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ひねくれ者の異世界攻略  作者: FALSE
〈2章 海上都市セイルペイス編〉
69/180

21話





「…………これで、本当に確実に御影優人に

復讐出来るんでしょうね?」


「ええ、それ(・・)を使えばね」


「………アハハッ。

これで、これでやっと復讐出来るわ!!」



――――――グァァァァ。




部屋に、女性の声とおぞましい声が混ざって

響き渡るのだった。
















―――――――――――――――――――――――





ニレの家に皆で初めて訪れてから、

毎日通うようになっていた。


と言うのも、ナナが

「ニレちゃん1人だと寂しいと思うから、

毎日みんなで遊びに行こう!!」

と提案したのだ。


もちろん優人は「行き過ぎは迷惑だ」と却下した

のだが、イリスにねだられてしまい

仕方なく行く事にしたのだ。




コンコンッ。―――ガチャ。



「ニレちゃん!!遊びに来たよー!!」


「はい、皆さんようこそ」


「悪いな、毎日毎日」


「いえいえ、私も皆さんが来てくれて嬉しいです」




いつものように、ニレがテーブルの方に案内していく。



「ニレちゃんって本当にいい髪の毛だよねー?」


「そ、そうですか?

ナナさんのには及びませんよ」


「ううん、ニレの髪、綺麗」




そう言ってナナとイリスは、ニレの水色の髪の毛を

優しく触っていく。


ニレもナナ達に慣れたのか、

触れることに全く抵抗を見せなかった。



ニレの見た目はイリスより小さく、

青い髪、青い目で海棲族特有の鱗を持っていた。

ただ胸はイリスよりはあるようで、

先日その事でイリスが悔しがっていたのを覚えている。




「皆さん、お昼ごはん作ったので食べていって下さい」


「ニレちゃんの手作りかぁー!!

どんなのが出てくるのか楽しみだなー」


「ニレ、運ぶの手伝う。リアも手伝って」


「わかった。ほらソフィア起きて」


「ふぁぁぁぁ〜い」



リアがソフィアの背中を軽く叩いて起こし、

優人は並べられていく料理を眺める。











食事を終え、一息ついた時だった。



「師匠」



イリスが膝の上に乗ってくる。

しかし、いつもとは少し異なる雰囲気だった。



「何かあったのか?」


「空中にいる精霊が、騒がしい。

港町で何か、起きたみたい」


「そうか、ちょっと待ってろ」




優人は意識を集中し、索敵スキルを使う。

MPを使用しながら範囲を広げていくと、

ナルズの町の北側に大勢の敵の反応が見られた。



(確かに異常だろうな。

モンスター達がこんな大勢で1箇所を攻めて来るとは

思えないし、それに……)



「師匠、何かわかった?」


「ああ、ナルズの北側で敵が集団で襲ってきている

みたいだ、ただ様子が少し変かな」


「集団で、って事?」



さすがイリス、話がわかってらっしゃる。




「ああ、ちょっと嫌な予感がするんだよな。

…………様子見に出掛けてくる」


「なら、私も」


「様子見に行くだけだし、俺1人で十分だろ?」


「………むぅ」




優人がそう言うと、イリスが頬を膨らませ

いかにも文句があるような表情をする。

天使、ここに降臨しました。



「…………わかったよ、連れていけばいいんだろ?」


「うん。ありがと」


「なになに?何の話をしてるの?」


「ナナ?そっちに行くのは手を拭いてからだから」




皿洗いが終わった様で、ナナがこちらに歩いてくる。

リア、ニレもそれに続いていた。



ナナ達まで連れて行くと少々厄介事になりそうだと

感じた優人は、とっさに思い付いた事を口にする。




「あーいや、俺とイリスで出掛け―――」


「非常事態」



やられた、と優人は思った。

考えていたことが一言で台無しにされるとは

さすがの優人でも予想出来なかったようだ。



「え?非常事態?」


「おいイリス、それは無いだろ…………」


「仲間外れ、良くないよ?」


「いや、でもなぁ」


「ユート様、何かあったのですか?」




優人の表情を伺いながら、リアが聞いてくる。


それで諦めがついたようで、優人はナナ達に

話をし始める。



「あー、ナルズに敵の集団が近付いているみたいでな。

ちょっと様子を見に行こうと思ってたんだよ」


「ならナナも行くよ!!」


「もちろん私も行きますよ、ユート様」


「そういうと思ったよ………。もう好きにしろ」


「えっと、私はどうしたらいいですか?」



ニレが困った顔で尋ねてくる。



「そうだな、ここにいたらまず安全だろうし、

ここに居てくれればいいよ」


「はい、じゃあそうしますね」


「ああ。…………そろそろ出かけるか、

みんな準備してくれ」




それぞれが準備を整えたのを確認し、ニレの家を出た

優人達は急いでナルズに向かうのだった。

























―――――――――――――――――――――――




「おい、マジかよ…………」


「師匠、あれは一体……」


「ユート、ナナちょっと怖いかも……」


「わ、私もあれは恐ろしく感じます……」


「ね、ねぇユート〜?あ、アタシ帰っていい?」




ナルズの町の北側に辿り着いた優人達が目にしたのは、

人の顔をもつ化け物の集団だった。








ナルズの北側から襲い来る化け物。

得体の知れない者(?)を目の前に、

優人達はどうするのか?

次回投稿12/21(水)13:00予定です

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