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ひねくれ者の異世界攻略  作者: FALSE
〈2章 海上都市セイルペイス編〉
62/180

14話

※13話の次回投稿の曜日が間違っていました。

誠に申し訳ありませんm(_ _)m




トリノが家に来てからさらに数日がたった。




「あぁ〜。依頼が全く進まない……」




リビングのソファに寝転がる優人が、ぼそっと

そんな愚痴をこぼす。

それに反応してか、リアが傍に寄って来て言葉をかける。



「ユート様、とりあえず街を歩かないと情報は

手に入りませんよ?」


「いや、だって見知らぬ人に話し掛ける必要が

あるじゃん?そんなの俺が出来ると思うか?」


「出来る出来ないじゃなくて、やるやらないの

問題ですよ?」


「ぐっ……」



正論だ、正論すぎる。

リアに諭され、優人は唇を噛み締めた。

そんな時、意外な所から助け舟が出される。



「主人様、それでは門の所に向かいませんか?

あの猫人の方が言っていたように」


「ん?ああ、そういえばそんな話もあったな。

トリノ、出掛けるから準備してきてくれ」


「かしこまりました!」




トリノが着替えを持って急いで浴室に向かう。


なぜリビングに着替えがあるのかと言うと、

元々この部屋には寝室が1つしかなく、ベッドも

キングサイズが2つなので、どうしても寝るスペースが

足りなかった。

そのためトリノと優人の男子2人はリビングで

寝る事になったため、男子の衣類がそこにあったのだ。




「主人様!準備出来ました!」


「よし、じゃあ出掛けるかな。

リア、ソフィアを叩き起してきてくれ」


「かしこまりました」




そう言って寝室にスタスタと歩いていく。


リアがソフィアを起こしている間に、

トリノのステータスを見ておくことにした。





―――――――――――――――――――――――





名前:トリノ・カラバス


種族:海棲族


性別:男


年齢:16歳


職業:冒険者


職種:槍士、弓士


LV:18


HP:522/522


MP:261/261


腕力:420


脚力:336


頑丈:420


知力:280


運:151


特性:言語理解、水中行動、吸盤


スキル:槍術Lv4、弓術Lv3、水魔法Lv2、

生活魔法Lv4、索敵Lv3





―――――――――――――――――――――――







(………面白い特性があるな、吸盤?タコ?)


「?どうかしましたか、主人様」




急に黙り込む優人を見て、トリノが何事かと

不安そうな表情を浮かべる。




「あーいや、大丈夫だ。……1つ聞いていいか?」


「はい、僕が答えられることなら」


「『吸盤』って特性はどんな効果があるんだ?」


「吸盤、ですか?簡単に言ってしまえば、

手のひらに物がひっつきやすくなるんですよ。

それのお陰で武器を落としにくくするんです。

…………あれ、僕が吸盤の特性を持ってる事って

言いましたっけ?」


「あー、それは―――」


「ユート様、ソフィアを起こしてきました」




トリノの鋭い疑問に答えようとしたタイミングで、

リアがソフィアを連れて戻ってくる。




「ちょっとぉ〜。眠たいのに起こさないでよぉ〜」


「ソフィア、出掛けるから『反照』使ってついてこい」


「え〜?こんな朝から出掛けるの〜?」


「文句言うな、その羽ちぎるぞ?」


「はいはい、わかったわよ。

ついて行けばいいんでしょ〜?

じゃあさ、『御褒美』ちょうだい〜」


「今か?一体何を――――――」





―――――――――チュッ。





優人の唇に、小さいものが触れる感覚がした。

小さいながらに温かさを持つそれは、

優人の唇を吸うように強く押し付けられている。




「――――――っ!?ソフィア離れろって!!」




いきなりすぎる出来事に、優人は少しの間反応出来ずに

いたが、それがソフィアのキスによるものだと

判断できた途端、ソフィアを思いっきり引き離す。




「何よ〜、そんな乱暴にしなくたっていいじゃん〜」


「そういう問題じゃないからな!!

お前いきなり何やってんだよ!?」


「何って、キスに決まってるじゃない?

優人もうボケてきちゃったの〜?」


「それぐらい分かってる!!

何でキスしたんだよ!?あれ見てみろよ!!」




優人はトリノとリアの方を指さす。



トリノは目の前で起きた光景に驚きを隠せず、

ただ顔を赤らめモジモジしていた。


リアに至っては、握り拳を作って全力でこちらを

睨んでいた。怖い、怖いですよリアさん。




「あ〜、中々な状況だね〜」


「誰のせいだと思ってんだよ、このキス魔……」


「ユート様?ソフィア?ちょっとお話が」



と、目の鋭さはそのままでリアが話し掛けてくる。



「な、何よリア……」


「り、リア?どうした?」


「私はメイドですからこういう事を言うのは何ですが、

あまりそういう行為をなされるのはどうかと思います」


「お、おう、悪かったごめん」


「リアごめんね〜?」


「いえ、分かってくれればいいんです。

…………ソフィアは帰ってきたらお説経だからね?」


「ちょ、ちょっと待ってよ!?

何でアタシだけ!?ねぇ!!」


「ソフィア、どう考えても自業自得だろ………」


「ソフィア、覚悟しておいてね?」


「い〜や〜!!」




何やら黒いオーラが見えそうなリアに脅され、

ソフィアが大声で泣き叫ぶ。



優人はそんなソフィアと未だに顔を赤らめている

トリノを連れて、街へ繰り出していくのだった。














―――――――――――――――――――――――




優人達がタワーを出た時、別の場所では―――




「お嬢様!ご報告いたします!

御影優人なる人物を発見いたしました!!」


「よくやったわ!さっさと殺してしまいなさい!」


「連れがいるようなのですが、どういたしましょう?」


「そうね、それはどうでもいいわ。

兎に角、御影優人を最優先で殺しなさい!」


「はっ!!」



指示を受けるや否や、

男性が颯爽と部屋を飛び出していく。




「これで終わりね。英雄様もあっけないものだわ」




女性はくしゃくしゃになった書類をもう1度

くしゃくしゃにして、口元を歪めるのだった。






街に繰り出した優人達。

彼らを待ち受ける事とは……?

次回投稿12/11(日)13:00予定です

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