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生と不死

作者: 視迷

2年前にかいたものです。頑張ろう俺、

 生と不死

 

学校で先生の手伝いをしていた僕は、日が落ちるまで学校に残ることとなった。ようやく解放され昇降口で靴を履いて帰ろうとした時、突然目の前に何かが降ってきた。どさっと目の前で音を立て崩れたそれを人と認識するのには、あまり時間はかからなかった。

飛び降り自殺か。面倒事に巻き込まれたっぽいな。とりあえず人を呼ばないと…。

人を呼ぼうと思ったが、何故か僕はその場から動くことができなかった。恐怖というより興味・関心。引き寄せられる、触ってみたいもっと近くで見てみたい。そんな感情が僕を埋め尽くした。自分でも何故こんな感情になるのか不思議だった。

目の前の物を調べようとしたが突然、小刻みに震え出した。

「エクストリィィィム!」目の前の少女は奇声をあげた。

正直理解ができなかった。確実に死んでいたはずなのに目の前でこうして生きている。

「…なんで生きてるの?」。

すると少女はこちらを見た途端、両手で頭を抱え出し、

「あ…貴方は同じクラスの生島くん?やばい、見られちゃった…どうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう」

頭を抱えて崩れる少女、とりあえずフォローしとかないと…。

「大丈夫。いまいち今の現状が不可解過ぎるけど、言われて困るなら誰にも言わないよ」

「ほんとに?」

上目遣いでこられた、そう僕は上目遣いに弱いのだ。

「僕、あまり嘘つかないよ?」

「ほんとのほんと?」

「もちろん」と言い、これまでにしたことないような笑顔を作ってみせた。

「ほんとのほんとのほんと?」

「いい加減うざいからもうやめてくれないかな」

すると少女は急に明るい表情になり、

「ありがとう!生島くん!」すごい笑顔、正直眩しい。

その後少女は、「絶対約束だからね!」と言い、走り去っていってしまった。

それにしてもなんだったんだ?

「とりあえず。家に帰って夕飯だな。」と独り言を言いつつ、僕は街灯がない暗い夜道に向かって歩き出した。

家に帰って寝る前まで彼女、折笠四迷のことである意味頭がいっぱいだった。

 折笠四迷。黒い髪で水晶のような瞳、機械のように冷静で、決して態度を崩さない。学校内では女子ですら恋をする、皆の憧れだった。今日出会った彼女のように急に奇声を上げるような人ではないはずだ。そんなことを考えながら僕、生島優希は横になった。

 それから数時間。

「いつまで寝てるの?」

「…あぁ、ごめん母さん。」気付けば朝になっていた。

「お友達が来てるわよ、さっさと起きなさい。」

「…友達?」 

僕は寝ぼけながら階段を下り、玄関を向かうと、そこには折笠四迷がいた。

「おはよう、生島くん」

「こんな可愛らしい女の子と知り合いなんて優希は幸せものね。」

「母さんは黙ってて、折笠さんはなんで来たの?」

「なんで…って、一緒に学校に行こうかと思って。」

「なんで僕?」

「なんでなんでって君は質問ばかりだね、一緒に行きたいからに決まっているだろう。ほら。さっさと支度してきなさい。」

「あ…はい」

僕はしぶしぶ着替えることとなった。途中母さんが「女の子を待たせちゃ駄目よ」とせかしてきたが、僕は女の子でなかろうと人待たせることが嫌だったので、いつもは三十分ぐらいかけるものを今回は、十分で終わらせた。

「いってきます。」と言いドアを閉める

「それじゃあ、行こうか。」

もちろん、学校に行く途中は周りがざわめいていた。それは仕方ないことだ、学校の全生徒の憧れが冴えない男と一緒に登校しているのだ。僕は全校生徒を敵に回してしまったのかもしれない。歩いている時は二人とも終始無言だったが、学校の校門に着いたとき四迷は、「それでは、また会おう」と言い走り去ってしまった。

