ナナの日記①
えっと、日記始めてみました。ナナです。
こんな書き出しでいいのかな?
何かね、イリスちゃんとリアさんが始めるっていうからナナも始めてみようかな〜って思って。
ソフィアちゃんは
「え〜、アタシ字書くの疲れるからヤダな〜」
って駄々こねちゃって絶対やらないんだって。なんか少し残念だな。
あ、そうそう!!
今日はユートと二人でクエスト受けに行ったんだ!!
イリスちゃんは前の家から本を取ってくるってリアさんと一緒に出掛けていったんだ。
久々に二人っきりになれたからちょっと顔赤くなっちゃってたんだけど、ユートは鈍感だから多分気付いてなかったと思う。
でもそれはそれで少し寂しい、のかな?
ま、それよりもクエスト受けたのはいいんだけど、ユートったら全部一人で倒しちゃうんだよ?
ナナにもやらせてって言ったらさ、
「ああ、ごめんな。じゃあ、二人でやろうか」
だよ!!
二人でやってもユートが一撃で倒すから意味無いんだって、なんで気付かないかなぁ!!
あ、なんか愚痴ばっかりになっちゃってるね。
面白い、とはちょっと違うんだけどさ、こないだ祝杯をあげるって事で夜に酒場に行った話なんだけど―――
―――――――――――――――――――――――
「お!! 英雄様とその御一行の到着だぁ!!」
「「「うぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」
「はしゃぎ過ぎだろ、こいつら…………」
「ユート様は人気者ですね」
「あんま嬉しくないからそれやめろ」
「師匠、照れてる」
「なっ、違うぞイリス!!
これは決して嬉し恥ずかし的な感情じゃなくてな―――」
「ユート、とりあえず早く場所決めようよ?」
「そ〜だよユート!! アタシ疲れてるんだから〜」
「ソフィアは俺の肩に乗ってるだけだろ!?」
「ほらほら、英雄様もこっちに来て飲みましょうよ!!」
「ちょ、引っ張るなって!!」
「ユートー!! あっちの方で席取っておくからねー?」
「ああ!! 後で行く!!」
「ささっ、英雄様どんどん飲んで下さい!! ここは私達の奢りですから!!」
「いや、それは何か申し訳ないから自分達の分ぐらいは払わせてくれ」
「何言ってるんですか!!
国の英雄ともあろうお方にお金を払わせようものなら罰が当たります!!」
(英雄は神扱いなのかよ………………)
「英雄様!!
今から『飲んでも飲まれるな大会』をやるんですけど、参加しませんか?
あと一枠人が足りないんすよ!!」
「いや、俺はそんなに飲めないから無理だな」
「そ、そうですか…………
誰か!! 誰か他に参加する者はいないかー?」
「では私が」
「おっ、お姉さんやるのかい?
エルフだからって容赦しないぜ?」
(どっかで聞いたことある声だな……
しかもエルフ…………)
「――――――ってイルミさん!?」
「ユートさん、お久しぶりですね。たまたま用事で王国に来ていた時に酒場が騒がしかったので何事かと覗けば、面白そうな事をやってらしたのでつい」
「は、はぁ……」
「よし、お姉さんも参加ってことでいいのか?」
「ええ、お手柔らかに」
「イルミさんこそ、手加減してやって下さいよ……」
「あら、私はレディですから。手加減される方ですよ、『英雄様』?」
「くっ、もう好きにして下さい。俺は向こうにいてるので」
「はい、こちらが終わったら向かいますね。ナナちゃん達ともお話したいですし」
「よーし!! それじゃみんな始めるぞ!!」
「「「うぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」」」
「あぁ、ご愁傷さまだ………」
―――――――――――――――――――――――
――――――で、その後イルミさんが圧勝、他の人達は全員酔い潰れちゃったんだ。
それで回復魔法の使えるユートとナナで看病する羽目になって、もう最悪だったよ!!
