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ひねくれ者の異世界攻略  作者: FALSE
〈2章 海上都市セイルペイス編〉
48/180

プロローグ








「はぁ……はぁ……はぁっ……」



(何なのよあいつ!!

あんなに強いとか聞いてないって―――――きゃあっ!!)



 夜中に森の奥深くを走っていた女性は、木の根につまづき転倒してしまう。




「痛っ…………早く逃げなきゃあいつが―――」


「あいつが何なんだ?」


「!!?」




 女性が振り返るとそこには、青年が浮いていた。




「な、何で浮いてんのよ!?

てか、もう追いついて―――――」


「質問してるのは俺だろうが、無視すんなよ」




 刹那、女性の足元にマンホールほどのクレーターが出現してしまう。




「ひ、ひいっ」


「おい、早く答えろって。あいつが何なんだよ?」


「ご、ごめんなさいもう許して!!」


「うるせえよ」




 クレーターが、更に1つ増える。女性はあまりの恐怖に着ていたズボンが湿ってしまう。




「もう許して………お願い………」


「泣いて許して貰えると思ってんなら、何で逃げる?」


「そ、それは………」




 その問いに女性は答えることが出来ない。青年の目は冷酷で、どこか寂しげだった。

 青年が口を開く。




「なぁ、お前はどうしたいんだ?」


「どうしたいって?」


「2つ選択肢をやる」




 青年の発言と共に、周囲が怪しい雰囲気に包まれる。と、茂みから巨大な蜘蛛が現れる。




「1つ。俺に殺される」


「っ!?」




 青年は何も無かった所から剣を取り出す。数匹の巨大蜘蛛がじりじりと女性に近づく。




「2つ。この蜘蛛の相手をする」




気がつけば、女性の周りを蜘蛛が囲っていた。




「さあ、選べよ」


「い、嫌………お願い、助けて………」


「早く」


「た、助けてくれたら何でもするから!!

この体を好きに使っていいから!!

労働でも、何なら性奴隷にでもなるから!!」


「黙れ」


「ね、ねぇっ?

私、自分の体には自信あるのよ?

あんただって男ならこんないい体、堪能したいでしょ?

こんな良い体を自分だけの物に出来るのよ?」


「黙れっつってんだろ!!」


「ひいっ!?」




 青年が怒鳴るのと同時に複数の光る槍先が蜘蛛に飛んでゆき、その巨体を貫いていく。




「お願い……命だけは……」


「まだ命乞いするのか、見苦しい」


「の、呪ってやる!!

私を殺したらあんたも呪い殺してやる!!」


「やれるもんならやってみろ。まあ、どちらにせよお前は死ぬがな」




 青年は剣を握り直し、ゆっくりと女性の元に降り立つ。




「じゃあ、自分の犯した罪を悔いながら死ね」


「ま、待っ――――――」




 振られる剣は何にも当たらず空を切る。しかし女性の首には一筋の赤い線が浮かび上がり、胴体から頭がずり落ちる。




「……………こんな所、あいつらには見せれないな」




 女性の首元から飛び出る血飛沫を浴びる青年は、星が照り輝く夜空を仰いだ。









 これが、今回の話の顛末。御影優人達が新しい土地に着いてから数ヶ月後の話。




次回投稿11/22(火)13:00予定です

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