きっと昨日のことだろう、そんなことを思いつつ、僕は自分の教室に向かった。教室に入った途端、クラスメイトの表情が固まったが、瞬時に僕の周りに群がった。

「なんで折笠さんと一緒に登校してるの?」

「おいおい、何でお前なんだよ!」

「とりあえず、何故そうなったかを話してくれ。」

色々聞いてくるが「うるさい。」の一言で終わらせた。多少の怒りを覚えながら窓際の席に座り寝ていた。

 しばらく寝て時計を見ると、昼時間だった、二度寝しようと思ったが、

「おい、起きろ。」と体を揺すられた。誰かと思い頭を上げるとそこには、

「やぁ、お昼だ一緒に食べないか?」

四迷がいた。多少で寝ぼけていたせいか

「僕、弁当派だから無理。」意味のわからないことを言ってしまった。だが、四迷は

「安心しろ、私も弁当だ。」と言い、弁当箱が入った袋を見せてきた。

「そう…っすか」まぁお腹すいてたし、別にいいか。

前の席の女の子が「よかったら、どうぞ!」と席を譲って去っていった、僕と四迷は互いに向かい合うようにして食べることとなった。

食べているときは無言が続いていたが、突然四迷が、

「君のその卵焼き美味しそうだな。」と

僕の弁当箱を覗き込んできた。

「食べますか?」

「お、いいのか。遠慮なく頂こう」

四迷は僕の弁当から卵焼きをとって食べようとしたが、箸が止まった。

「代わりといってはなんだが、私の唐揚げをやろう。」

すると四迷は箸で唐揚げを掴みこっちに差し出してきた。

「ほら、あーん。」

この人は他人の目というものを気にしないのだろうか。

「いや、いいです。」

すると、四迷はにやりとした表情を浮かべ

「なんだ、案外照れ屋なんだな、可愛いとこもあるじゃないか。」

ほらほらと唐揚げを差し出してくるのでさすがにイライラして、

「からかわないでください。」と思わず言ってしまった。

そんなことがありながら、昼食は終わった。最後に四迷は

「放課後、私に付き合ってくれ。」と言い残し、教室を去っていった。

それからは、授業と相変わらずのクラスメイトからの質問攻めで今まで寝て回復した体力を全て使い切ってしまったような気がした。

放課後になった、校門で僕は四迷を待っていた。だがそう待つことはなかった。

「すまない、遅れてしまって」

「別にいいですよ、気にしないでください」

「前から思ってたのだが、なぜ君は敬語なんだ?同級生なのだから、もう少し崩して喋ってもいいと思うのだが」

「なんとなくです、きにしな…」言いかけた途端、四迷は細く白い指先を、僕の口にあて、「今日から敬語禁止。わかった?」と言い、にやりと笑った。

あぁ、僕じゃなかったら惚れてるだろうな、なんて思いつつ

「…努力はする。」

「そうかそうか。」と言った顔はひそかに嬉しそうに見えた。

「で、これからどっかにでも行くの?」

「あぁ、とりあえずあそこに入ろうか。」

そう言われ指をさした先に見えたのはファミレスだった。

 二人で一番奥の席に座ると、四迷は急に張り詰めた顔になり、

「昨日のことだ。」

「あぁ。あのことなら誰にも言ってないから、大丈夫だよ。」

「そういうことではない、君には私の秘密を話すから、私に協力してほしい。」

「協力…とは?」

「私を殺そうとした犯人を一緒に探して欲しい。」

「は?」何を言ってるんだこの人は。

「あの夜、私を屋上から突き落とした人がいる、そいつを探すのに協力してほしい。」

「ちょっと待って、話が飛躍しすぎ、大体そしたら何で四迷は生きてるの?」

「それが私の秘密だ。」

「秘密?」

「実は私は、不老不死なんだ。」

その言葉を理解するには多少時間がかった。

「…は?」

「どういう状況でも死ぬことはないんだ。」

「どういう状況っていうのは…トラックに轢かれても?」

「大丈夫だ。」

「体が真っ二つになっても?