何人かリバースしかけるし、実際リバースした人もいてたし!!
しかも、イルミさんは何も手伝わずに
「あらあら、みなさんまだまだですね」
って呑気にお酒を飲んでたんだよ!!
ちょっとぐらい手伝ってくれてもいいのにさー!!
でも、あれだけ飲んだ後にまた飲みに行くって言うんだからさすが『酒鬼嬢』って呼ばれるだけはあるよねー。
あ、そうそう!!
昨日の晩御飯はユートのお願いでナナが一人で作ったんだけどね、そこでちょっと意外な事が起きてさ――――――
―――――――――――――――――――――――
「いやー、いつ食べてもナナの手料理は上手いな」
「うん、ナナ、すごい」
「メイドの私より上手だと困るんだけど、これには勝てそうにないかな」
「アタシ、ナナの料理だったらいっくらでも食べちゃうよ〜〜」
「本当? そんなに喜んでくれるなら、ナナも嬉しいよ!!」
「と言うより、この世界にも醤油があったんだな」
「ん? ショーユって何?」
「えっ、醤油じゃないのかこれ?」
「ナナはショーユって言うのは知らないよ?」
「そうなのか? ソフィアでも知らないか?」
「んー、アタシも聞いたことないなぁ」
「まじか、じゃあこれはいつも何に使うんだ?」
「それはサラダドレッシングだからサラダにだよ?」
「ナナ、たまに肉にも、かけてる」
「あ、そうだったね!! やる人少ないから忘れてたよ!!」
「まじか、刺身とかどうやって食べるんだ?」
「サシミ? 何それ?」
(おいおいマジか、刺身無いのかよ…………)
「…………よし、今から俺が一品作る!!
ナナ!! 手伝ってくれ!!」
「えっ、う、うん!!」
「師匠、料理出来る?」
「前は一人暮らししてたからある程度はな?」
「さすがユート様です、何でも出来るのですね」
「何でもは出来ないぞ、出来ることだけだ」
(某アニメのパクリ発言だな、これ……あれか、三つ編みメガネじゃないだけマシか)
―――台所にて―――
「ナナ、さっきのドレッシング用意していてくれ」
「うん!! わかった!!」
「用意しながらでいいから、ついでに俺の作業見ててくれ。今度はナナにも作ってもらいたいからな」
「うんっ!!
……へぇー、魚をそんな風に切るなんて変わってるね?」
「俺のいた世界ではこれが普通なんだけどな」
「ねぇ、この後どうするの? 皮剥いで身をスライスしてその次は?」
「いや、これで終わりだぞ」
「え、もう終わり? ほとんど何もしてないじゃん!!」
「まあまあ、とりあえずそのドレッシングに浸けて食べてみろよ、な?」
「う、うん―――――――――っ、美味しい!!
えっ何これ本当に美味しいよ!! ユートすごい!!」
「お、おう。そこまで喜んでくれるとは思わなかった」
「早くこれみんなに持って行ってあげようよ!!
みんなも絶対美味しいって言うから!!」
「そうだな。すぐ無くなりそうだからもう少し刺身作ってから持って行ってやろう」
「ナナもそれやってみる!!」
「ん、出来そうか?」
「さっき見て何となくは分かったから多分大丈夫!!」
「じゃあ、さっさと始めるか」
「うん!!」
―――――――――――――――――――――――
それで、イリスちゃん達も食べたら大絶賛でさ!!
ユートが意外と料理上手だったのに驚きだったなぁ。
今度一緒にご飯作ろうって誘ってみよっと!!
って気づいたらもうこんな時間だ!!
明日は朝からみんなと買い物に行くから早く寝ようっと。
明日はどんな服着ていこうかな?
あ、ユートの好きな色、今度聞いておこっと!!
あー、明日が楽しみ!! 早く明日にならないかなぁ!!
次回投稿11/16(水)13:00予定です
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