2話
手紙はあの自称:神からだった。
「御影優人さんへ
この手紙を読まれているということは、無事フリスト大陸に着いたみたいですね。今回のような形での説明になってしまって本当に申し訳ありません。
まず、こちらの世界にはステータスというものが存在します。
生命力を表すHP、魔法や技を使うのに必要なMP、5つの基礎能力である腕力、脚力、頑丈、知力、運、これらで生物は活動を支えられています。試しに自分のステータスを確認してみて下さい。ステータスと強く念じるだけでいいので。」
優人は書かれていた通りにする。すると、目の前に白く、ほのかに光る文字が現れた。
(マジかよ……本気で異世界なんだな)
今更な事に驚きつつも、目の前に広がる文字に目を通していく。
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名前:ミカゲ ユウト
種族:人間
性別:男
年齢:18歳
職業:?
職種:?
LV:1
HP: 500/500
MP: 300/300
腕力:1000
脚力:1000
頑丈:1000
知力:1000
運:1000
特性:言語理解、早熟、真理眼、神の加護
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(これは……強いのか?)
優人はとりあえず手紙を読み進める事にした。
「ステータスを見れば分かると思いますが、ステータスには名前や性別などの個人情報の他に、特性というものが書かれます。
特性というのは、基本的には生物が生まれ持つ才能のようなものです。習得できるものもあるらしいですが、それは自分で探してみてください。今回は優人さんに与えた4つの特性について説明しておきますね。
まず、言語理解はどんな言語でも読み書き聞き話しが出来るようになる効果があります。
早熟は所有者の成長を促す効果があります。レベルが上がりやすくなったりしますね。
真理眼は物に対して集中すると、その物の詳細を見ることが出来、生物に対して集中すると、その生物のステータスを見ることが出来るようになる効果があります。
最後に神の加護は所有者の能力を上昇させる効果があります。今の優人さんの能力はレベル1成人男性の約10倍程になっているはずです。
あと、ステータスは基本的に他人のは見ることが出来ません。ステータスが現れている状態で他人に触れられると、その他人に自分のステータスを見せることが出来ます。ステータスを閉じたい時はまた同じように念じてください」
(いきなり超チート特性ばっかりじゃねーかよ……反則過ぎて他人に恨まれるぞ、これ)
優人はとりあえずステータスを閉じ、大きくため息をつく。
(さて、2枚目からは何が書かれ――)
と、手紙を読んでいる途中で眠気に襲われたのでもう1度眠ることにした。
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「……ん、寝過ぎた?もう朝か?」
寝ぼけながら優人はベッドから上半身を起こし、明るく光っている窓の方に目をやる。外からは何やら騒がしい声が聞こえ、陽の光によってなのか窓も赤く光って……ん?赤く光って?
「───って燃えてる!!?」
ベッドから飛び出し、自分の荷物だけを持ってドアノブに手を掛ける。だが、どれだけ必死に押し開こうとしてもまるで開く様子は無かった。
「何でだよ!?これ引きドアだろ!?」
鍵穴も無ければ、ドアにつっかえている物もない。
(ヤバイ……これは本気でヤバイ!!)
優人は大きな決断を迫られていたのだった。
読んで下さっている方ありがとうございます!
次あたりから話が進み始めると思います。
次回投稿10/28(金)0:00予定です