「経験はないが恐らく大丈夫だろう。」

「そんなの信じられるわけがない。」

「確かに普通の人なら信じられるはずがないな、でも君は見たはずだ、私が死ぬことはないという証拠を。」

昨日のことか、確かに屋上から落ちたとするならばむしろ死なない方がおかしい。頭から思いっきり落ちてきたし…。

「…わかりました。不老不死だということも信じます。」

「ありがとう、それでもう一つ頼み事があるのだ。」

「今の状況だと何言われても信じると思うから何でも言ってよ。」

すると彼女は急にもじもじしだした。

「ま…じか…おき…して?」

「声がちっちゃくて聞こえない、もう少し大きな声でお願いします。」

彼女の顔が次第に紅くなっていくそして

「毎日一時間お仕置き…して?」

「はい?」

この人は何なんだ、何故こんな意味不明なことばかり言うのだろう。

「何故、そんなことをしなければいけないんだ?。」

「実は私、生まれつきのマゾヒストでな、最低でも一日一時間お仕置き…つまり、肉体的や精神的苦痛を与えてもらえないとどうにかなってしまうのだ。」

何を言ってるんだこいつは

「だから殺されそうになったときもつい、性的快感を味わってしまい、あんなことになってしまったのだ。」

四迷は恍惚の表情を浮かべている。

「何を言っているんだお前は!」

思わず言ってしまった。

「そこでだ優希君頼む、もうセルフじゃ我慢できなくなってしまっている!」

「なんだよ、セルフって!」

「お願いだ、君にしか頼めないんだ」

「でも、一体何をすれば…」

「毎日、夜9時に私の家に来てくれ。」

「分かったとりあえず、引き受けるよ。」

「ありがとう、じゃあ、今日から早速頼むぞ。」

「まじかよ…」この人には驚かされてばかりだな。

 家に帰り、夕飯を食べ終わると、もうすぐ9時だ、四迷の家に行かないとな。

 四迷の家は案外近くにあった。どこにでもありそうな一般的なマンションだ。

「…お邪魔します。」

「来たか、それでは始めようか。」

一人暮らしとは聞いてはいたが、四迷は下着姿で玄関に立っていた。

「なんすか、その格好。」

「ん?これか、この方が苦痛が直に来るからな興奮する。全裸でもいいと思ったのだが、さすがに同級生に裸を見せるわけにはいかないだろう?」

下着の時点で羞恥心をもって欲しかった。

「僕は何をすればいいんだ?」

「うむ、そうだな。」

そう言うと四迷は、部屋のタンスから、何かを取り出してきた。

「まず、これで頼む。」そう言われ渡されたのは、鞭だった。

「この鞭で打てと。」

「そういうわけだが、その前に私縛れ。安心しろ、手首だけだ、亀甲縛りではない。」

何に対して安心しろいうのだ。

「さぁ叩け、遠慮なく!」そう言って四迷は、こちらに背中を向ける

仕方ないか、約束は約束だし、でもさすがに女の子を叩くのは気が引ける。僕はまず、軽く一発叩いてみた。すると、「あっ!」と喘ぎ声が漏れて、

「それでいいもっと、もっとしてくれ。」

目がとろんとして、これから起こることに対して期待をしているようなそんな顔をしていた。僕は、無言で鞭を叩く、叩く度に四迷が喘ぎ声を上げる。段々叩いているうちに楽しくなっていき、次第に強く叩いてしまっていた、何回叩く内に四迷の体は、次第に傷ついていき、皮膚が剥がれ、出血していた。次第に四迷は、喘ぎ声と同時に唸り声すらあげていた。こんな状況が十分ぐらい続いた。途中僕は我に返り

「ごめん、ここまでやるつもりはなかったんだ、我を忘れてたというか…。」

とりあえず僕は土下座をした。すると四迷は、

「いや、良い!むしろ最高だ!」

いやいや恍惚の笑みでグッジョブされてもな…。

「もっと、もっとやってくらひゃい!お願いします、お願いします、何でもしますからぁ!」

「ん?今何でもするって…」

「しますよぉ!私なんでもしちゃいますぅ、毎日こんな快感が味わえると思っただけで、興奮してどうにかなっちゃいそうですよぉ。」

「どうしようもない変態だね、それにすごい変わりよう。」

僕は、この時から人を壊す快感を味わってしまった。もう戻れないかもしれない、でもしれでも良いと思う、四迷は壊れてもすぐ治ってしまうからね。

「じゃあ、これならどう?」と言い、僕は最大限の力で四迷を叩く

「…っ!」

もう四迷は声すら出なくなっていたが、身体が小刻みに震え涎を垂らし無様な姿になっている。まだいけそうだ。

僕はただただ無言で四迷を叩く。鞭で打たれる度、四迷は体を仰け反らせる。

たまに鈍い音が聞こえたりしたが、そんなことは僕にはどうでもよかった。今はこの快感をとことん味わうことにしよう。

約束の一時間だ、四迷の身体はほとんどの皮膚が剥がれ、真っ赤に染まっていた。

「僕はそろそろ帰るよ、四迷起きてる?」

四迷の体を揺すると

「あ…あはぁ…」と白目をむいていたので、浴槽にお湯を溜めて放置しておいた。運ぶ途中に気づいたのが足の骨折れていた、まぁ最後らへん鉄パイプだったし、仕方ないか僕は微かに意識のある彼女に向かって、

