プロローグ
……ここはどこだろう。
辺り一面白、白、白……
いや、誰かがこっちに近づいて来ている。
誰だろう、ビックリ綺麗な人だ。
「初めまして、私はウルシア。いわゆる神という存在だと思ってください」
……は?
いやいや、神とか何を急に言い出しているんだこの人。
中二病? まあ、何にせよ全く以て意味が分からない。
「色々言いたい事があるのは分かります。でも今は何も言わずに私の話を聞いて貰えませんか?
余り時間に余裕がないのです」
自己中心的なのか、この人。というか、さっきから声が出ないんだけど……
「まず、あなたが亡くなる直前に、肉体ごとあなたをここへ転送させて貰いました。一度失いかけたその命、もっと有効に使うべきだと私は思うのです」
ただのありがた迷惑じゃねーかよ。それ以前に、そんな事出来るのかよ。
「そこでです。今、私を唯一神とする世界では異種族同士での争いが多く、このままではいずれどの種族も滅びてしまいます。
本来なら私が止めるべきなのですが、唯一神という立場のせいで自身の世界に直接干渉することができません。
そこであなたには私の代わりにこの世界に行って貰い、争いのない世界に変えて頂こう、と思います」
『と思います』じゃねーよ。何この人、自分の仕事を赤の他人に丸投げするのかよ。
「ただその世界では地球と異なり、命に関しての考えが少し軽んじられ、地球に比べてかなり危険だと思います。
私としては正直、あなたをそんな所に送りたくないのですが……」
送るのか送りたくないのかハッキリしろよ。
「ごめんなさい。もう時間が……
旅に役立つものは出来るだけ用意しましたので、向こうに到着したら確認しておいて下さい」
結局送るんだな。最後まで喋れないし、体も動かせなかった。
「では、どうかよろしくお願いしますね」
そんな真剣な顔で頭下げられたら、断りにくいだろ。そもそも喋れないから断れないんだけど……
「最後に…………死なないでよ、優人……」
………え?
そこで俺は、意識を手放してしまった――――――
週2回ぐらいの頻度で投稿しようと思いますが、序盤は投稿回数増やしていくつもりです!
初心者なので暖かい目で見てもらえるとありがたいですm(_ _)m