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curseという言葉

作者: 砥和 浩

帰宅すると予想通り荷物が届いていた。

『curse』

『取り扱い注意!!大切に扱わないと呪われます』

赤字で外装に目立つように注意書きが書かれていた。

まずは開封しよう

今回注文した品は『呪いのパソコン』という危なっかしいものだ。

エアマットに厳重に巻かれたソレは普通のPCのようだった。

「…これが呪いのPC?」

なにが起きるかわからないノートPC

ソォート、ACアダプタを手に取りコンセントに刺す。

コンセントにさした瞬間!電撃が体中駆け巡り私は感電死した。

ということは起きなかった。

電源を付けてみる。

普通の窓の社ロゴが表示されセットアップ画面に入る。

次々と個人情報を入力していくと

突然!PCが爆発する音と共に粉々になりその前にいた私も粉々になった。

ということも起きなかった。

セットアップは無事に完了してしまった。

「普通のPCじゃないか…」


――数日後――

私の体に異変がおき始めた。

そう指先が徐々に薄れ始めたのだ。

その薄くなった指先はまだ感覚は残っていて物に触るとその感触も伝わる。

一日中私は手袋を着用して出かけた。


――1日目――

指先から手首あたりまで透明になっていた。

手を目の前にかざして見るが手は見えずにその向こうの背景だけが見える。

おかしなものだ。


――3日目――

こんどは上半身全部が透明になっていた。

全身鏡の前に立ってみるが腰から下はあるのに上はきれいになくなっていた。

ショートカットの髪も

きれいとは言えない顔も

少し長めの首も

わりかし細めの腕も

ぺちゃんこな胸も

少し太ってきたお腹も

なくなっていた。


――4日目――

ついに足首からつま先だけになった。

どうしよう…

これでは外に出ることもできないではないか


――1週間後――

私は完全に透明人間になっていた。

だれからも視認されずに生きている。

目の前にはいつもと同じ日常が広がっているが私だけが取り残されている。

これは生きているといえるのだろうか?

視認されない死人であるかのように。

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