「四迷、明日は君を殺し損ねた人の情報集めるよ、僕約束はちゃんと守るから。」と

僕なりにかっこいいセリフをはいてみたんだが、今の状態じゃ話をすることもできないか。僕は、家に帰った。

翌日、今日も四迷が迎えにきた。昨日の傷は一つもなくなっていた。

「おはよう、今日も一緒に行こうか。」

学校の生徒達もあまり騒がなくなった、僕にとっては嬉しいことだ。

「昨日とはまるで違うな。」

「Mスイッチが作動していないからな。」

「なんだよ、Mスイッチって。」

「Mスイッチとは、興奮すると強制的に作動してしまうスイッチのことだ。」

「…そうなんだ。」

正直、ツッコミすら面倒だった。話題を変えよう。

「今日は、ちゃんと調べるから、そもそもあんな遅くまで学校で何をしていたんだ?」

「先生に雑務を押し付けられてな、それであんな時間になってしまった。」

「僕と同じ理由か、じゃあ屋上にいった理由は?」

「手紙で呼び出されたんだ、屋上に来いと。」

「呼び出された?」

「あぁ、その手紙も今は無い紛失してしまってな。」

「なくしたのか、手がかりだったのに。」

「確かに鞄にしまってあったはずなんだが。」

「とりあえず放課後、情報収集しよう。」

「了解した、それではまた放課後に。」

静かに手を振り教室に向かう四迷を見て、昨日と性格全然違うじゃないか。まぁ、ギャップ萌えってやつなのかな。

特に何もなく放課後になった。

 「聞きたいことがある。殺されかけたんだよな?そうすると誰かに押されたってことで間違いはない?」

「間違いはない、後ろから押された感覚があったからな。」

「じゃあまず、あの時間帯に居た生徒を炙り出す、人数は限られてくるはずだ。手分けして情報を集める。」

「わかった。何か分かったら連絡する。」

それではと言い残し四迷は走っていった、とりあえず、適当な先生をあたってみるか。

「あの日、学校に居た生徒?んー、生島以外なら、生徒会書記の松前菜沙かな、三階の廊下ですれ違ったよ。」

「そうですか、ありがとうございます」

「何をしているかは知らないが、勉強もしっかりやれよ、学生の本分は勉強だから。」

「はい。すみません冴島先生。」

冴島薫、ボサボサ髪の中年で僕のクラスの担任だ。

「そういえば、何で松前のこと聞いてきたんだ?、なになに、生島君思春期?好きになっちまったか、そうかそうか、俺も学生時代はな…。」

この話が長くなりそうだ、撤退しよう。

「では、失礼します。」

「あ、おい…」冴島先生が呼び止めようとする前に、扉を閉めた。僕は正直あの人は苦手で話したくもないけど、遅くまで残っていたみたいだし、話だけならと思ったけどもうあまり関わらないようにしよう。

「松前菜沙か…。」どこにいるんだろう、とりあえず生徒会室にいってみよう。

 失礼しますと言い、僕は生徒会室に足を踏み入れる。生徒会室には誰もいなかった。いなかったと思いたかった。茶髪の男子が本棚に寄りかかり、座っていた。唯一の違和感と赤く染まった制服と。胸に刺さる刃物だった。

「…つくづく運が悪い、とりあえず先生を呼んでくるか」

教室を出た途端、背中に痛みが襲ってきた。痛みの原因を知るため、後ろに視線をそらしてみると、そこには僕の背中に密着している涙を流す女の子、その子が離れたとたん、急に力が抜けて崩れ落ちる。そのあとは意識が薄れていった。意識がなくなる少し前、僕を呼ぶ声がした気がした。

 「ここはどこだろう…。」

気がつくと僕は寝かされた、起き上がろうとしたが、痛みで起き上がることができなかった。

「やっとおきてくれたか。」

聞きなれない声に多少動揺したが、視線を向けると角刈りのスーツの男と、すらっとしたポニーテールで眼鏡をかけている女の人がいた。

「警察なんだけど…俺。田中太郎よろしくね、こっちが俺の部下の双葉。」

「双葉和です。」と言い礼をした、綺麗な人だなんて思いつつ、

「警察が僕に何かようでも?」ある程度予想はついていたがとりあえず聞いてみる。

「ほら、君刺されたじゃん?あともう一人の男の子も。犯人まだ見つかってないんだよね顔とか見てないの?」

恐らく松前菜沙…だと思う。顔は見たけど本人かはまだわからない。それにあの子にはまだ聞きたいことあるし、捕まると困るなぁ…。

「いえ、背中だったので見えなかったですよ。」

「そっか、そうだよね。」

「あの、仮に犯人見つけたとしても逮捕は少し待ってもらえますか?」

「え、何で?」

「自分も刺されたんで、一発くらい殴りたいので!」

僕はこれまでにないくらい清々しい笑顔で拳を握る。

「それは無理です、今までに二人も刺してそのうちの一人は殺されています。さらに被害者がでる可能性があるので即逮捕します。」

僕の予想通り頭の硬い人だった、双葉さん。

「ほんとは何か別の理由があるんじゃないんの?」

これまでニコニコしてた田中さんがすごい顔で見てる怖いすごく怖い。

「ただそれだけですよ。」

すると田中さんはニコニコ顔に戻って

「そっか、まぁ別にいいんだけどね。わかったよ逮捕の件すこし待つことにしてあげる、連絡先交換しとこうか。」

「ありがとうございます。田中さん。」

「んじゃあ、それっぽいのいたら連絡するから今日は帰るよじゃあね。」

と言い病室を出て行った。

あと少し寝ることにしようと思って布団をかぶろうとしたとき

「最後に聞いていいですか?」

双葉さん、まだいたのか。

「はい、なんでしょう?」

「貴方は本当に何も見ていないのですか?」

「ほんとですよ、警察の人に嘘つくわけないじゃないですか。」

「すみません。貴方は平気で嘘をつく人に見えたもので…。」

すごい失礼な人だな否定はしないけど。

「わかりました。私も失礼します。」

双葉さんは一回礼をすると病室から出て行った。

「やっと寝れる」

僕はあと少しだけ寝ることにした。

寝ようと思ったけど意識が戻ったと聞いた学校の先生たちや家族が押しかけ全然睡眠は取れなかった。だがそこには四迷がいなかった。心配じゃないのかよとか思いつつやっと寝ることができそうだ。

