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ひねくれ者の異世界攻略  作者: FALSE
〈3章 アドゴーン山編〉
129/180

45話





 王宮の2階の大宴会場で行われる食事会は、既に多くの人で賑わっていた。

今日のこのために用意したのだろう、豪華な装飾品を施した赤や青、水色など様々な色のドレスや身の丈に合った白や灰色のスーツが会場をより一層際立たせていた。




「………急いで正装を用意して良かった。

ありがとうな、リア」


「いえいえ、当然の事を言っただけですから」




そんな中、会場に到着した優人達7人も全員ドレスやらスーツやらを着こなしていた。


イリスやニレ、ナナの3人には可愛らしいフリルをあしらったオフショルダーのドレス。

リアとブラスにはハートカットネックでアンクル丈の暗色系ドレス。

女性陣はそれぞれに合ったドレスを見に纏っている。


優人とマールの男性陣もまた、灰色のスーツをピシッと着ていた。




「………やっぱリアとブラスはドレス似合うな」


「あ、有難うございます………」


「………そんな素直に言われると照れるな。

ユートは世辞も上手いのだな」


「別にお世辞で言って無いって。

マールもそう思うだろ?」


「ああそうだな。

彼女がいる身で言うのも何だけど綺麗だと思う、大抵の男なら落とせるぐらいにな」




マールの褒め言葉を貰った事で、リアとブラスの顔が更に真っ赤に染まる。

しかしそれに不満を覚えていたのが少女3人組だ。




「ユート!!

リアさん達ばっかり褒めてないでナナのも見てよ!!」


「わ、分かったから袖を引っ張らないでくれ」


「師匠、こっちも、見て?」


「わ、私のドレス変じゃないですか………?」




優人の袖を引っ張るナナや胸板にすり寄ってくるイリス、その後ろで恥ずかしそうに自分のドレスのスカート袖を摘み上げているニレなど、最早お祭り騒ぎ状態になっていた。


そこへ数人が近付いてくる。




「来て早速楽しそうにやっているな、ユート」


「ラーダ、だっけか。

それとそっちはクレーヌだったよな?」


「ええこんばんは、ユートさん」


「マールは来るだろうと思っていたけど、まさかユートまで来るとは思ってなかった。

セシリアから招待状を貰っていたのか?」


「いや、今朝双子の国王に呼ばれて、その時に招待状を人数分貰ったよ」


「てことはルル様が直々にか?

それはまた珍しい事もあるもんだな」


「そうなのか?」


「ああ、ルル様は人見知りでな。

イベント事以外では人前に顔を見せないんだ」


「そうだったんだ—————」




そんな時、会場の証明が少し暗くなる。

そのせいか会場が少しざわついたが、それも今回の主役の登場で一気に収まる。




「えー皆様大変長らくお待たせ致しました。

レイ様とルル様がご来場されましたので、今から食事会を開催したいと思います。


まず初めに、代表としてレイ様からのお言葉です。

レイ様、宜しくお願いします」




就任式の時に見た司会の男の声と共に、ずっと閉ざされていたままだった大扉が豪快に開かれる。

そこから派手な赤いドレスに身を包んだレイ、そしてレイとは対照的な藍色のドレス姿のルルがゆっくりと歩み出る。



暗色系が傍にあるため、レイの赤いドレスがより一層際立ち多くの者の視線を独占する。

そして歩みを止めたレイが呼吸を整え、抑揚をつけた声で話し出す。




「皆様、本日はお集まり頂き誠に有難うございます。

主催者側を代表して私がお礼申し上げます。

本日は皆様方の交流、親睦を深めるための場を設けさせて頂きました。

どうぞお楽しみ下さいませ」




話し終えたレイが一礼すると、どこからともなく拍手が鳴り響く。

レイと入れ替わるようにして司会が前に出ると、次第にそれも聞えなくなっていった。




「レイ様、有難うございました。

では私の方から諸注意だけ伝えさせて頂きます。

まず、この会場は入退場自由ですが、再入場の際は必ず招待状を提示して頂きますのでご理解の程お願い致します。

そして、屋外テラスを利用される場合は近くの従業員にお知らせ下さいませ。

………最後になりましたが、この一時が皆様方にとってより良いものとなります事を私たち一同心より願っております」




司会の言葉にも、また大きな拍手が鳴り響いた。

拍手が鳴り止む頃には多くの者が移動を開始し、談話を始めていた。




「ユート、この後どうするんだ?」


「そうだな……………」




傍にいたラーダに話しかけられ今後の行動を思索していると、思わぬ人物が優人の元を訪れてきた。




「ユート様、本日はお越し頂き誠に有難うございます」


「えっと、有難うございます………」




数人の従者を連れてやって来たレイとルルは、優人の顔を見るなり深々とお辞儀をした。

優人もそれに倣って同じ事をしていると、何故かレイにクスクス笑われてしまった。




「お辞儀が深過ぎます。

最初にお辞儀をした人にお辞儀で返す場合、その人より浅くするのが常識ですよ?」


「そうだったのか、知らなかった……

えっと、申し訳ありませんでした」


「今朝も言いました様に、敬語じゃなくてもいいんですよ?」





よっぽど優人との会話が楽しいのか、その後の軽い雑談中もレイは終始ずっと笑顔だった。





女性陣のドレス……可愛いだろうなぁ


次回投稿は6/12(月)13:00予定です



※誤字脱字、感想等何でもお待ちしておりますm(_ _)m


同時掲載小説もありますので、良ければプロフィールから読んでみてください(*^^*)

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