで下さった方、お疲れ様です。

次回投稿12/29(木)13:00予定です



※感想、レビュー、誤字、意見等ありましたら

何でもお申し出下さいm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