 翌日、朝食を食べていると四迷がきた。

「おはよう、学校前にきてしまった元気そうでなによりだ。」

「昨日は何をしていたの?」

「あぁ、情報を集めたいたんだが君が刺されたと冴島先生から聞いたのだ。急いで病院に向かったのだが、途中でまた殺されかけたのだ。」

「殺されかけた?今度は何?」

「横断歩道で突然背中を押されてな、トラックに轢かれてしまったのだ。まぁこの通り下には戻ったのだが、元に戻るのに時間がかかってな、昨日はずっと家にいた。」

「その様子だと顔は見てないようだね、警察も動いてる。こっちが先に犯人見つけないとね。」

「色々わかったことがある。私が殺されかけたあの日、残っていた生徒は私たちを除き松前菜沙しかいない。それにその松前菜沙が現在行方不明だ。」

「行方不明?」

「家に帰っていないらしい。」

「そっか、行方不明…か。」

当然といえば当然か?警察も動いているし、俺に顔を見られてる。いなくなるのは仕方がない…のかな?

「それに松前菜沙に関して興味深い情報があって…すまない学校に遅刻してしまう話はまた来て話そう。」

「わかった。また後で。」と言い四迷は病室から出て行った。

医者から1週間もすれば退院できるとは言ってたけど…待つしかないよな。

十二時をを過ぎた。病院の飯はあまり美味しくない。

「誰か来ないかなぁ…」と呟くと同時に病室の扉が開く

「いいタイミングできたんじゃないか?俺。」

病室の入口には冴島先生が立っていた。

「…冴島先生?学校抜け出していいんですか?」

「病人は些細なこときにすんなよ。」

相変わらずヘラヘラ笑っていた。

「しかし、お前も災難だなぁ。学校で刺されるなんて…俺が駆けつけてなかったら死んでたんじゃない?顔とかは見てないの?」

「見てないですよ。っていうか僕の第一発見者冴島先生だったんですか?」

「ああ、そうだよ聞いてなかった?たまたま生徒会室の扉空いててなんだろうと思ってみたらお前と生徒会長が倒れてたわけ、さすがにビビったわ。」

そういえば四迷も冴島先生から聞いたって言ってたっけ。

「そうだったんですか、ありがとうございます」

「いいよいいよ、気にしないで、そろそろ戻らないといけないからこれで失礼させてもらうよ。」

「そうですが、最後に聞きたいことがあります。」

「ん?何?」

「先生は犯人見なかったの?」

「見てないさ。」

冴島先生は相変わらずヘラヘラしていたが、いつもどこか違っているようにみえた。

「そうですか、ありがとうございます。」

「いいよ、じゃあね。」と言って冴島先生は病室を去っていった。

夕方になると四迷が来てくれた。

「今日も元気そうでなによりだ。」

「まぁね、さっそく本題に入ろうか。」

「今朝話そびれた松前菜沙のことだが、色々な噂あってだな…。」

「噂?」

「あくまで噂だ。確証はない、松前菜沙は複数の男子生徒から性的暴行を受けていたのだ。」

「そっかその内の一人が…。」

「生徒会長だったのだ。殺害動機としては成り立つと思う。それに…。」

四迷が何か言いかけた途端、僕の電話の着信音が鳴る。

「あ、田中さんだ。」

「誰だ?田中さんとは。」

「刑事だよ、犯人っぽいのいたら連絡するように伝えといたんだ。」

そして僕は電話を耳に当てる。

「あ、優希君?俺だけど田中。松前菜沙って子が怪しいと思っててね、探してたんだけど残念なことにね彼女、家で首吊って死んでたわ。」

「…首吊りですか。」

「近くに遺書的な物もあるし間違いないよね。」

「そうですか。」

「ただちょっと気になることがあってさ、遺書の日付より三日前に死んでるんだよね。」

「それは少し気になりますね。」

「ねぇ、優希君はどう思う?」

「どういうことですか?」

「いやただ罪悪感に押しつぶされて自殺したんならいいんだけど、他に何か原因があるんじゃないかと思ってさ。」

「田中さんお願いがあります。」

「もしかして遺書もってこいって言うつもり?」

「わかってるじゃないですか。」

「仕方ないなぁ、今からそっち向かうから待ってて。」

「分かりました。」そう言って僕は電話を切った。

「松前菜沙が死んでいたとはな。」

「ただ死んだだけじゃないと思う。それは遺書を読めば大体分かると思うよ。」

「そうだな…なぁ優希君、君が病院にいる間私はセルフだったわけだが。」

いや急に何言い出すんだこの人。

「その刑事がくるまで私を殴るといい、さぁ!遠慮はいらない!」

「ダメ、なによりここ病院だし、退院するまで放置プレイ、OK?」

と言うと四迷は黙りこみそして

「何か飲み物でも買ってこよう。」と言って病室を後にした。

田中さんが来るのにあまり時間はかからなかった。

「これだよ、優希君コピーだけど。」

「ありがとうございます。」

松前菜沙の遺書にはこう書かれていた。

 遺書

  お父さんお母さんごめんなさい。私はこれ以上耐えることはできませんでした。生徒会長達からの性的暴行によりこれ以上生きていくことは私にとってとても辛いことになってしまうのだと思います。少しの間だけ希望を持てたことがあったけど、やっぱり死ぬしかないなって思ってしまいました。ごめんなさい。

