好奇心の箱庭
*後味良くないです。
*文才ゼロですが書きたくなりました。
*これはフィクションです。あくまで空想です。
ご理解頂ける方、優しい気持ちで見ていただけたら嬉しいです><
それは・・・少年や少女がちょうど他人の物が珍しくキラキラ輝いて美しく思えて自分にも欲しくなってしまった感じに似てる。
誰もが持っていて誰もが同じ物は持っていない。
私も欲しくなってしまったのは仕方のない事で・・・何の最終的着地点も目標もなく、ただ、作ってしまった。
自分だけの『箱庭』
何の知識もなく見様見真似でやってしまったのが悪かったのかあらゆるものが蠢き始めた。
少し可愛くも綺麗でもなかったので燃やして作り直してみた。
そうしたらその炎の中から現れた怪物の様なものがその箱庭を支配し始めた。
キラキラ光る水たちは美しかったが地上に姿を現した怪物たちは次第に我が物顔で全てを喰い尽くした。
最初は生きるためと私の美しい色鮮やかな木々や草花。
そして同じ怪物同士の血肉を喰らい尽した。
誰かそれを見て嘆いた。
「哀れな物ね。知識のないものが欲すればその箱庭は絶望へと変貌する」
「だって・・・やり直せば良いよ」
「やぁね、作り手が責任を持てないものなんて最初から此の世に生ませるなんてやめてちょうだい」
「だって、欲しかったから」
「かつてお前の様に好奇心だけで箱庭を作り、そこに我々と同じ姿形をした者を作り愛し『神』と呼ばれた者がいた・・・
それはもう昔話になっているが確かにその者はこの世界に悪災を呼んだんだ。
『星』・・・と呼ばれた『箱庭』の話。
最初は生物などおらずマグマの如く炎が全てを飲み込み美しい紅い星と褒め称えられていた。
この先が楽しみだと見る者の心を躍らせ、
そうして炎が活動をやめた頃、塵が大地を覆い大地となり炎活動が活発だった場所にはポッカリと大きな空間が出来その最深部から水が溢れ始めた。
やがて世界は2色に彩られ誰もが期待に満ち溢れた目で覗き込みこの後の変化を待った。
ただの好奇心が多くの者の興味を惹きすっかり浮かれていたのだろう。
ある日その箱庭の主はうっかりと言うにはお粗末過ぎる失態を犯した。
あるものをその箱庭へ落としてしまったのだ。
しばらくしてその箱庭の水溜まりは『命』で溢れかえった。
不完全な生命が誕生したんだよ」
「不完全?」
「あぁ。生まれながらの不完全。
その命には終わりがあり1人では生きて行く事も叶わないというオマケ付き。
やがて一つの時代が幕を閉じ新たな時代が明ける。
それらは地上へと姿を現し塵塗れだった大地を緑や黄色、赤、白と色とりどりに染め上げた。
それは見事だった。
楽園とは正にこの事。
未だかつて誰も見た事のない色鮮やかで美しい箱庭となった。
しかし、それで終わりではなかった。
最初はほんの景色の一部であったそれは恐ろしい勢いで繁殖をし色鮮やかな世界を食しやがて血肉を食い荒らした。
醜いものだった。
同じ形をしたものが争い己だけの生を求めた。
箱庭の主は怒った。
そして美しい自分の箱庭に生まれた浅ましい支配者に呪いをかけた。
『2度と目覚めぬ深い眠りをくれてやる』
ブリザードが吹き荒び全ての生が深い眠りにつき、再び目覚める事はなかった。
大地に光が差し新しい世界が生まれ変わる頃に箱庭の主はある事を思いたった。
不完全なものしか作れないこの箱庭に己の姿を似せた人形を形作ろうと・・・
それはただの思い付きでこれ以上自分の箱庭を醜いものに支配されないためにとった苦肉の策とでも言うのだろうか。
彼らも例に漏れず『雄』『雌』に分かれ誕生した。
与えたのはただ一つ。
『知恵』
そこからの時間は目まぐるしかった。
彼らは身一つで放り出され物の『食べ方』を学び恥を知り『衣服』を纏い、愛を覚え家族と共にいるための『住処』を作った。
そしてより良い場所を求め『争い』が始まった。
暖かな麗らかな気候であれば嘘の様に平和が続いたが、寒く食べる物もない様な状況に突入すると途端に堰を切ったようにそこ彼処で奪い合いが再び始まった。
興味を惹いたのは争いの後には必ず暮らしは豊かになり進化を遂げた事だ。
一つの国というものが出来ては終わりを告げ彼らは勝国の俗国となり互いを認め合い似せた衣服を身に纏う。
その中で『神』と言うものが幾つか生まれた。
その頃にはあれ程あった争いの悲しみもどこへやら箱庭の主はすっかり逆上せ上がっていたよ。
自分を支配者と認め崇める箱庭の人形達を愛し平等に幸せにさせるのだと息巻いていた。
そしてこの時代を終わらせ新たな安息の地を作り我々と同じ『永遠』を彼らに与えてやるのだと周りを呆れさせた。
だからこそ箱庭の主は気付けなかった。
彼らがこの世すらも破滅させる程のここには存在しない凶悪なものを創り出していたことを・・・
その時は刻一刻と迫っていた。
1度目に起きた大規模な戦乱期。
箱庭の主を激しく揺さぶったのはこの頃だ。
この狭い国々が求めるモノは同じ筈なのに海を渡り相容れないもどかしい争い。
お互いを認め合えずにすぐに始まった2度目の戦乱期。
その頃の箱庭の主は荒れていた。
嘆いて喚いて箱庭を放棄しようとさえしていた。
同じ姿形をしたものたちが争い勝利に喜ぶものの裏側では涙でくれるものに溢れかえり目も当てられぬ様だった。
争いは終わり凄まじい速さで発展していき『現実』や『科学』を免罪符に『神』を誰も信じなくなり箱庭の主を無視して自らが支配者となるべく動き出した頃、それは突如姿を現した。
もちろん我々も見た事のないような代物。
アッとゆう間に『星』は破壊された」
「え?」
「終わったんだよ。
瞬く間もなく、箱庭よりも遙かに短い時間を生きていた我々とそっくりな姿をした人形に・・・
そしてそこからが問題だった、行き場を失ったその代物はこちらに干渉し始めた。
箱庭の主にはもう手に負えない状態になって襲ってきた。
周りの者たちを巻き込んでなんとか持てる力を最大限に引き出し抑えたそれはここの長の箱庭に収められた」
「箱庭の主はどうなったの?」
「あの恐ろしい代物の影響を一番に受けたんだ。無事ではいられなかったし壊れてしまったよ。
本当に愛した人形たちが己で己を消してしまったんだショックだって相当なもんだよ」
「ねぇ、最初に箱庭の主が落とした『あるもの』って何だったの?」
「・・・涙だよ」
「・・・ねぇ、なんで貴方は泣いているの?」
ここまでありがとうございました。
少し補足します。
全体的なテーマは『責任持てない事に技術だけで手を出すと怖いね』ってゆー・
会話の主たちに性別はありません。
永遠を生きてますので箱庭はその中の一瞬の流行やアクセサリー感覚なので箱庭の時間と主の時間は似ているようで全く異なるものです。
何か足りないとか誤字脱字見つかり次第、修正していきたいと思います。