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ひねくれ者の異世界攻略  作者: FALSE
〈2章 海上都市セイルペイス編〉
68/180

20話

※訂正とお詫び



17話において、優人がニレに使用した魔法を

『フルデトス』に変更しました。

勝手ながら誠に申し訳ありませんm(_ _)m




グラシアとの一件の後、優人は都市の入口の

門にいる職員に会っていた。




「すいません、ちょっと聞きたい事があるんですけど」


「何でしょうか?」


「2週間ほど前から今までで、

ルークラート王国の騎士隊の出入りは無かったか?」


「えっと、騎士隊ですか。

私が覚えている限りでは無いので、

夜番の人なら知っているかも知れません。

少々待ってもらえますか?」


「ああ」



職員が休憩場所と思われる小さな建物に入っていく。






数分たって、職員が戻ってきた。



「夜番の人の話だと、2週間前に騎士隊の方々が

大勢で出て行かれたそうです」


「そうか。わざわざありがとう」


「いえいえ」



職員に礼を告げ、タワーに向かって歩き出した。














―――――――――――――――――――――――




「あー、何かもうめんどくさいなぁ」


「ユート様、だらけすぎですよ」




自室に戻ってきた優人は、リビングの

ソファでくつろぎ、全身の力を抜き切っていた。




「だってさ、騎士隊がこの都市の外に出てるんだぞ?

どこ探せばいいんだよ……」


「確かにそうですね。

…………紅茶、おかわり淹れておきますね」


「ん、ありがと」




―――コポコポッ。


紅茶がカップに注がれる音が

リビングに心地よく響く。



湯気が立つカップを手に取り少し冷まして、

優人は飲もうと口を近付ける。

その時、ふと思ったことを先に口にした。




「そう言えば、ナナ達は?」


「お風呂に入ってますよ」


「3人でか?また珍しい」


「イリスが珍しく一緒に入るのを許したそうですよ?」


「はぁ、何かいい事でもあったのかな」


「わかりません、ただの気まぐれじゃないですか?」


「ま、そういう日もあるのかもな」




ズズ、と手に持っていた紅茶をすする。




「あ、そういえば」


「どうかしましたか?」


「いや、ナナ達が風呂から出たら皆で

出掛けたい所があるんだよ。

リアも、そのつもりでいてくれ」


「そうですか、かしこまりました。

ナナ達にも伝えておきますね」


「ああ、頼んだ」




優人は残りの紅茶を一気に飲み干し、

少し仮眠をとることにしたのだった。














―――――――――――――――――――――――






コンコンッ。




「はーい、どちら様ですか?」


「あー、御影優人だ」


「ユートさんですか?どうぞ」




中からニレが玄関扉を開けてくれる。




「ユートさん、こんにちは」


「ああ、こんにちは。

ちょっと人数いるんだけど大丈夫かな?」


「ええ、大丈夫ですよ」




ニレの案内で、優人達は次々と家の中に入っていく。




全員がテーブルに着席したところで、

ナナが話を切り出す。




「えっと、初めましてだね!!

ナナの名前はナナって言うんだよ、よろしくね!」


「私は、イリス。

ナナと違って、バカじゃないから、安心して」


「私はリアと言います。

ユート様のメイドをやらせて頂いています」


「ど〜も〜。アタシはソフィアだよ〜!

ユートと契約している大精霊だよ〜!」


「初めまして。

私の名前はニレといいます。

トリノの妹です」




ニレが自己紹介をした所で4人の顔が固まる。

ナナに至っては優人の顔をちらちら見ていた。


気持ちはわかるがそっとしておいて欲しい、

と優人は思ったが口にはしない。




「さて、自己紹介も終わったところだし

俺からニレに報告だ、ちゃんと伝言は伝えてきた」


「え、もうですか?

なんと言っていいか、ありがとうございます」


「ユート、何の話をしてるの?」


「ちょっとした世間話だ、気にするな」


「師匠、最近勝手に動き過ぎ」


「まあまあ、今回は大目に見てくれよ、な?」


「…………今回、だけ」


「えっと…………?」




優人とイリスの言い合いに、ニレが

少し困ったような顔をする。


それを察してなのか、ナナが助け舟を出すように

発言をする。




「あ、そうだ!ニレちゃんって今何歳?」


「先月で14になりました」


「私と、一緒」


「そうなんですか!

それならイリスさんと話しやすいですね」


「同い年、敬語いらないから、ニレ」


「いや、この喋り方の方が楽なので

このままでお願いします。すいませんイリスさん」


「ううん、いい。好きにして」


「ありがとうございます。

…………あっ、そうだ」


「?」



何かを思い出したかのように席を立ち、

2階に駆け上がっていった。




少しして、ニレが見慣れないデザインの靴を

手にして戻ってきた。




「ユートさん、これ今回のお礼です」


「いや、別にお礼なんて要らないんだけど」


「そんな事言わずに受け取ってください。

……正直な話、私には扱えない代物ですので」



(そ、それって要らない物を押し付けてるんじゃ……)



グイグイと靴を押し付けてくるニレの好意に

優人は少し微妙な気持ちになるが、

さすがに断るのも申し訳ないので受け取る事にする。





―――――――――――――――――――――――



名称:フライシューズ


レア度:UR


説明:MPを消費することで空中を歩くことができる靴。見た目以上に頑丈な素材を用いているため、一度買えば数十年は使える一品。



―――――――――――――――――――――――




(超レア物じゃねーかよ…………。

MP少ない人には使いにくいのかもしれないけど)



新たに手にしたチートアイテムの使い道に

思いを馳せていると、ナナ達が何やら楽しそうに

会話をし、ニレに提案を持ちかけていた。





「そうだニレちゃん!

もうお昼ご飯食べちゃった?

よかったらナナ達がご飯作るよ!」


「え、そんな申し訳ないですよ。

ナナさん達はお客なんですから、座っていてください。

私が何か昼ご飯の準備をさせてもらいますから」


「いいっていいって!!

リアさん、イリスちゃん手伝って?」


「ナナならそう言うと思った。

じゃあ私は食材洗っていくね」


「私、何すればいい?」


「そうだね、イリスちゃんはそこの棚にある

食器を出して、そこに並べて―――――」




ナナがテキパキと指示を出し、

台所の方から香ばしい匂いが漂ってくる。



若干強引だったが料理を作ってくれている

ナナ達に少し嬉しい表情を浮かべるニレと、

眠たそうに目を擦るソフィアと一緒に

優人は昼ご飯を楽しみに待つのだった。








newアイテム・フライシューズ。

優人は使いこなせるのか?

次回投稿12/19(月) 13:00予定です

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