                          二〇××年▽月□日

                                 松前 菜沙

「達って誰のことでしょうね。」

「それは俺も気になっていたところ、それとこれが原因なのかっ松前菜沙は早退が多かったらしいよ、学校の先生から聞いたんだ。」

へぇ、そうなんだったのか。それは知らなかった。けど…

「これだけじゃわかりませんね、あと僕は気になったのは…。」

「『少しの間だけ希望を持てた』というとこだろう?」

突然入ってきた女の子に田中さんは少し驚き、

「優希君、この綺麗な子誰?彼女?若いねぇ。」

やばい田中さんがこれまでにないくらいニコニコしてる。

「違いますよ、クラスメイトです。」

「折笠四迷といいます。よろしく。」

「俺、田中太郎。刑事よろしくね。」

二人が軽い自己紹介をしてると

「先輩!やはりここにいましたか。」

双葉さんがきた。

「あ、双葉か。どうしたの?」

「実は…松前菜沙の死体が…消えました。

「え?消えたってどういうこと?」

「死体発見後、検死するために病院に搬送しました。検死後、遺体引き取りのために身内に連絡を取るため。少し席を外しました。その間に…。」

「誰かが運んだということか?でも自殺死体なんて持ち出して意味ないしな…。」

「それと気になるものが…。」

そう言って双葉さんが鞄から出したのは…薄いノートみたいな

「松前菜沙の日記のようです。問題は内容なのですがここを見てください。」

「僕に見せてもらえますか?」

「一般人にみせるものではありません。」

「まぁまぁいいじゃないの、硬いこと言わないで見せてやって。」

「…わかりました。」

むすっとした表情で日記を渡し、渡した後は頬を膨らませ不機嫌そうで不覚にも可愛いと思ってしまった。

「結構こまめに書いていたみたいですね。ここ1ヶ月のことが書かれてるみたいですよ。」

僕はとりあえず全てのページに目を通してみた。

「へぇ、それじゃあ今回のことも何か書いてありそう?」

「何かどころじゃないですね、これ見れば大半はわかったようなもんですよ。」

「え?ほんと?」

だがその前にこの二人には非現実的なものを信じてもらわなければならないな…証明はできなくはないけど、それを見て信じてくれるかが一番の問題だな。

「あとは本人に直接聞くしかないと思います。」

「本人って誰ですか?」

双葉さんさらに不機嫌になってないか?

