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MP1の転生者  作者: 赤い人
第4章-MP1の”13人目”の冒険者
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ギルドマスターの謀略

今日1つ目です。

あと3つあります。

第4章-MP1の“13人目”の冒険者 其の6-



-次の日のギルドに向かう道にて-



「う~飲みすぎた・・・頭が痛い・・・」

「大丈夫ですか?」

「大丈夫じゃない・・・」



昨日のスズの誕生日会&送別会はかなりカオスなことになった。


ウサミ先輩は上級酒や古代級酒をどんどん注文し、俺の【中級対異常耐性】を簡単に突破して酔わせてくれた。


なお~耐性は防御スキルなので受けたあとは意味がないし、うちのパーティには高位の治癒魔法を使えるものはいない。



結果、次の日の朝目覚めたら店が半壊していた・・・。


まあ数十年分の売り上げを払ったら喜んで許してくれたが――ウサミさんの奢りです、ごちになりました。



で俺たちが酔いつぶれて寝ている間にウサミさん達は去って行った。

・・・湿っぽいのは嫌いなんだよという手紙を残して。


【フレンド登録】をしているから、冒険者ギルドがある町にいるときなら居場所もわかるし、【フレンドチャット】で連絡が取れるんだけどね。


ちなみにこの【フレンド登録】は居場所もわかるので悪用されやすく、冒険者間では本当に信用できる相手にしか登録をしないのが普通だ。


母上ことメイとウサミ先輩も登録をしていたそうだ。

ただ結婚後はギルド登録が抹消されたので、連絡が取れなくなったが。



「酔い止めのポーション使いますか?」

「・・・仕方ないか」



俺が若干悩んだ理由はポーション類が高いからだ。

この世界では種族によって職業の適性が偏っている。


獣人は戦士系、ドワーフは職人系、エルフは調合士、治癒魔術師系、ホビットはレンジャー系、龍人は魔物殺し系、ダークエルフが攻撃魔術師系、魔人が魔物使い系、ヒューマンは一応冒険者だが適性値は+1で、あとは天職によって適性が決まる。


でポーションを作るのに適しているのはエルフだ。


だがエルフは自国のオーストラリアから出ることはほぼなく、結果として質のいいポーション類はほとんど出回っていないのだ。


同様に治癒魔術士系も貴重なため、持っているとかなり優遇される。

――カオリとスズの父が「治癒魔導士」でモテモテだったことからも想像できるだろう。




「ん!」



俺はアイテムボックスからだした上級酔い止めポーションを一気飲みした。


度々脱線して済まないがアイテムボックスとゴットボックスは別物で、一般的にはアイテムボックスだ。


アイテムボックスはただの箱で中に入れると時間が止まるとかもないし、思い浮かべるだけで出ることはないので整理しておかないと取りだすのに苦労する。


目立つのも嫌なので町中ではアイテムボックスの方を使うようにしている。



「ふ~ 生き帰った!!」

「良かったです・・・ところでスズまだ起きませんね」



さっきから会話に参加していないスズは俺の背中で眠りこけていた。



「ん~ あんだけ騒いだら仕方ないか・・・。今からギルドマスターに今回の件の落とし前をつけてもらいに行くのに、この状況は不味いしな~」

「そうですよね・・・。それならスズを預かっていましょうか? それに交渉はショウ様一人の方がやりやすいでしょうし」

「・・・ありがとね。それじゃあお願いするよ。全部終わったらスズの鈴を頼りに合流するよ。何かあったらちゃんと鈴を鳴らすように! 何があってもすぐに駆けつけるから」

「はい! わかっています。それじゃあスズを・・・」



俺は背負っていたスズを引き渡し、一人でギルドに向かうことになった。

――おそらくカオリは一緒にいると気を使うと思ったのだろうな。




-冒険者ギルド、ギルドマスター室-



「ようこそおいで下さいました。【『前代未聞』の剣聖】ことショウ・オオサカ様」



今この部屋には俺とギルマスとホイミのお姉さんのベホイミさんの3人だけだ。


ウサミ先輩のアドバイス通りすでに【真実の目】を発動しているが・・・ギルマスは何か企んでいるのがありありと伝わってくる。


ちなみにベホイミさんは何か覚悟を決めているような感じだ。



「早速ですが今回の失態のお詫びとしてホイミ・シャンハイを貴方の奴隷として引き渡そうと思います。よろしければこの契約書にサインしていただけないでしょうか?」



――これ絶対サインしたらいけないパターンだよね。



俺はすぐにはサインせず、契約書をじっくり読んでみたところ・・・



――ホイミ・シャンハイの持っている財産、契約はすべてサインした者の物になる。



これで気付いた。



「契約足してもらえるかい?」

「え、何をでしょうか?」

「もしホイミ・シャンハイが現在持っている借金やこちらの不利益になる契約を明記していない場合――あなたの首を貰うと」



反応は劇的だった。



「い、いえ・・・そのような項目を足すと時間がかかりますので、すぐサインしてください」

「あ~ベホイミでよかったか? ホイミの借金総額と他の契約とか教えてくれ。ちなみに俺には嘘が通じないから」

「・・・借金は1億MPです。他にも無償労働契約等があります」

「もしかして強制命令権とかあったりしないか?」

「「!?」」



その反応で確証できた。

ギルマスの狙いは借金を背を背負わせて、さらに古代級職の俺を自由に動かせる手ごまにしようとしたわけだ。

さてどう料理するか・・・。


実はこれがホイミがまだクビになっていなかった理由だったりします。


特修職の神官系は人数が少なく、さらにやめられて犯罪者にさらわれると被害が拡大する可能性があったのでやめさせられにくかったが、登録を抹消して天啓をしないギルドの下働きとしてこき使うこともできた。


それをしなかったのはへましまくって1週間後ルカニが目を付けて、今回のトラップを仕込むために借金や契約を重ねさせた。

初めからショウをターゲットにしていたわけではなく、上級上位くらいを狙っていた。

初めにベホイミがショウに提示した額よりかなり高いのはギルドへの借金が多いため。

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