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ひねくれ者の異世界攻略  作者: FALSE
〈1章 ルークラート王国編〉
29/180

28話

お蔭様で総PV20000を突破しました!!

これからも宜しくお願いしますm(_ _)m





「そう言えば、私は何をすればよろしいのでしょうか?」




 ちーちゃんに乗って家に帰る途中、リアがそんな質問を投げかける。




「あーそう言えば言ってなかったっけ?」


「ええ、いきなりクエストでしたから」


「そうだったな。

とりあえずは、家の家事全般という事になりそうかな。それ以外で何かあったらまた言うつもりだし、そのうちメイドも増やそうかなとは思っている」


「そうですか、かしこまりました」




 そう言ってリアは頭を下げる。




「リア、メイド歴はどれぐらいだ?」


「はい、九年程になります」


「え、じゃあ十二歳の時からやってるって事?」


「はい、奴隷ですから」



(平然と言ってるけど、これ日本だと超重罪だからなぁ)



 元の世界とこの世界との違いにまた驚いていると、家に辿り着いた。




「じゃ、ちーちゃん小屋に連れていくね!!

ちーちゃん行こー!!」


「がうっ」




 ナナがちーちゃんに乗って歩いていく。扱いがどんどんペットになっていくその光景に優人が溜息を吐いていると、イリスが彼の傍へと寄って来る。




「師匠、この後、どうする?」


「ん? ああ、とりあえず晩飯にするか?」


「ユート様、では私が作ります」


「わかった。イリス、台所に案内してやってくれ」


「ん、了解」


「俺は部屋に戻っているから、出来たら声かけてくれ」




 家に入ってイリス、リアと別れた後、優人は昨晩を過ごした部屋に戻っていく。

部屋に入ると、ソフィアが話しかけてくる。




「ユート、ちょっといい?」


「どうした? 何かあったか?」


「ほら、ギルドで言ったじゃん?

『大事な話がある』って」


「あー、それか。今するのか?」


「誰もいないし、ちょうどいいでしょ?

多分、ユートの抱えてる問題も解決できると思うし」


「なるほど、とりあえず話を聞こうか」


「その前に一つ質問。セシルとは知り合いなの?」


「セシル? 誰だ? それ」


「何言ってんのよ、ギルドで喋ってたんじゃないの?」


「あー、セシリアさんの事か?」


「そうそう、どうしてセシリア皇女(・・)と知り合いなの?」




…………え?




「ソフィア、今何て…?」


「あー、今は元皇女なのかな」


「……ん? 元皇女? セシリアさんが?」



(まてよ、セシリアさんが皇女だったってことか?

だとしたらあの違和感は何だ?

そもそも、何で元皇女が騎士隊長なんてやってるんだ?

何かが繋がらない、あと少し……………)



 とすぐに考え込んでしまう優人の目の前にソフィアが現れる。




「ちょっとユート? ユートってば!!」


「うぉっ!? ………ソフィアかよ、脅かすなって」


「急に黙り込んでおいてその言い草は無いでしょ!?」




 どうやら無言になった優人の事を心配しての行動だったらしい。だとしても、もっと他に彼の注意を引く方法があったと思うのだが。




「ったくアタシの事を無視するなんて大した度胸だわ、ユートは」


「………………あ、ああああああ!!!!」


「ちょ、何よ急に大声出しちゃって!!」




 何かに気づいたらしく、優人は思わず奇声をあげてしまいソフィアを驚かせてしまう。




「あ、ああ悪い。ちょっとな。

………ソフィア、この世界には宗教はあるか?」


「宗教? 唯一神を信仰している団体ならあるけど?」


「規模は大きいか?」


「まあ、それなりにはね〜

……で、何か分かったカンジ?」


「ああ、やらないといけない事がわかった」


「ふーん、面白そうね〜

アタシもなにか手伝えることある?」


「そうだな、じゃあ――――――」




 若干早口で優人がそう言いかけたその時、部屋をノックする音が室内に響く。




「ユート、ご飯できたよー?」


「お、出来たか。すぐ降りるわ。

………ソフィア、この話は飯食べてからな?」


「はいはーい、アタシはそれでいいよ〜」




 ナナに呼ばれたので、優人達は会話を切り上げて晩飯を食べにリビングに降りていった。




















―――――――――――――――――――――――







「はぁ〜、美味しかった〜」




 料理を食べ終わったナナが、お腹をさすりながらソファに寝そべる。




「満足いただけた様で何よりです」


「いやー、リアさんすっごい料理上手いね!!」


「これぐらいはメイドなら誰でも出来ますよ」


「いや、お世辞無しで本当に美味かったぞ、ありがとうなリア」


「恐縮です」




 今日の晩飯はリアが作った。見た目に関して言うなら普段のナナの料理と変わらないが、味は見た目を見事に裏切る出来であった。

 食事を終えたイリスは徐に立つ上がると、優人に向け言葉を掛けた。




「師匠、お風呂、いってくる」


「あ、ナナも入るー」


「ムリ」


「まって二文字で拒絶しなくてもいいじゃん!?

