恋愛小説
恋愛小説を読んで なんだか淋しくなるのは
自分が愛されてないと思うから
多分 そんなことないんだと思う
それでも なんだか愛されてないと思って
その淋しさが あふれてくる
そんなつもりなんてないのは わかっている
わかっているけど 些細なことがきっかけで
やっぱり愛されてないんだと 思い淋しくなる
自分の想像する愛されている自分って
どんなんだろう と思う
いろいろ考えてみて そもそも愛を感じないのだから
愛されていること自体が よくわからない
疑うことは簡単で 信じることは難しい
一度生まれた疑惑は 新しい疑惑を生んで
もう二度と信じることができないところへ 連れていく
だから 誰も信じられないし 誰も愛せないし
誰からも愛されない
そう感じてしまう
だから 幸せがあふれる恋愛小説は
自分がひどく醜いのだと 言われているようで
ひどく淋しく ひどく哀しくなる
ただ 誰も信じてくれないわけでも
誰も愛してくれないわけでもなくて
本当はただ 自分がそれに気が付いていないだけ
そんなことはわかっている
誰かを信じることや 誰かを愛することが怖くて
ただ逃げているだけ
疑うことで 自分を守っているだけ
だから 信じることができて 愛することができる
恋愛小説の中の人物が うらやましくて
涙が流れるだけ




