63話
おかげ様で累計1000pt突破いたしました!!!
感無量です、ここまで伸びるとは思っていませんでした(><)
これからも「ひねくれ者の異世界攻略」をよろしくお願いしますm(_ _)m
読者様からの声、お待ちしております(*^^*)
「いやナナ、お前何でそんなに冷静なんだよ…………
下手したら死ぬんだぞ?」
自分とは対照的におどけた表情で話し掛けて来るナナに、優人はほんの少し怒りを覚えていた。
だがそんな相手の口から出てきたのは、優人にとってはある意味聞きたくなかった言葉。
「え、だってユートが解決してくれるんでしょ?
じゃなかったらナナだってもっと慌ててるよ!!」
(いや、胸張って言う事じゃないだろ、それ…………
というか俺の事どれだけ信じてるんだよ、もうそれメンヘラまであと一歩じゃないのか?)
現状最も親しい者に心理的にきつい事を言われ、優人の精神はガリガリ削らる。
「いや、今回ばかりは全く案が浮かばないんだよ。
ソフィアすらあの様子だし……………」
そう言った優人のジト目の先には、深刻な表情で頭を抱えてあちらこちら飛び回るダメダメ精霊の姿があった。
さすがにその姿を見せられたら基本笑顔のナナでも苦笑するしかない。
「あ、アハハ……………
でもマグマなんて、ナナ達で止められるものなのかなぁ。
せめて雨でも降ってくれたらなぁ」
「………………アクエリアス、天候を変える魔法は?」
「あるにはあるけど、ただ発動までには早くても2時間はかかるわよ?」
「ダメか……………」
ナナの言葉で見つけた唯一の突破口も簡単に潰され、優人の気はますます滅入っていく。
しかしこんな所で諦める訳にもいかないので、必死に何かないかを探す。
(あのマグマを止める方法としては、マグマが完全に冷え固まるまで大量の水を流しこむ、もしくはあの超高温に耐えれる物を用意して、それを壁にして避難するか……………
いや、ここは堅実的に大量の水を用意するべきだろう、マグマに耐えれる物があるとも思えないし。
大量の水、か。
…………そうか、その手があるか!!)
何を思いついたのか、優人はアクエリアスの方に向きレインハートの川の事を尋ね始めた。
「川?……………ああ、あれの事ね。
もしかしてあの水を使ってどうにかしようと思ってるのかしら?
それは無理よ、あれだけの量の水を運ぶ事は出来ないし、それに全てのマグマを固めるにはあれでは足りないもの」
アクエリアスの言う通り、レインハートに流れている川はそこまで大量の水が流れている訳では無い。
むしろ近くに豊富な水量を誇る川が流れているルークラート王国に比べれば少ないぐらいだ。
「そうじゃなくてだな。
川が流れてるって事はこの地帯には水脈があるだろ?」
「…………なるほどね。
それなら確かにマグマを止められそうね」
「それで、ここら一帯の水脈の位置は分かるか?」
アクエリアスは頷くと地面に手を当て、そっと目を閉じる。
その様子から本来の大精霊の威厳を垣間見る事が出来、未だに飛び回っている自分の精霊を優人はもう見ないでおこうと決心した。決心させられてしまった。
「……………うん、今水脈と連結が出来た」
「連結?」
優人の素直な疑問に、水の大精霊が首を縦に振る。
「あたしの力を流しこんだ水は意のままに操る事が出来るの。
これを『連結』って言ってね。
ただ地面から勢いよく噴出させるようなことは出来ないのよねぇ………………」
「…………いや、それで十分完璧だ。
アクエリアス、今すぐにマグマを取り囲むように水脈を動かせるか?」
「ええ、すぐに出来るわ。
でもどうして」
「時間が無い、すぐに頼む」
言いかけた言葉を途中で打ち切られむぅ、と契約主に似た拗ね方をする。
その姿は本当に少女の様な愛らしさがあり、並大抵の男ならつい口元が緩むだろう。
だが彼女の前に居るのは鈍感という一種の才を持ち、自分の事など蚊帳の外と言わんばかりに遠い所を見ている青年である、効果は勿論皆無。
「……………わかったわよ、やればいいんでしょやればっ!?」
「珍しい、アクエリアスが、荒れてる」
半ばヤケクソ状態のアクエリアスは両手を地面に強く押し当てる。
するとそこから青色の魔法陣が現れ、優人達の足元まで広がった。
しかしその状態は数秒だけで、すぐに消えてしまった。
「ふぅ。終わったわよ?」
「本当にすぐだな。
ちなみにその水脈はどのあたりに動かした?」
「そうね、この都市の城壁から20メートル先かしら。
一応、目印は用意してあるわ」
「それは助かる。じゃあ水の操作は任せた。
皆はここに居てくれ、ソフィアとズィナミは一緒に来い」
『りょーかいっ』「えっ、あ、りょーかいっ」
そう言って優人はお約束事であるかのように、その場から走り去っていってしまった。
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アクエリアスに言われた通りレインハートを出て20メートル程進むと、僅かに地面から水が滲み出ている場所が線上に広がっていた。
「これが目印か」
『キミ、どうするんだい?』
「こうするんだよ。
─────合成魔法・断裂」
優人がそう呟くと、目印の部分の地面が突然光り出し─────
珍しく立場が逆転した優人とアクエリアス。
優人があれだけ急いでいた理由は?
次回投稿は8/8(火)13:00予定です。
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