ねぇ、一緒に入ろーよー?」




 完全に酔っぱらいの絡みだな、と優人は思いながら少し可哀想なので助け舟を出す。




「イリス、リアも一緒に入らせるからいってこい」


「え、ユート様私もですか?」


「あの二人が一緒に入るとナナが暴走するらしいんだ。

悪いんだけどナナの抑止力として入ってやってくれ」


「ユート様がそう言うのであれば」


「という訳だから、イリス」


「うん、仕方ない」


「何かどんどんナナの扱いが酷くなってる気がするんだけど!?

さすがのナナも泣いちゃうからね!?」


「よしよし、ナナは、可愛い」


「絶対慰めてないけど、もういいや………」


「では、いってきますね」




 リアが二人を連れて風呂場に向かっていった。




「ソフィア、お前もいってこいよ。一応女だろ?」


「一応って酷いよね!?

でもまあ、ユートと入るからいいよ〜」


「いや、お前が良くても俺が困るんだよ……」


「ユートって意外とそういうの気にするんだね〜

でも、ちょっとだけあの子らにお邪魔してこようかな〜」


「おう、いくならさっさといってこい」


「そんな厄介払いしなくてもいいのに〜」




 ブーブー言いながら、ソフィアも風呂場に向かっていく。



(少し考えたい事もあるし、部屋に戻るか)



 全員を風呂に追いやった後、優人は部屋に戻ることにしたのだった。




















―――――――――――――――――――――――







「あぁー、気持ちいいー」


「ナナ、おじさんみたい」


「いいじゃん、気持ちいいんだからぁー」


「イリスさん、ナナさんはいつもこうなのですか?」


「1回しか、一緒に入ってない、けどこうだった」


「なるほど、そうですか」


「ねえねえリアさん、ナナ達にまで敬語使わなくてもいいと思うよー?

ナナ達の方が年下なんだし、ね?」


「私も、そう思う」


「いえ、ですが私はメイドですから」


「むー、頑固だなぁ。仕方ないなぁ〜」


「あ、リアどんまい」


「え、イリスさんどういう……

ってナナさん!? その手は何ですか!?」


「いやー、心の扉を開く鍵だよー?リアさーん」


「ち、近づかないでください!!

その手を下ろしてください!! きゃっ!?」


「ふむふむー、ナナのよりも大きいだけはあるねー。しかも垂れてないんだよねー」


「ちょっ、やめ、やめてくださいって!?

あっ、やだそんなに強く揉まないでっ!?」


「いやー、こんなに大きくて柔らかいなんて、リアさんずるいよねー?

肌もすべすべだしー? あっ、こっちはどうかなー?」


「そっちはダメ!! ナナさんやめて!!

ひゃっ!? ナナ!?」


「やっとタメ口になってくれたねー?

でもやめないよー?」


「いやっ、も、もうやめてー!!」


「ナナ、やりすぎ」


「痛っ!! ちょっとイリスちゃんー?

本気で頭叩かなくてもよくない?」


「ナナ、調子乗りすぎ」


「いやいやー、これぐらいしないとリアさんも

心開いてくれないと思うからねー」


「ナナ!! いい加減胸から手を離して!!

っ!? そこも一緒に揉まないでー!!」


「じゃじゃーん!!

プリティ・ソフィアちゃんの登場だよー!!

――――――って何この状況……」


「ソフィア、ナナ止めるの、手伝って」


「リアさーん、これなにかなー?」


「いやっ、そんなの見せないで!! あっ!!」


「あーごめん、頭痛がしてきた…………」


「ソフィア、早く」


「はいはいっ……………来るんじゃなかったぁ」




 その後十数分に渡り、リアの泣き声とナナの声が風呂場に木霊し続けるのだった。






お風呂のナナは超危険ですね〜(笑)

さて、そろそろ物語も大きく動かしていきますよ?

次回投稿11/7(月)21:00予定です

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