「それは勿論、松前菜沙と大人達ですよ。」

「松前菜沙は死んだはずでしょう?何を言ってるんですか?」

「いえ、彼女は生きています。」

「何を言ってるのかいまいちわからないなぁ。」

田中さんの顔がすごい怖い顔してる。

「どういうことが説明してくれる?優希君。」

「正確に言うと彼女は死にましたが生きています。」

「…?、何を言っているんですか?」

「まぁこれ以上は役者が全員揃ってからにしましょう。今は不死について信じてもらえる材料を用意しました。」

「何を言っているんだ?」

「僕のクラスメイト、折笠四迷。彼女は不老不死です。」

「おい!優希!それはほかの人には言わない約束だろう!」

「仕方ないだろ、これから実験を始めるんだから。僕の言うことを聞けないともうお仕置きはあの一度きりになっちゃうけどいいの?」

そう言うと四迷は黙ってしまった。どんだけお仕置き好きなんだよ。

「実験とはなんですか?」

「僕がこれから四迷を殺します。」

「…優希君、仮にも刑事の前で犯行予告かい?」

田中さんの表情が怖い、今にも殴りかかってきそうだ。

「大丈夫です、彼女は死にません。」

田中さんはしばらく考え込み、そして…

「わかった、もし死んだ場合俺はお前を逮捕する。」

「先輩!何言ってるんですか!」

「双葉、お前は少し黙ってろ。」

田中さんの顔つきが本気で怖いな。

「…はい。」

「じゃあいくよ、四迷。」

「逝ってきます!」

「いやお前は逝けないから。」と言って僕はいつも護身用に持っている金槌を四迷の頭に向けて思いっきり叩きつけた。鈍い音ともに四迷は倒れ頭から出血し床に崩れ落ちる。

「え?死んだの?」

「だから死なないですって。」

すると四迷は突然起き上がり

「そう私はこれくらいじゃ死にません。」

「うおっ!今のは即死でもおかしくないだろ…。」

「気分はどう?四迷。」

「最高だ!清々しいほどにな!」

「信じられないならもう一回殴ります?」

ふたりは唖然としていたが、田中さんがため息をつき、

「いや、もういい信じるからさ…」

「そうか、それは残念だ。」

四迷が残念とか言わないで。

「田中さんこれから言う人を呼んできてもらえますか?。」

「わかった。」

「松島菜沙はこちらで呼び出します。」

「どうやって?」

「それは秘密です。それで集めて欲しい人というのは…」

僕の頼みごとを田中さんは快く引き受けてくれたが、双葉さんは相変わらず不機嫌そうだった。

二人が病室を去った後、僕は四迷に一つお願いをした。

「ねぇ四迷、一つ頼みごとがあるんだけど。」

「いいぞ、遠慮なく言ってくれ。」

「それは―」。僕は四迷に頼みごとをすると、

「わかった準備してこよう。」と言い四迷も病室を後にした。

病室に僕一人になった。なんか悪いものを見た気がするが、気にせずみんなを待つことにしよう。

1時間後

 「これで全員揃いましたね。」

「全員って…松前菜沙がきてないみたいだけど?」

「大丈夫、すぐきますよ。」

「なんで俺呼ばれてんの?」

「貴方が事件の関係者だからですよ。」

と僕はキメ顔で言った。

「キメ顔でそんなこと言われてもなぁ…。」

実際に人に言われると恥ずかしいなぁ。

「ただの第一発見者だよ?」

「いや、貴方はただの第一発見者ではなかったんですよ。冴島先生。」

「どういうことだい?優希君。」

「松前菜沙の遺書にそって説明したいと思います。まず、性的暴行をうけていました。その加害者が生徒会長達となっていますが、生徒会長と職員たちなんですよ。その内の一人が冴島先生なんですよ」

「おいおい、俺がそんなことするはずないだろ。仮にも教師だ、生徒を襲っちまうなんてことするわけないだろ。」

「確かに、この松前日記には具体的には名前は書いていませんでしたが、彼女が暴力を受けている時間帯などはしっかり記されていました。時間帯的に冴島先生の担当の授業がないときに書き込まれているようです。」

「その暴行を受けた時間帯、俺だけが担当の授業がないわけじゃないだろ。」

「確かにその可能性はあります。ですがそれは本人に聞いてみましょうよ。」

「本人って松前菜沙のことかい?まだ来ていないみたいだけど。」

「いますよ、僕のベッドの下に。」と僕が告げるとベットの下から出てきた。すごい遅いけど。

5分後

「いつから気づいてたの?」

「みんなにお願いして病室に僕一人になっただろ?そんときにほふく前進で進んでくる変なのをみたよ。」

「まじか!まじかまじか!まじかーーー!」と言いながら床を転がる制服姿の彼女は松前菜沙、黙ってれば可愛いのに。

「先輩、逮捕しましょう。即逮捕です。」

「まぁ待てって、生島君と約束したじゃん。一発殴らせてやるってさ。」

「…そうでしたね。」

双葉さんをなだめた田中さんは松前さんに

「それで菜沙ちゃん、実際のとこどうなの?冴島先生から性的暴行を受けていたの。」

今まで床を転がり続けていたがピタッと止まり、仰向けのまま真顔でこう言った。

「冴島先生がそんなことするわけないじゃないですか。」

「ほらね、俺はやってないんだって。」

自分からは口からは言わない気か。

「じゃあ、この松前日記に書かれている暴行は一体誰がやったんですか?」

「そんなの、言うわけないでしょ!」

「じゃあ僕が現在分かっていることを話したいと思います。結論から言うと悪いのは全部冴島先生です。」これは

「なにそれ、ひどくね?」

「まず、この日記には性的暴行としかないのですが、ほんとは暴行以上のことをされたんじゃないかな。松前さん。」

「…そんなことされてないわ」

「貴女は冴島先生に殺されたんじゃないの?」

「おいおい何言ってるんだ?彼女は生きているじゃないか今ここに。」

「言い方が間違っていました。何度も殺されてたんじゃないの?」

「何度も…って生島、まさか人間が生き返ると思っているのか?」

「その通りですよ。」

「そんなのありえるわけないだろ。」

「非現実的な存在は四迷で確かめたはずです。この事件は全てがまともじゃないと成り立たないんです、」

「松前菜沙も不死身ってことですか?本気で言っているのですか?」

「はい。タイプは違いますけど。」

「タイプが違うとは?」

双葉さんが小首をかしげ問いかけてくる。

「四迷の場合は不死なわけですが、松前さんの場合は死にます。」

「ん?言っている意味がわからないのですが…。」

「いいですか、四迷の場合は死にません、どんな状況でも意識は保っています。たとえ何度殴られても、トラックに轢かれても…、ですが松前さんの場合は違います、彼女の場合一度死にます。そして蘇生するんですよ、死ぬ度に何度でも。」

「蘇生するっていうのですか?」

「はい。冴島先生から殺される毎日、死んで蘇生しを繰り返す、主な内容は日記に書いてありますが、1日分ずつ読みましょうか?」

「やめて!やめてよぉ…」菜沙は泣き崩れる。

「そいつの日記がホントだとは限らないだろ?それに遺書には生徒会長ってちゃんと…」

『生徒会長たち』ってかいてあるでしょ?ってかなんで先生が遺書の内容を知ってるの?

