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よかった

 よかった、ちゃんと生きてます、胸もちゃんと残ってます、それはそれで複雑なんですがね。僕は恐怖で気を失っただけのようです。決して漏らしたりなんかはしてま「嘘つくんじゃねーよ」うっさい酔っ払い。人の脳内会話まででてくんな。すいません、ちょろっと漏らしました。ほんとに殺られたとおもったもので。あの後は結局、偶然広場に着いたミリ母の姉のアルさんが取り押さえてくれたらしい。アルさんのお名前は、またも看護をしてくれた時に聞きました。ちなみにミリ母の名前はエルさんというらしい。


「で、なんでこの服・・・。」


 やられました、またもコスプレです。やはり撮影済みらしいです。よりによってミニスカチャイナ・・・ちなみに下着は新品になってました。くっ、男の尊厳が・・・。


 ホクホク顔のアルさん。九死に一生を得たはずなのに絶望を味わっている僕。亀甲縛りで正座させられている真っ赤な顔の春野。亀甲+正座+石抱きのエル。なにこのカオスな世界は。


「この二人はいつからこの状況に?」


「貴女をここに運ばせたときからですわ。ここで貴女の体を拭いて、下着を代えて服を着せて、そのお姿を撮って、その間、ずっとこの状態でお仕置き中ですわ。」


 ちょっとまて、あんたら姉妹にはもう見られているから諦めるとしても、なんで春野にまで全裸をみられなきゃならんのよ。真っ赤な顔はそのせいか・・・。目が合うとふいっと逸らされたし。気絶中になんということしてくれたんですか。すごい恥ずかしいというか気まずすぎる。


 羞恥心と屈辱感を『いまは僕本来の姿じゃない』という強引過ぎる結論でなかった事にした。そうしないと心が折れる。いや、修復不能なほど心が粉砕される。


 ともかく、辛うじて気持ちを持ち直した僕は、アルさんに春野と話があるから二人にしてくれるようにお願いした。

アルさんは、「なにかあったら叫ぶといいですわ。」と言って、エルを引っ立てて部屋から退出していった。


「あの、春野さん?」


「その前にすまないが、この縄を解いてくれるとありがたい。その代わりに君が粗相したことは忘れようではないか。」


 漏らした原因は春野のせいなんですが・・・。と口から出そうになったが、忘れてもらいたい僕はその提案に乗った。とりあえず縄を外すか。結び目はお腹のところか。僕は春野の前に跪いて結び目を解こうとする。眼前にある春野の胸は縛られて強調されて・・・ないな。にらまれるまえに解かないと。


「ひどい目にあった。アルのやつめ覚えていろ。この屈辱は倍にして返してやる。」


 春野が毒を吐く。それをいうなら、ひどい目にあったのは僕だと思うんだ。女になるわ、裸に剥かれるわ、川に落とされるわ、嬲られるわ、2度気絶させられるわ、コスプレさせられるわ、春野に裸を見られるわ、失き・・・これ以上思い出すのはやめよう。

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