「何を言ってる。見せてみろ。」といいほぼ奪い取るに近い形で遺書を手にする。

「…なんだよこれ。」

先生の顔が歪み始めた効果抜群だな。

「残念ながら先生の書かせたやつじゃない。松前さんの本音彼女の本心いわゆるいしょという名の告発文だったんですよ。」

冴島先生は声を荒げ

「俺が書かせた?彼女の本心?何を言ってる!何故俺が彼女に遺書を書かせる必要があるんだ!

刑事組はもう唖然としているな…

「それは勿論…。」

「待ってくれ優希君、私に説明させてもらえないだろうか。」

四迷がすっと立ち上がる、。

「先生は欲しかったんだろう?松前菜沙が、彼女の全てを。」

「…。」

先生はもう喋らなくなった。

「全て彼なりの愛情表現。私たちとは違って片方が受け入れてくれなかったようだがな。」

先程まで泣き崩れていた松前菜沙が立ち上がる。

「先生はずっと私に『愛してる』とか『好きだよ』とか囁いてくるの。それは私にとっては悲痛の言葉。私にはもう人を愛せない。愛して欲しくない。愛なんていらない!」

冴島先生がようやく口を開く。」

「…ま、松前。」

「うるさい!」

彼女は泣き叫ぶ。

「あいつの言葉が!私を殺すの!もう嫌なの!学校で笑うあいつさえでも許せない!でもつらいなんて言えるはずないじゃない!あいつが欲してるのはそういう顔なんだから!もう!もう…いやだよぉ…」

「双葉、彼女を病室の外へ。」

「…はい。」

泣く彼女の肩を抱きながら双葉さんが病室を出ていく。

「…ごめんね。折笠ちゃん。続けて。」

「はい、先生は一方的に愛する彼女の全てが欲しかった。彼女の笑顔;泣き顔。死に顔、これまで色んなものを見てさぞ幸せだっただろう、しかし一方的な愛は人を不幸にするだけだ。」

「四迷。もうやめとけ先生はもう終わってる。」

「…そうだな。」

「ここからは僕が田中さんに対して僕から今回の一連の流れを説明するよ。」

「ああ、お願い。」

「さっきのとこから説明すると、先生が書かせた遺書、恐らくだけど松前さんの家を探せばもう一通出てくると思うけど、それには全ての責任を生徒化会長の彼に押し付けて彼女をずっと自分のモノにするっつもりだった。きっと監禁でもするつもりだったんじゃないかなそのために世間から消す必要があった。わざと死体を見つけさせその後に墓に入っててからでも蘇生して冴島先生のとこに行く予定だったんだろうね。まぁ松前さんが最後にあがいて失敗に終わりましたが…。」

「そうさ。彼女の嫌がる顔も素敵だったよ、何もかもぐちゃぐちゃになる彼女も性的ないたずらなんかじゃつまらない。その先が人間にはあるはずだろ、死の快楽!たまらなかった、彼女は何度でも蘇るんだ!生き返るんだから何したっていいだろ?」

「それは違うだろ?外は人外かもしんないさ、だけども中身は人なんだから非人道的なことはしちゃいけないよな?それに今の言葉自白ってことでこちらは逮捕させてもらうよ」

「…はい。」

「それじゃあ行きますか。ありがとね二人共。」

「松前菜沙はどうなるんですか?」

「あー、さっき双葉が連れってったじゃん?あれ病室の外で待機してって行ったけど生徒会長の彼刺したこと自白したから殺人事件の容疑者として逮捕したから署についてる頃かな。」

「そうすか。」

「うん、それじゃあ俺らも行くから。」

「あ、待ってください。最後に冴島先生に聞きたいことが…。」

「…何だ?」

「何故四迷を殺そうとしたんですが?」

「ん?なんのことだ?俺は彼女以外に興味はない。たとえ彼女が不死であってもな。」

「え?そうすか。」

田中さんは冴島先生をつれて出て行った。

「いまいち納得がいっていないようだな。優希君。」

「それは本来の目的だけが達成できていないじゃないか。」

「私の件だろう?その件ならもう解決しているぞ。」

「え?」

僕は耳を疑った。

「え?」

思わず二回聞いてしまっていた。

「私の妹だ。家にいた頃にもやられたんだほぼ毎日。」

「ほぼ毎日?てかどんな妹だよ。」

「興味本位で色々なことをされたよ。」

「そんときは入らなかったんだ。Mスイッチ。」

「うむ。そうだな…」といい顎に手をやりしばらく考え込むと

「やはり好きな人じゃないとダメなのかもな。」

そういった四迷の顔は柔らかく微笑んでいた。








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